イギリスのソールズベリーでのロシア元スパイセルゲイ・スクリパリとその娘ユリアの殺人未遂事件について、英メイ首相は「ロシアが関与していた可能性が非常に高いと述べました。使用された毒物を分析した結果わかったことです。どんな毒物だったのでしょうか。
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元スパイ父娘に使われた毒物は?
3月4日に起きた事件について、メイ首相は12日国家安全保障会議でこれまでの捜査の報告をしました。
これまでは神経剤が使われたとだけ報告されていましたが、イギリス軍基地の専門家チームが毒物を分析した結果、ノビチョク (Novichok)と特定されたことが明らかになりました。
この毒物はロシアが開発した軍用神経剤で、ロシアでしか手に入れることができないものです。
このことから、メイ首相は元スパイ父娘を殺害しようとした責任はロシアにあった可能性が非常に高いと述べました。
イギリスのロシアに対する対応
メイ首相は強い口調で「イギリス国において、このような兵器レベルの毒物を使用して行った殺人未遂事件は、スクリパリ父娘に対する犯罪というわけではなくイギリス国家に対する無謀な行為だ。」と述べました。
メイ首相はロシア政府に対し13日中に回答を要請。その結果によっては「様々な制裁を含め、断固として対応する。」としました。
具体的な報復措置としては、外交官を追放したりロシア要人がイギリスに持つ資産を凍結したりといったことが考えられます。
また、今年夏にロシアで開催予定のサッカー・ワールドカップへの参加をボイコットする可能性も考えられます。
ロシア政府は一切の関与を否定しています。
元スパイ父娘の容態は
セルゲイ・スクリパリと娘ユリアは今も重体の状態ですが、容態は落ち着いて来ているようです。
2人を助けようとして自らも神経剤によって重体となっていたニック・ベイリー刑事もまだ入院中ですが、会話ができるほどには回復してきているそうです。
2人が倒れる前にいたイタリアンレストランやパブで微量の毒物が発見され、店内で汚染されたものはすべて破棄されたということ。この2か所は営業が停止になったままです。
イギリス政府は当時この2店舗にいた人全員に服や所持品を洗うように勧告しました。これはあくまで念のためのアドバイスで、実際に健康被害にあうリスクは低いとしています。
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