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さくらももこ死因の乳がんとタバコや飲酒の関係:がん要因には何があるか

先日、さくらももこ死去乳がん闘病53歳で「76歳まで漫画かきたい」の記事で早すぎる死の死因は乳がんだったということを書きました。同世代の女性の訃報を聞くことで私自身もがんなどの病気で早死にする可能性があるのだということを感じました。気になって、さくらももこがいつ乳がんにかかって、どのような闘病をしていたのか、乳がんになりやすい人はどういう人なのかなどを調べてみました。すると、乳がんはタバコや飲酒にも関係あるということがわかりました。そういえば以前にも記事に書いた西城秀樹忌野清志郎も愛煙家でした。そして私が前から特別に好きだった女性作家2人もがんで早くに亡くなっていて、その人達も喫煙家だったことを思い出したのです。がんになる要因にはどんなものがあるのでしょうか。


Contents

さくらももこの乳がん闘病はいつから?

さくらももこは40代半ばでがんが発覚し、10年近くも治療を続けながら闘病していたということです。

病気が発覚したのは2011年3月11日の東日本大震災の少し前だったそうです。

震災一週間後にまるこが花畑の中で涙を浮かべながら「きっと大丈夫だよね。日本も」と語る4コマ漫画を新聞に掲載しています。

その後2週間は新聞の連載を休み、その時期が本当につらかったのだそうです。

彼女は乳がんのことを近しい人以外には明かさず、闘病生活を続けながら精力的に仕事もこなしていました。

やはり乳がんで亡くなった小林麻央ががん発見直後にかかっていた総合病院で治療を受けていたのだそうです。

病状は膠着状態でしたが、今年夏前になって急に悪化し、8月15日ついに死に至ったということです。

さくらももこは健康オタクだった

さくらももこは「ももこのおもしろ健康手帖」という本を書いていたほど、健康オタクだったそうです。

漫画家という職業柄、運動不足や睡眠不足、不規則な生活になりがちな中、連載漫画やエッセイ、作詞など精力的に仕事をこなしていたので、健康には人一倍気を使っていたのでしょう。

20代後半のときは飲尿健康法を実践。また、がん予防になると言われるプロポリスやビール酵母、NS乳酸菌などの健康食品や様々なサプリメントを採っていました。

ビタミン補給のためミキサーを使わず、すりおろした人参・りんごジュースを飲み、低温サウナに入ったり、寝るときは血行を良くするため備長炭入りのマットを使っていたそうです。

そんなさくらももこですが、タバコは好きだったようで『ももこの話』でこう語っています。

私は大の愛煙家だ。
朝起きてまずタバコを吸い、昼間から夕方まで仕事をしている間もずっと吸い、
夜寝る直前までタバコを吸う。

そういえば、『ちびまる子ちゃん』にもお父さんのヒロシがハイライトを吸う姿が好きというシーンがありました。

うちの父もハイライトを吸っていたので懐かしく思って読んでいました。

さくらももこはタバコの効用としてホッとした気持ちにさせてくれる、間をもたせてくれる、タバコの煙を見るのが好きと語っていますが、もうひとつ「タバコが健康をもたらしてくれる」と言っています。

このことについて「さくらももこはタバコと乳がんの関連を知らなかったのでは」と専門家が指摘しています。

乳がんとタバコや飲酒の関係

日本禁煙学会(理事長作田学)は「タバコと乳がんについての最新知見」として、さくらももこの死について語っています。

さくらももこがヘビースモーカーであった事に触れた上で「タバコは私に健康の大切さを考えさせ、吸うからにはまず健康を確保しろということに気づかせてくれた。」との言葉を紹介。

そして、「これはタバコと乳がんとの関連をまったくご存じなかったとしか思えません」と語っています。

また、今後このような悲劇がおこらないようにとパンフレットを公開しています。

そのパンフレットは「タバコと乳がんについての重要な情報です」として下記のように説明しています。

若い女性の乳がん(閉経前乳がん:日本のデータ)

タバコを吸っていた女性では乳がんの生存率が大きく下がります。

10年生存率:非喫煙者90%、喫煙者60〜70%

一刻も早く禁煙しましょう。

乳がん予防のために子どもたちに禁煙のメッセーをしっかり伝えましょう。

これまで、タバコと肺がんは密接な関係があると言われていましたが、喫煙や受動喫煙によって乳がんのリスクがこんなに上がるとはあまり知られていなかったと思います。

さくらももこの乳がんが発覚したのは40代半ばなので閉経前だったでしょう。

その頃は乳がんとタバコの関係はまだあまり知られておらず、彼女もそのことを知らなかったのではないでしょうか。


乳がんリスク

乳がんは他のがん同様に細胞の遺伝子異常の蓄積によって起こるのですが、乳がんは発生・進行にホルモンが大きく影響しています。

性ホルモンであるエストロゲンレベルに関係があり、過剰な女性ホルモンの存在がリスク因子とされています。(参考:もっと知ろう!乳がん)

