Primark (プライマーク)はイギリス全国に支店がある激安ファッションブランド。日本のユニクロのようなもの、いや、もっと安いのでGUやしまむらのようなものでしょうか。何しろ、Topshop やH&Mより安いので、開店当時は客が殺到してレジの行列が長いので有名でした。今では、少し落ち着いてきたものの、イギリスではすっかり定着してどの町でも茶色のPrimarkの紙袋を下げている人を見かけます。
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Primarkとは?
発音は「プライマーク」
Primarkは「プリマーク」と表記されることもありますが、イギリスでは英語らしい発音で「プライマーク」として知られています。
もともとはアイルランド発祥の企業で、1969年に「ペニー」という名前でダブリンに店舗をオープン。
70年台にイギリスに最初の店舗を開いてからイギリス中に次々に拡大していきました。
その後、スペイン、ドイツ、オランダ、フランスなどヨーロッパ諸国にも進出し250以上の店舗を展開しています。
店舗やオンラインショップは?
Primarkの青いサインはイギリスのどこの町を歩いても見かけるので探す必要もないほどです。
だいたいハイストリート(町の中心市街地)の目立つ場所に立っています。
ただ、大きなファッションブランドとしては珍しく、オンラインショップはありません。
日本にも進出しておらず、その計画も今のところはないようです。
プライマークはどれほど安い?
プライマークが安いとは聞いていても、実際行ってみて値札を見ると誰しも驚くのではないでしょうか。
Tシャツなら2ポンド(300円)から、ワンピースが10ポンド(1500円)から、ジーンズは8ポンド(1200円)からとからといった感じです。(すべておよその概算)
イギリスは外食費などは結構高いのでスタバのコーヒーより服のほうが安いなんて、にわかには信じられませんが、本当です。もちろん安かろう、悪かろうの品質のものもありますが、パッと見た感じはそんなに安っぽくも見えません。服の素材もコットンとかリネンを使っているものも多く、けっこう長持ちしそうです。
とはいえ値段が値段なので、ファストファッションとして2〜3回着て終わりという使い方をする人も。長く着る服はいいものを他で買い、使い捨てでもいいホリデー用の服とかソックスなどの小物はここでという人も多いです。
服の品揃えが豊富で回転がはやい
プライマークにはジーンズやベーシックなカーディガンなど中には定番ぽいものもありますが、ユニクロなどに比べ品揃えが豊富でいろいろなものがあり、それが飛ぶように売れるので回転も早いです。だから、今週お店にあったものが翌週にはなくなっているということもあります。
なので、
「プライマークのようなプチプラ店で買ったと思われたくない」
「人とかぶりたくない」という心配がなくてすむわけです。
サイズ展開は多様
サイズ展開ですが、以前はUK8(日本の9〜11号相当)が一番小さいサイズで、服によってはかなりゆったり目でした。
「プチプラファッションを買う人はスリムな人が少ないからかな」と思っていましたが、今では日本人女性にもピッタリのプチサイズ(UK4/日本の5〜7号)から大きいサイズ(UK20くらい)までそろっています。
ファッションスタイルに合わせたラインがある
洋服はジーンズやTシャツなどのカジュアル系はもちろん、大人の女性がオフィスに着ていけるようなブラウスやスカート、ジャケットなどのきちんとした服もあります。
また、かわいい系もあるし、その時々のトレンドを意識したもの、ハイファッションからヒントを得たような服、パーティーに来ていけるようなものもあります。
私見で言うと、服のセンスは素晴らしいというわけではなく、中には気に入るものもあるといった程度ですが、服以外のそれほど好みが関係ないものが揃っているので便利なことがあります。
たとえば、ファッション雑貨も靴、バッグ、お財布などの小物、アクセサリーなどが手頃な値段で手にはいります。コスメもあるし、化粧ポーチやブラシ、ヘアゴム、ネイル用品、バス用品なども。
また、下着やパジャマ類もあるし、水着やビーチウエアなどもあります。
フィットネスコーナーもあって、ヨガやジム、ジョギングに使えるスポーツウェアも揃います。
プライマークにはレディースだけでなく、メンズもキッズの服、小物もあります。ということで赤ちゃんから大人まで家族全員の服や靴まで手に入ってしまうのです。
