今年もイースターが近づいてきてイギリスでは店頭にイースターの飾りつけ用品やギフト、お菓子などが並ぶようになりました。「復活祭」と呼ばれるイースター(英語ではEaster)とはいつからいつまで、そしてどんなお祝いなのでしょうか。その意味、由来、お祝いの方法などを紹介します。最近は日本でもイベントが行われているのでそちらもご案内。
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イースターとは復活祭
イースター(英語でEaster)はキリスト教国ではクリスマスに次ぐ大切なお祝い。
その由来は十字架にかけられ亡くなったイエス・キリストが3日後に復活したこと。
それで「復活祭」という名前がついているのです。
一般的にはクリスマスのほうを盛大に祝いますが、
キリスト教の宗教行事としては、実はクリスマスよりも重要な日なのです。
イースターはいつからいつまで?
2019年のイースターサンデーは4月21日日曜日です。
クリスマスが毎年12月25日と決まっているのに対してイースターは移動祝祭日で毎年日にちが変わります。
年によって3月22日から4月25日までと1か月以上の開きがあるので、毎年カレンダーで日にちを確認する必要があります。
キリスト教にも西方教会と東方教会があり、それによっても違ってきますが、イギリスやアメリカは西方教会、日本でもそれに習うことが多いです。
西方教会でイースターサンデーは3月21日(春分の日)の次の満月の後の最初の日曜日というように決められています。
だから来年以降のイースターの日付ももうわかっています。
2020年 4月12日
2021年 4月4日
2022年 4月17日
イースターというとこのイースター・サンデーの前の金曜日から翌日の月曜日までの4日間を祝い、イギリスでは学校や職場もお休みになります。
イエス・キリストは金曜日(グッド・フライデー)に十字架にかけられて死亡し月曜日(イースター・マンデー)に復活して天国に召されたからこの4日間を祝うのです。
それぞれの日をこのように呼びます。
グッド・フライデー Good Friday
イースター・サンデー Easter Sunday
イースター・マンデー Easter Monday
イースターのお祝いの仕方
イースターエッグ
イースターのお祝いと言うと卵がかかせません。
これは卵の殻を割って生まれるひな鳥の様子を復活するイエス・キリストの姿になぞらえているのです。
なので、初期のイースター・エッグはゆで卵を真っ赤に染めたものでした。
キリストの血で染まった卵ということだったのですね。
今では、いろいろな色を使ったり絵を描いたりしてカラフルに仕上げます。
そして、このイースター・エッグを隠して、子供がそれを見つけるエッグハントという遊びをします。
とはいうものの、最近は本物の卵を使うよりは、卵の形をしたチョコレートなどのお菓子を使うことが多いです。
お店にいろいろなイースターエッグが出回っているので手に入れるのも簡単です。
卵だけでなく、黄色いひよこもイースターの飾り付けやモチーフに使われます。
イースターバニー
イースターというと、エッグの次に思い浮かぶのがイースターバニーと呼ばれるウサギ。
卵と同じようにウサギの形をしたチョコレートやクッキーなどのお菓子も店頭に並びます。
どうしてウサギなのかというと、ウサギは多産であることから、生命の復活と繁栄を祝うシンボルとなっているのです。
イースターの伝統料理ローストラム
イースターには家庭でも家族が集まって食事をしたりしてお祝いをします。
イギリスでのイースターの伝統料理といえば、やはりローストラムですね。
子羊肉をオーブンでローストしたものを切り分けて、ミントソースをかけていただきます。
イエス・キリストは「神の子羊」と呼ばれたのでラムを食べる習慣があるとか、最後の晩餐のときに食べた料理がラムだったとかいろいろな宗教的な意味がこめられています。
また、春は子羊が産まれる時期で、イギリスではラムが旬なときでもあります。
日本料理に比べ季節感が乏しいイギリス料理ですが「春はラム」と言うのはお決まりとなっています。
ホットクロスバンズ Hot Cross Buns
もう一つ、イースターの食べ物として忘れては行けないのがホットクロスバンズです。
レーズンやシナモンが入っている甘い菓子パンですが、クロス(十字架)の模様がついています。
イエス・キリストが架けられた十字架にちなんでできたものなのです。
これはキリストが十字架にかけられたグッド・フライデーに食べるのが伝統ですが、イギリスでは1年中売られているのでいつでも食べることができます。
スーパーなどで4つ入りで1ポンド(約150円)くらいなので気軽に食べられます。
食べ方としては、真ん中で2つに切ってトーストしてバターを塗って熱々を頂きます。
トーストするとシナモンの香りが漂って食指をそそります。
日本でのイベント 2019
イースターはキリスト教徒のお祭りですが、最近では日本でもあちこちでイベントがあります。
今年は春休み中なので、家族で楽しんで見てはどうでしょうか。
東京ディズニーリゾート
東京ディズニーリゾートではディズニー・イースターのイベントが4月4日から6月2日まで行われます。
華やかでファッショナブルなディズニーならではのイースターを楽しむことができます。
イースターバニーボンネットやうさみみで着飾ったディズニーの仲間たちが盛り上げるイースターイベント。今年初登場の「うさピヨ」がおなじみになったディズニー・イースターを盛り上げてくれます。
イースターエッグハント、ファッショナブル・イースターやマリタイムバンドの公演、イースターバニーボンネットやうさみみをつけて写真が撮れるフォトロケーションなどイベントが盛りだくさん。
