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レディーガガ病気でヨーロッパ公演を中止 : 病名は「線維筋痛症」

Lady Gaga

Credit: Philip Nelson

レディー・ガガは「激痛」のためヨーロッパ公演を中止すると発表しました。レディー・ガガの病名は「線維筋痛症 」と発表されてますが、どんな病気なのでしょうか?

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レディー・ガガ公演中止発表

2月1日にイギリス、バーミンガムでコンサートを行いイギリスのファンを魅了したレディー・ガガ。

しかしこのコンサートのあと、彼女はツィッターで、体調不良のためこれ以上ワールド・ツアーを続けることはできなくなり、ヨーロッパ公演を中止すると発表しました。ロンドンやマンチェスターで予定されていた公演も中止になり、ファンはがっかりしています。

レディー・ガガはツイッターで激痛に苦しんでいて、パフォーマンスにも影響を及ぼしており、医療チームと相談した結果、公演中止の決断になったと説明しています。

ガガは「とても残念ですが、ファンの皆さんとまたお目にかかることを約束します。今は体調を回復することに専念します。」とコメント。

レディー・ガガは2017年9月に「線維筋痛症」(せんいきんつうしょう、英語で fibromyalgia)であることを発表しています。秋の欧州ツアーを延期して治療に専念していました。2018年1月28日に行われたグラミー賞授賞式には元気な姿を見せていて体調が回復したかに見えましたが、その後症状がまた悪化した模様です。

線維筋痛症(せんいきんつうしょう)とは?

線維筋痛症は全身に痛みが起きる慢性疾患で、極度の疲労や睡眠障害、抑うつ、頭痛、自律神経の障害などを伴うことがあります。その痛みは軽度のものから激痛までさまざまですが、ガラスの破片が流れるような耐え難い痛みであることも多いそうです。

20代から60歳代の女性に多い病気で、特に中高年の女性が発症することが多いと言われています。

初期症状としては関節が麻痺して反応しなくなり、痛みが出ます。長時間同じ姿勢でいたり寝ていた後、朝方にこの症状が出ることが多いということです。そのうち睡眠障害が出始め、睡眠後も疲労感が残ります。このせいで集中力が欠けたり精神的に不安定になります。また、人によっては腹痛や下痢、消化不良などを伴う場合もあります。

そのうち、症状が進行していくと痛みがひどくなり、通常の生活を送ることが不可能な状態になります。気圧や気温など外的刺激を痛みとして感じるため、進行すると少しの刺激でも激痛が走ったり、外出が苦痛になるなど、自力での社会生活が困難になります。

この病気が原因で死に至るようなことはないそうですが、がんや心臓病などのわかりやすい病気に比べ周りに理解されにくく、痛みに加えて精神的な悩みもプラスされ、精神疾患を併発することが多いそうです。うつ病を併発するケースが30〜50%もあり、自殺に至るケースも少なくないということです。

米国では人口の約2%が線維筋痛症にかかっているとされ、厚生労働省の調査では日本人の1.7%がこの病気にかかっていて、患者は200万人いると推定されています。

原因や治療法は?

線維筋痛症を発症する原因は不明ですが、刺激に対して過剰に反応する知覚過敏が起きていると考えられます。

過度のストレスなども原因となるのではとも言われています。たとえば、思春期に受けた虐待やトラブル、手術や自己等による外傷、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などが発症やその後の進行のきっかけになることがあるようです。

線維筋痛症は一般的な検査や血液検査、CTやMRIスキャンでも異常が見られないため、医学的に診断することが難しく、その治療方法も確立されていません。

抗うつ剤や漢方薬、心理療法などを試み、症状を克服したという人もいますが、現在の医学ではこの病気を根本的に治す薬や治療方法はありません。

個々のケースに従い、痛みを和らげながら睡眠の調整、適度な運動を行って患者を支援するしかないようです。

レディー・ガガおすすめ対症法

レディー・ガガは「人によって症状などに個人差があるのでかかりつけの医者と相談するべき」とした上で、自身がここ5年間試して一番効果がある対症方法として赤外線サウナをあげています。