乳がんリスクを増加させるものにはタバコのほかにどんなものがあるのでしょうか。

生理要因:初経年齢が早い、閉経年齢が遅い、出産歴なし、出産年齢が遅い、授乳歴なし

体格:高身長、閉経後の肥満(逆に閉経前は肥満は乳がんリスクが減少)

生活習慣:飲酒、運動不足

その他:一親等の乳がん歴

確実にリスクを高めるとされるのは飲酒で、これは閉経前、閉経後変わらずリスク増となっています。

さらに閉経前は高身長や出生時の体重が重いこと、閉経後は肥満、高身長、成人になってからの体重増加が乳がんリスクを高めるとされています。

逆に乳がんのリスクを低めるのは授乳や運動です。

さくらももこはどうだったのでしょうか。

ヘビースモーカーだったということですが、特に身長が高いわけではありません。

けれども職業柄あまり身体活動を行うことはなかったかもしれません。

また、彼女には飲酒の習慣があったということです。

仲の良かった和田アキ子がさくらももことは酒飲み友達だった、さくらももこはお酒が好きだったと語っています。

佐野洋子と干刈あがた

私が昔から特に好きだった女性の作家2人はすでに故人となってしまいました。

1人は作家、絵本作家、エッセイストの佐野洋子(1938〜2010)で、乳がんのため72歳で亡くなっています。

「100万回生きたねこ」などの絵本でも有名ですが、私は彼女のエッセイが大好きだったのです。

飾ることなく自らを語る自然でユーモアあふれる語り口から垣間見える彼女自身の考え方や生き方に「ははは」と笑いながら惹かれていました。

彼女は66歳のとき乳がんで左胸を摘出したものの、その2年後にがんが大腿骨に転移、それから4年後に亡くなりました。

    

もう1人の作家は干刈あがた(1943〜1992)という作家です。

作家生活が10年と短かったのであまり知られていませんが、才能があり言葉がきらめく作品群は短編も長編も秀逸としか言いようがないものばかり。

テーマは古いしきたりから自由になろうともがく女性の生き方や新しい家族の在り方を自然体で描くものが多く、小説が主ですが彼女自身の生き方が透かし見えて共感を覚えたものです。

彼女は胃がんで2年ほど闘病の後、49歳という若さで亡くなりました。

    

この2人の死は私にとってとてもショッキングな出来事でした。

それぞれ違った意味で人生の先輩だと慕っていたからです。

2人が共に男の子のお母さんであったこともあり、息子が生まれてからは彼女たちの書いた子育てのエピソードや小説の一部分を思い出したりもしていました。

そもそも若い頃は子供を持つ気が全然なかった私が子を産む気になったのもこの2人が書いたものの影響があったからで、その点だけでも感謝しきれません。それほど2人の存在は私にとって大きいものでした。

そして、そんな2人もやはり喫煙家でした。どれくらい吸っていたかということはよく知らないのですが。

彼女たちがタバコを吸っていた時、喫煙とがんの関係をどれくらい知っていたのかなと考えています。そしてもしタバコを吸っていなかったらもっと長生きしてくれたかな、そうしたらもっと彼女たちの作品に触れ続けることができたのにと。

特に干刈あがたはたった10年の作家生活で、これからと将来を嘱望されていたし、私も新しい作品が発表されるのを待ち遠しく思っていたので残念でなりません。

彼女にしても子供2人を残して逝くことはさぞ心残りだったろうと考えただけでもつらくなります。

まとめ

乳がんは女性がかかるがんのうち最も多いがんで、近年日本で急増しています。

年間4万人が乳がんになり、そのうち1/4が亡くなっているのです。

女性が一生の間に乳がんになる確率は11人に1人ということなので、家族や友人など近しい人が乳がんになった人も多いと思います。

有名人でも、小林麻央や田中好子など若くして亡くなっているし、柴門ふみや南果歩など、乳がんにかかったが治ったことを公表している人も多くいます。

乳がんは早期発見によって治癒率が高いがんでもあります。私も同様なのですが、がん検診に行ったり、自己検診を心がけで早期発見につとめましょう。家族に乳がん歴がある女性はなおさらです。

そして、喫煙者は禁煙を検討し、家族に喫煙者がいる場合は禁煙をお願いしてください。

受動喫煙でも乳がんをはじめ健康被害があることは医学的に証明されているのですから。

愛する人を失うこととタバコを天秤にかけて後者を選ぶような人だったら、私ならとっとと別れます。

この記事を読んでいる男性の喫煙者も心してくださいね。

(敬称略)

     

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