ギリシャ旅行というとアテネを訪れる人は多いでしょう。その中でも、観光名所の目玉である世界遺産アクロポリスの遺跡群は外せませんね。ここには、有名なパルテノン神殿をはじめとする様々な古代遺跡があるのですが、その中にあるヘロディス・アッティコス劇場では今でも実際にオペラなどのイベントが行われています。アテネ・エピダウロスフェスティバルの一環として上演されたオペラ「カルメン」を鑑賞した時の様子をご紹介します。ただ遺跡を鑑賞するだけでは到底味わえない特別な思い出となるので、日程が合うようならぜひ素敵な夜をお過ごしください。
Contents
アテネ
古代ギリシャの都市アテネは、町中遺跡だらけで観光スポットもたくさん。とはいえ、現代も人口400万人を抱える政治、経済、文化の中心地なので、近代的なビジネスや店舗も混在し、地元の人が生活し働き楽しんでいるところです。なので、観光客でいっぱいの島などに比べ、普通の人の生活を垣間見ることができて私的には大好きな町です。ローマやイスタンブールのようなところ。今回で私は3度目ですが、来るたびに新しい発見があります。
アクロポリス
営業時間 (夏) 8AM-8PM (4月~10月)
営業時間 (冬)8AM-3PM(11月~3月)
公共の祝日(1/1、3/25、イースター日曜、5/1、12/25、26)以外毎日営業
入場料 大人1人12ユーロ、子供は半額、17歳以下のEU住民は無料
(すべて2018年夏の情報なのでその都度確認してください)
世界遺産であるアクロポリスは何と言ってもアテネ観光の目玉。「高い丘の都市」という意味だけあって、アテネの街中から見える小高い丘の上に立っています。中には、パルテノン神殿をはじめ、前門、ゼウス神殿、劇場などの古代遺跡が残っています。
ヘロディス・アッティコス劇場
アクロポリスには古代劇場が二つあります。一つはディオニソスの劇場で、ギリシャ最古のもの。もともと木造だったものが紀元前4世紀に大理石で改修された劇場です。
そして、もう一つがヘロディス・アッティコス劇場。161年にギリシア人の貴族でローマ元老院議員であったヘロディス・アッティコスが妻を偲んで建設したものです。この劇場は主に音楽の演奏会に使われ、32列の客席に約5000人を収容できましたが、その後破壊されました。
この劇場は1950年代に改修されてコンサート会場として今でも利用されているのです。かつてそうであったように、観客席と舞台部分には大理石が使われています。
アテネ・エピダウロス・フェスティバル
開演日時 5月~10月
場所:アテネ、エピダウロス(ギリシャ)
リンク:アテネ・エピダウロス・フェスティバル公式サイト
(すべて2018年夏の情報なのでその都度確認してください)
オペラ「カルメン」
2018年の7月にはヘロディス・アッティコス劇場で有名なビゼーのオペラ「カルメン」が上演されました。ギリシャ国立オペラ(Greek National Opera)による、モダンにアレンジされたものです。7月27、28,29、31日の4日間、夜の9時からの開演です。私たちは2日目の28日のチケットを前日、劇場の外にあるチケット・ブースで買いました。
指定席もあるのですが結構なお値段なので、私たちは一番安い自由席のチケットにしました。チケット販売の人が8時の会場オープンと同時に入るといい席が取れるよとアドバイスをしてくれたので、早めに行きました。
ちょっと早すぎて7時半くらいにはついてしまったので入り口で待っていたらそのあとに人が集まり始め8時過ぎには長い列が。自由席の入り口は右左に2か所ありますが、左側に並ぶと、トイレが近いので便利です。
8時に会場があくと石段を登って席を取りますが、早く行ったおかげで自由席の一番前のど真ん中に座ることができました。前は通路なので見晴らしがよくオーケストラや舞台もよく見えます。昼間にこの劇場を見学した時はがっしりした石がならぶ、いかにも「古代遺跡」だったのですが、石の座席の上には1人1人にちゃんと白いクッションが敷いてありました。おかげでお尻が痛くもならず快適です。
早くに行ったので、おしゃべりをしながら劇場の雰囲気をしっかり味わうことができました。次々に観客席につく人々をながめたり、地元のギリシャ人や各国からの観光客の服装を比べたりするのもおもしろいもの。ギリシャの人はそれなりにおしゃれしていますが、アメリカやイギリス、ドイツなどからの観光客はTシャツにショートパンツとカジュアルな格好の人が多いのです。何しろ昼間のアテネはとても暑いのですから。
そのうち、席がほとんど埋まってきて、オーケストラの団員たちが入場してスタンバイします。そしていよいよオペラが開幕。オーケストラが大音響で「カルメン」の有名な曲を奏でます。「カルメン」はフランス語ですが、ステージの両側に字幕が出てギリシャ語と英語を読むことができました。まあ、ストーリーは大体わかっているのでいちいち全部読まなくても楽しめますが。
オペラは夜の9時からで途中インターバルがありますが、ほんの15分くらいです。外にあるバーで飲み物をゆっくりなんていう暇はありませんでした。オペラは後半がそのまま続き、11時前には終了でした。外に出ると夏の夜風が涼しくて気持ちよく、観客はまだ興奮のさめやらぬ趣で劇場の外にあるバーでドリンクを飲んだり、そぞろ歩きを楽しんだり。
まとめ
普段は昼間に観光スポットを回る旅行ですが、たまにはこういうエンターテイメントを楽しむのはいいですね。古代遺跡というと、アテネの前に訪れたエピダウロスの劇場でもここで劇やコンサートを観てみたいと思ったので、やっと願いがかないました。日程の都合もあるのでなかなか実現しないものですが、今回はちょうどよかったのです。
もし、アテネやエピダウロスを訪れる機会があったら、何かエンターテイメントが催される予定がないかどうか調べてみてはいかがでしょうか。もし日程が合えば、二度とない思い出になることまちがいなしです。
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