痛みがひどいときに、シルバーの保温ブランケットにくるまってサウナに入るとぽかぽかして痛みが和らぐそうです。

体が熱くなりすぎないよう、サウナのあと冷たい水に浸かったり、保冷パック(または冷凍のグリーンピースなど)を体に置くのもいいと言っています。

レディー・ガガは写真にあるような赤外線サウナを買ったそうですが、赤外線サウナには棺桶のような形のものもあるし、電気毛布のような簡易タイプのものもあると言っています。

線維筋痛症にかかった有名人

線維筋痛症はまれに見る奇病でも最近になって発見された病気でもなく、国内外にたくさん患者がいます。

フローレンス・ナイチンゲール Florence Nightingale

クリミア戦争中に活躍し「クリミアの天使」と呼ばれたイギリスの従軍看護婦ナイチンゲールは37歳のとき心臓発作を起こし、その後線維筋痛症と思われる病状を発症。彼女の時代には線維筋痛症という病名はまだありませんでしたが、その症状を考えると彼女はこの病気を発症していたと言われています。

ナイチンゲールは90歳で亡くなるまで約50年間をベッドの上で過ごしました。晩年は失明し目も見えないまま10年を過ごしたそうです。

シネイド・オコナー Sinead O’Connor

アイルランドの歌姫として活躍したシネイド・オコナーは2003年に線維筋痛症であると発表し、治療のため3年間休業していました。

モーガン・フリーマン Morgan Freeman

ハリウッドのベテラン俳優。車での交通事故がきっかけで71歳のときに線維筋痛症を発症しました。女性に多い病気とはいえ、男性もこの病気で苦しんでいるという例です。

 

堀ちえみ

2017年5月に「徹子の部屋」に出演した堀ちえみさんは2016年3月頃から神経性疼痛を患っているとコメント。現在も闘病中だということです。

広田レオナ

女優で監督の広田レオナさんは出産後に線維筋痛症を発症しました。約4年間もベッドから起きられないくらいでした。

けれども発症中は原因が線維筋痛症だったということを知らず、最近になってそのことがわかったということです。

大杉君枝

日本テレビの元アナウンサーである大杉君枝さんは10年前に43歳という若さで幼い子供をおいて飛び降り自殺。

亡くなる4ヶ月前に男の子を出産後、線維筋痛症で耐え難い全身の激痛に悩まされ続けていたと報道されています。

塚本明里


モデルの塚本明里さんは自身のブログ塚本明里の「あかりある」で、レディー・ガガが病気を公表したことに触れ、ご自身の線維筋痛症についてコメント。

高校2年のときに発症して12年間ずっと闘病中だとのこと。病気を診断されるまでに16名の医師にかかり発症から診断までに1年半かかったそうです。

ペインクリニックに毎日のように通院して全身に40箇所以上の麻酔を打っていたとのこと。今でも治療を続けており、その上に、患者会の代表としても活躍するという力強い人でもあります。

 

患者支援団体

日本には線維筋痛症にかかった患者を支援する団体である線維筋痛症友の会があります。

また、モデルの塚本明里さんが代表をつとめている筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の患者会、笑顔の花びら集めたいがあります。これらの病気の問題を解消するために広く啓蒙活動を行っています。

周りに理解されることが難しい病気なので、一人で苦しむのではなく、同じような病気にかかっている人同士で情報を交換し合ったり交友を深めることで精神的にも大きな支えになることでしょう。

まとめ

レディー・ガガのかかった線維筋痛症という病気は公表されているだけでもかなりの有名人がかかっている病気であるということがわかりました。

一般にもこの病気で闘病中の方がたくさんいらっしゃるでしょう。中には、病名がはっきりしなかったり、周りに理解されないままに苦しんでいらっしゃる方もいるかもしれません。

レディー・ガガなどの有名な人が自身の病気を公表することで、一般の人にこの難病を正しく理解してもらうきっかけになるよう、そして、病気の研究が進み、早く治療法が見つかるよう、祈るばかりです。

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