お店のサイズによって、ラインナップはちがいますが、小さい支店でも種類は少ないけどだいたいのものは揃っています。大きい支店になるとすべて見て回るのに数時間かかるほどです。
インテリア・ライフスタイル雑貨も
プライマークには服だけでなく、インテリア雑貨などもあります。ベッドリネンやクッション、ひざ掛けなどからタオル、アロマキャンドル、ハンガー、ふきんなどの小物に至るまでありとあらゆるものが。
また、意外に人気なのがスーツケースです。キャビンサイズから超大きいものまでいろいろなサイズがそろっています。デザインもソフトケース、ハードケースと色々選べるので、旅行中に急にスーツケースが必要ななったらここに行ったらいいかもしれません。
ハリー・ポッターのコラボ商品も
プライマークはディズニーなど他の商標とコラボしたシリーズも販売してきましたが、イギリスならではのハリー・ポッターとコラボした商品もあって、ハリーポッターファンにはたまらないようです。
Tシャツからパジャマ、ソックスなどの洋服類のほか、バッグやペンケースなどの雑貨もあります。子供がペンケースとかリュックサックとかを学校用に買うのかなーと思っていましたが、意外に若い大人の女性までTシャツやパジャマなどを物色していました。小さい子からハリー・ポッターを読んだり映画で観て育った世代なんでしょうね。
それにしても、ハリーポッターに出て来る黒のガウンなんかのコスチュームまであって、誰が着るんだろうと思いますが。。。
困ったときのPrimark
プライマーク商品は安いだけあって耐久性があるのかどうかというと疑問ですが、何かがとっさに必要なときに便利かもしれません。
例えばイギリスの変わりやすいお天気、外出時に傘を持つべきか持たざるべきか悩むことがありますが、プライマークがある町に行く場合は持って行かなくてもいいでしょう。どうしても傘が必要なときはプライマークに行って傘(500円位)とかフード付きのレインパーカ(1500円位)を買えばすむからです。
日本からイギリスに旅行予定がある人、傘、レインコート、防寒用アウター、予備の靴、下着など必要かどうか迷ったら持って来なくてもいいかも。プライマークで安く現地調達できます。あんまり安いのでソックス(5足で300円とか)や下着など旅行中、使い捨てにする人もいるようです。
ロンドンのPrimark Oxford Street 支店
ロンドンのオックスフォードストリートのマーブル・アーチ(ハイド・パーク)に近いほうに大きいプライマーク店舗があります。
このお店は朝の8時から開いています。ロンドン市内に早く着きすぎてどのお店もあいてないときはこちらに行ってみましょう。時間を有効に使えます。
また、ここは観光客に狙いを定めたイギリス土産コーナーがあります。
ユニオンジャックのバッグとか小物とか、いかにもイギリス風のちょっとしたものがたくさん揃っているので、ばらまき用のお土産に重宝しそうです。たとえば、300円とかで買えるエコバッグなど。
使い捨てファッションと労働者の現実
プライマーク商品はあまりに安いので一度着たら捨ててしまうと行った極端な使い方もできます。それは昔のものを大切にしていた世代の親に育てられた私たちにとっては、いささか罪悪感を感じることですが、若い人は何とも思わないかもしれません。
また、安い商品を作るためには外国の安い労働力を過酷な条件で働かせているといった現実もあります。たとえば、数年前にバングラデシュの縫製工場が崩壊して1,000人以上の従業員が死亡した事件がありました。この工場ではプライマークほかの欧米ブランドの服を作っていたということです。
プライマークに限らず欧米のファッションブランドはより安い商品を提供するために貧困国の安価な労働力を搾取するしくみになっているというわけですが、これはプチプラブランドだけに限ったことでもありません。
イギリスでは貧困国の労働者を搾取するようなファッションを買うのをやめようという Ethical Fashion (エシカルファッション)を提唱している人もいます。けれども、ファッション業界全体がそういう仕組みになっているので、値段の高い商品であってもそうした問題に無縁であるとはいえないということです。
また、途上国で働く人たちにとってはそうした仕事があることで収入を得ているので、その仕事を取り上げたらもっと悲惨な生活に陥ってしまうという論理もあります。
安いものを買える、その裏側で世界のどこかでさまざまな問題が起きているということだけは気にしておきたいことだと思います。