イギリスはパリやローマなどに比べるとスリなどの犯罪が少ないと言われていました。けれども最近はイギリス、特にロンドンでスリ,置き引き,ひったくり,偽警官による詐欺といった犯罪被害の報告が増えているそうです。日本は治安がいいことから、日本人はこういう犯罪に対して無知であるがために特に狙われると聞きます。ここではヨーロッパに限らず、海外旅行をするときの注意点や実際の犯罪の事例とその対策を紹介します。
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どういう犯罪があるのか
犯罪というと強盗や殺人、テロなどを思い浮かべる人が多いかもしれません。実はそういう犯罪はまれであり、起こると大きなニュースになるので目に入るだけです。
それに対して日常茶飯事のように起こる軽犯罪はほとんど報道されないため、実態を知らない人が多く、自分や親しい人の身にふりかかってはじめてわかるということが少なくありません。
実際にどのような事例があるのかを事前に知っておくだけでも、未然に犯罪を防ぐ助けになります。自分だけは大丈夫と思い込むのは禁物。楽しい旅行にするために、一度目を通しておいてください。
スリ
地下鉄や電車、バスなどの公共交通機関や人混みの中でのスリ犯罪は日常茶飯事と言ってもいいくらいです。
観光や移動に夢中になってふと注意をそらしたら財布や貴重品が盗まれていたという経験はかなり多くの人が経験しています。
かくいう私もイギリスでは経験がありませんが、パリのメトロでスマホをすられたことがあります。地下鉄の駅を出るまで気が付かなかったというのですから、我ながら情けない話です。
ロンドンで特に被害が大きい観光ポイント
- バッキンガム宮殿の衛兵交代式
- 大英博物館
ロンドンでも人気の観光ポイントで、写真撮影や展示物に夢中になっている際の被害が多く発生しているということです。
対策
- パスポートや財布などの貴重品は,上着の外ポケットやズボンの後ろポケットなど外から盗みやすい場所には入れない。
- 貴重品を上着の内ポケットやインナーの中など他人の手が届かない場所に保管する。
- 開口部の大きいバッグや背負ったリュックなどは混雑した電車の中や人混みでは必ず前に抱える。
バックパックデザインのバッグは旅行には便利なものですが、後ろが見えないため防犯の観点から言うと欠点もあります。
近頃は防犯対策を考えたバッグもいろいろ出ています。背中側に貴重品ポケットがついていたり外側から見えないダブルジッパーデザインで簡単に開けられないようにしてあるものなど「盗難防止デザイン 」と書いてあるものを探すといいでしょう。
たとえば、こちらのBOPAIというメーカーのバッグは機能性がすぐれているだけでなく、デザインがカジュアルすぎずシンプルなのでいいですね。
ひったくり
2019年10月にパリの高級ホテル、ナポレオンの外で日本人男性が77万ユーロ(約9000万円)の高級腕時計を奪われたというニュースがありました。スイスの高級ブランド「リシャール・ミル」の時計をしていた30歳の男性が、タバコを所望する男に近寄られ、腕を押さえられて時計を取られたというのです。
ここまで高級なものはまれにせよ、バッグやカメラなどを通りすがりにひったくられることはよく起きます。
被害にあった人は走り去っていく犯人を追いかけて危害を加えられるのを恐れて泣き寝入りしてしまうことも多いようです。
最近はスクーターによるひったくり被害も増加しています。歩いている人のバッグなどを、スクーターで後方から近づいてひったくる手法が多いのです。
観光中に他のことに気をとられていたり、話しながら歩いていると、後方から近づいてくる車両には気が付かないことがあります。
対策
- スマホを見ながらや話しながらの歩行は注意力が散漫になるので注意する。
- 移動中に歩道を歩く際は車道側でなく、建物側を歩く。
- バッグは体に密着するようにななめがけなどにして持つ。
- 人通りの少ない通りを夜間など一人で歩くのを避ける。
置き引き
日本は治安がいいため、ちょっとした時にバッグや荷物を視界から離れたところに置き用事を済ませることが多いのですが、海外では禁物です。
置き引きがよく発生するのはホテルのチェックイン・チェックアウトの際や駅などで切符を買うとき、飲食店や店舗で勘定をすませるときなど、用事に気をとられて荷物やバッグを足元などにおいてしまう場合です。
また日本ではよく見られるのですが、レストランやパブで椅子の背もたれにカバンを掛けて飲食をすることは避け、常に視界に入れるようにしてください。
また,ビュッフェやセルフサービスの飲食店などで一時的にテーブルを離れる場合、ついバッグやスマホを席においていく習慣がある人は注意しましょう。
バッグや荷物は常に持ち運ぶか、誰かに見ていてもらうと安心です。
対策
- ホテルやお店のレジ、駅のチケット売り場などでバッグを足元に置かない。
- レストラン、パブ、カフェで椅子の背もたれにバッグをかけない。
- 一時的にテーブルを離れる場合は必ずバッグを持っていくか、誰かにみていてもらう。
詐欺・偽警官
旅行者に親切な一般民を装って観光客が騙される詐欺被害もあります。
ロンドンでは、最近ビクトリア駅やセントパンクラス駅,大英博物館やオックスフォードサーカスといった駅や観光地,繁華街の周囲で,偽警官による詐欺被害が増えています。
警官を自称する複数男性(多くが私服)が麻薬捜査の一環であるとして,旅行者に財布の提示を求め,気づかないうちに札を抜き取るものです。
イギリスの警官が財布の提示を求めることはありません。このような場合は詐欺に違いないので、そのまま立ち去るか周囲に助けを求めましょう。
対策
- 向こうから近寄ってくる他人には常に注意する。
- 私服警官を装った詐欺者には身分証明書の提示を求める。
- 強引に質問されるようなら、周囲に助けを求める。
たびレジ
海外旅行をする際には外務省のたびレジサイトに渡航先情報などを登録しておくと、海外での安全情報などの無料配信サービスを受け取ることができます。
出発前から旅先の安全情報を確認することができるほか、旅行中に渡航先で突発的な事件が起こった際も情報をいち早く送ってくれるので安心です。
旅行先で注意が必要なイベントやデモなどについても事前に情報が入るため、あらかじめトラブルを避けることができるといった利点もあります。
まとめ
せっかく楽しい海外旅行もスリやひったくりなどの犯罪の被害になってしまったら台無しになってしまいますね。
このような軽犯罪は起こるときには起こるものですが、多くの場合は事前に注意しておくことで防ぐことが可能です。
どのようなことが起こり得るのか常に頭において行動するようにしましょう。
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