レストランではイースター用のスペシャルメニューも用意されています。
また、イースター期間限定で手に入るスペシャルグッズやスーベニアも数々用意されていて、自分用にもおみやげにもぴったりなゴッズが手に入ります。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンでは3月15日から6月23日までユニバーサル・イースター・セレブレーションが開催されます。
春のユニバーサル・ワンダーランドやパーク内各所にイースターをテーマにしたデコレーションが。ユニバーサル・ワンダーランドに加え、ミニオン・パークまでエリアを広げて開催されます。
イースターたまご探しラリーなど、子供も大人も楽しめるイベントが用意されています。
レストランでは、イースターをテーマとした卵を使ったイースターサラダ、イースターサンドなどのフードメニューが楽しめます。
また、イースターを可愛くお祝いするためのイースターグッズも数多く取り揃えられ、イースター限定シールも配布されます。
USJのオンラインでもイースターグッズの一部を購入することができるほか、イースターイベントの思い出の写真を投稿できるフォト・キャンペーンも行われます。
サンリオピューロランド
サンリオランドではピューロイースターイベントが3月21日から6月27日まで開催されます。
今年のイースターイベントはクラシカル&ポップがテーマ。ハローキティたちが「アメリカンオールディーズ」風のおしゃれで登場。レトロでかわいいイースターが楽しめます。
Egg’n’Roll Easter という参加型のショーでは、「イースタークイーン」を決めるプロムを舞台にオールディーズファッションにドレスアップしたハローキティ―たちが登場します。
そして、3階のレインボーホールではクラシックカーをモチーフにしたフォトスポットでイースターの記念撮影が楽しめます。また、1階のストロベリーホールではイースターダイナーのフォトスポットが用意されています。
また、うさぎやたまごをモチーフにしたフォトジェニックで可愛いイースターメニューを食べることができます。
この期間限定で販売されるイースターグッズにはイースターにふさわしいオリジナルグッズが発売されます。
イケア・ジャパン
スウェーデン発祥のイケアでも、イースターフェアが行われスカンジナビアンの復活祭気分を楽しむことができます。
長く寒い冬の終わりに来るイースターは北欧では祝福の気分にあふれたお祭り。
春の花で飾られたテーブル一杯に並んだ伝統的なご馳走を家族で囲んで、春の到来を祝うスウェーデンならではの伝統を楽しみましょう。
イケアのレストランではイースタープレート、スウェーデン料理の定番で大人気の「空飛ぶヤコブさん」など、イースター限定のメニューが満載です。
期間:2019年4月4日(木)~5月12日(日)
場所:全国のイケアストア
まとめ
もともとはキリスト教の宗教行事として始まったイースター。
最近はキリスト教国であるはずのイギリスでも、クリスマスと同様に子供を中心に家族ぐるみで楽しむ期間となっています。
長い冬が終わって暖かい春が始まる季節なので、その喜びもひとしお。
久しぶりに家族ぐるみで戸外で楽しむのに最適な時期なんです。
日本でもイースターのお祝いを楽しんでみてはどうでしょうか。
おまけの豆知識:イースターの日にちを固定する話
イースターは移動祝日なので3月下旬から4月下旬までのいつになるのか毎年変わってしまうということで、けっこう不便です。
たとえばイギリスではイースターの前後2週間ほどが日本でいう春休みにあたり学校もお休みになりますが、この時期が毎年変動するため、イースターの時期によってはその前後の学期機関が長くなりすぎたり短すぎたりして困るときがあります。
それで学校によってはイースターに関わらず春休みを(日本のように)3月終わりの1週間と4月初めの1週間と定めているところもあります。
イースターのお休みがそれより早かったり遅かったりする場合はイースター期間の金曜から月曜までもお休みとなります。
この場合、兄弟がいる家族は子供の学校の春休みがずれたりしてそれはそれで面倒だったりするのです。
特に今年はイースターが4月21日と遅いので困りものです。
イギリスの学校では学期の途中に「ハーフ・ターム」と呼ばれる1週間休みをとるのですが、このハーフ・ターム・ホリデーが5月26日から6月3日そのうえメイデーの祝日で5月7日もお休み。
そしてイギリスの学校ではこの学期の終わり6月に大切な学年末試験があるというのに、勉強する暇ないじゃないかと思うんですね。
イースターを毎年同じ日に決めてくれないかしらと思うけれども、これは聖なる宗教のお祭りだからそんなことを言ったら怒られる?
と思っていたのですが、実はそれが実行されるかもしれません。
実はイースターの日にちを固定する議論は2世紀から2000年もかけて行われてきたそうなんですが、今まで覆されたことはありませんでした。
「聖なるお祭りなんだから、変えるなんてけしからん。」ということで。
それに、西方と東方とで違う方法で日付を決めているので、どちらも譲歩しなかったんですね。
けれども、学校や仕事、様々な行事やイベントを計画する上でやはり不便だということで2014年から各教会、宗派の代表がイースターの日にちを定めることについて話し合いをしています。
その結果、だいたいの同意はまとまりそうなんだとのこと。
あとはそれをいつにするのかがまだ最終的に決まってないそうですが、4月の第2週目か3週目になりそうだという話です。
でも実現するまでには5~10年かかるということでした。
早くそうなってほしいものです。