新旧天皇と皇后について海外の反応:日本の皇室に期待すること

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March2018

Last Updated on 2019-08-02 by ラヴリー

天皇退位による平成時代の終わりと新天皇即位による令和時代の始まりという節目でイギリスメディアをはじめ、海外では久しぶりに日本の皇室のことが話題に上がっています。新天皇皇后について海外ではどのように紹介し、日本のこれからの皇室についてどのようなことが報道され期待されているのでしょうか。

Contents

新旧天皇と皇后について海外の反応

皇室に関する英語表記

今上天皇については「エンペラー・アキヒトEmperor Akihito」
美智子皇后については「エンプレス・ミチコ Empress Michiko」と称されます。

退位のあとの英語での称号は上皇が 「Emperor Emeritus」上皇后が「Empress Emerita」となると発表されました。
「emeritus」というのは「名誉教授(professor emeritus)」などに使われるラテン語で、実務や実権はないものの過去に功績のある人に与えられる名誉職と言った意味です。

皇太子の呼び名は「クラウン・プリンス・ナルヒト Crown Prince Naruhito」皇太子妃は「クラウン・プリンセス」でした。
天皇に即位することにより「エンペラー・ナルヒト Emperor Naruhito」
「エンプレス・マサコ Empress Masako」となります。
「エンペラー」ぬきで単に名前の「ナルヒト」「マサコ」で略されることも多いです。

明仁天皇退位について海外メディア報道

アキヒト天皇皇后については、国民と共に歩むことに全力を傾けたこと、戦時の過去について反省し近隣諸国を訪れて友好の絆を深めようと努力したことなどを高く評価する記事が目立ちます。

また、災害時に被災地を訪れ被害者の労をねぎらったこと、ハンセン病患者などの社会的弱者を訪問したことなどで、国民の信望も厚いということが報道されています。

ロイターでは天皇皇后のこれまでの歴史を振り返る特集が掲載されました。
美智子妃との結婚式の様子を写す古い写真も掲載されています。

平和を願い戦時の傷をいやすことに全力を傾けた明仁天皇の姿勢が現政権の歴史修正主義、平和憲法改正案、近隣諸国との緊張関係などと相いれないものであることを示唆する記事もあります。

新天皇はどんな人なのか紹介する海外記事

英ガーディアン紙では日本のナルヒトはオックスフォード大学で学んだ2年間の留学時代パブに行ったこと、フィッシュアンドチップスを食べて自分で洗濯をしたことなどについていい思い出を持っているようだと語っています。

日本の皇室は日本社会における女性の地位の低さを象徴

米ニューヨークタイムズでは日本の皇室における女性の地位の低さを指摘し、現代社会の変化と共に変わりつつある世界の他の王室の在り方と比べています。このことは日本社会全体の女性の地位を象徴するとし、こういう「シンボル」的なことが海外における日本の印象を大きく左右することを指摘しています。

海外が日本の皇室に期待すること

海外メディアの報道を読んでいると、こと皇室関係に至っては日本という国がどれだけ前時代的なのかを思い知らされます。天皇制や皇室儀式にかかわる決まりや昔ながらの衣装や背景を映す写真がエキゾチックな要素をプラスするようで、やはり日本という国は近代的な欧米諸国とは違うのだといういう印象を与えます。

それはそれでいいのかもしれませんが、そのような保守的な決まりごとが広く日本社会における女性の立ち位置の低さを示唆しているという指摘は無視できません。「伝統」だし、天皇関係の儀式なのだから例外だという向きもあるでしょうが、こういう象徴的な行事というものは海外でも広く報道されるので目立ちます。そして、そういう視点で実際の日本社会を見てみると、やはり女性の位置は低いということが露見され、皇室は日本社会を映す鏡だということがわかってしまいます。高い教育を受けた女性が自らのキャリアや人格を否定され子供を産む機械のように扱われているというのは何も皇室に限ったことではありません。

海外メディアの報道からは、そうした日本の保守的な皇室、ひいては社会が新天皇・皇后によって近代的、国際的になっていってほしいという期待が感じられます。けれどもその可能性はあまり高くないとも思われているふしもあります。元キャリア外交官である雅子妃が皇室に入り、若い皇太子夫妻が皇室に近代的、国際的な風を運んでくれるだろうと期待されてから26年。そのあいだ日本社会は進んだどころか、逆にさらに保守的になっているのではないかという観察がそれを裏付けているのでしょう。

共に海外での留学・生活体験がある国際派であり、お互いを尊敬しあっていることがうかがわれる新天皇・皇后がこれからその心配を吹き飛ばして皇室に、そして日本社会に新風を吹き込んでくれることを期待します。

 

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