大坂なおみはハーフ母が日本人父がハイチ系米国人、国籍選択は?

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Last Updated on 2020-10-14 by ラヴリー

全米オープンテニス女子シングルスで見事優勝を勝ち取った大坂なおみ選手は20歳という若さで彗星のごとく躍進中。豪快なテニスプレイだけでなく、かわいい笑顔と天真爛漫な性格で世界中から注目を集めています。日本人選手ということですが、日本人離れした体格と容貌、日本語もたどたどしい感じなので、プロフィール、生い立ち、家族、国籍などについて調べてみました。特に気になるのは彼女が二重国籍保持者で22歳になるまでにどちらか一つの国籍を選ばないといけないということです。


Contents

プロフィール

本名:大坂なおみ/Naomi Osaka
生年月日:1997年10月16日(20歳)
出身地:大阪府大阪市
現住所:3歳の時にニューヨークに渡り、現在フロリダを拠点に活動
国籍:現在は日本と米国の二重国籍
職業:2013年よりプロテニスに転向
家族:母(環:日本人)父(レオナルド・フランソワ:ハイチ系米国人)姉(まり:テニスプレイヤー)
身長:180㎝
体重:69kg
所属:日清食品ホールディングス
自己最高ランキング:シングルス18位、ダブルス324位
公式サイト: http://www.naomiosaka.com/
ツイッター: https://twitter.com/Naomi_Osaka_
インスタグラム: https://www.instagram.com/naomiosakatennis/

生い立ちと家族

 

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大坂なおみの家族

大坂なおみは日本人の母親、環(たまき)とハイチ系米国人の父親、レオナルドの間に生まれたハーフです。姉にはやはりテニスプレイヤーである大坂まりがいます。お母さんは北海道の根室出身で、ニューヨークから来たハイチ系米国人のお父さんに札幌で出会いました。2人は恋におち交際を始めましたが、家族に反対されてしまいます。娘に見合いをさせようとした父親が、彼女に付き合っている人がいて、それが「黒人」であることを知ると「家族に恥をかかせた」と怒ってしまいました。このため2人は駆け落ち同然のような形で大阪に移り住み、その後10年ほどは家族とのかかわりが途絶えたそうです。

大坂なおみのお父さんは大阪では英会話スクールの講師をしていました。結婚した両親には次々に2人の女の子が授かりました。日本では苗字を日本名にしないと何かと不便なので、両親はお母さんの苗字を使い娘を「大坂まり」「大坂なおみ」と名付けました。

「なおみ」という名前はお父さんが国際的な名前にしたいということで名付けたということです。「Naomi」という名前は英語圏でも使われるため、英語圏の国と日本のハーフの女の子にこの名前を付ける人は少なくないのです。お母さんによると「ナオミ・キャンベルのことでも考えてたんじゃないの。」ということですが。

テニスを始めたきっかけはウィリアムズ姉妹

大坂なおみのお母さんは北海道でスピードスケートをしていたということなので、スポーツの才能はお母さん譲りかと思いきや、お父さんもすごいのです。お父さんのレオナルド・フランソワは元アメフトの選手だったそうで、身長が190㎝もあるということです。

まだ姉妹が赤ちゃんだった1999年にお父さんはテレビでヴィーナスとセリーナ・ウィリアムズ姉妹(当時17歳と18歳)のテニスの試合を観て、自分の娘2人にもテニスを教えようと思ったのだそうです。お父さんにはテニスの経験はないものの、ウィリアムズ姉妹にテニスを教えたお父さんのリチャードもテニスの経験はなかったということを知り、自分でもできると思ったようです。

それからは本やビデオで研究して自己流で2人の娘にテニスを教えました。大坂なおみがまだ3歳の頃から、姉と共に、家の中や近くの公園でテニスの手ほどきをしていたというのです。

 

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Just played dubs with my sis and it reminded me of this lol

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家族でアメリカに移住

大坂なおみが3歳の頃、一家は米国ニューヨークに移住しハイチ人であるお父さんのご両親と5年間一緒に暮らしました。お父さんの両親は英語を話さない生粋のハイチ人で、ハイチ文化あふれる家庭だったそうです。そこでも姉妹のテニスの特訓は続き、2006年には本格的にテニスをするために親子4人はフロリダに引っ越しました。

大坂なおみの姉、大坂まりは1996年4月3日生まれの22歳で、やはりプロテニス選手です。WTAランキングはシングルスが303位、ダブルスが907位。2017年9月には東レ・パンパシフィック・オープンに姉妹でダブルスを組んで出場しています。

こちらが現在の家族写真です。


大坂なおみが11歳くらいのとき、お母さんは2人の子どもを連れて15年ぶりに日本に帰りました。根室のご両親と孫を会わせてあげたいと思ったのですが、あまり歓迎されなかったようです。その当時、お母さんの両親は孫に興味を持たず、勉強もさせずにテニスばかりさせるなんてと非難されたそう。けれども、大坂なおみが16歳になりテニスで有名になった2014年に日本のメディアで彼女の活躍ぶりを知ってからは、応援してくれるようになったということです。

大坂なおみのテニス歴

大坂なおみは14歳の時、2011年10月のITFサーキットモンテゴ・ベイ大会でデビューしました。その後2013年にプロに転向。

2014年のWTAツアースタンフォード1回戦で2011年全米オープン覇者であり世界ランキング19位のサマンサ・ストーサーに2-1で勝利をおさめ、世界中が注目するところとなりました。2016年全豪オープンではグランドスラム本戦初出場を果たし3回戦に進出。

その後全仏オープン、全米オープンでも3回戦に進出しています。2016年の東レパン・パシフィック・オープンでは自身初のWTAツアー決勝進出、さらに日本人としては21年ぶりに決勝進出となりました。2016年には日本勢初のWTA最優秀新人賞を受賞。2018年3月にはWTAツアーインディアンウェルズで日本勢初となる優勝を勝ち取りました。

2018年3月のマイアミ・オープンでは1回戦で同大会8回の最多優勝記録を持つセレーナ・ウィリアムズに6-3、6-2のストレート勝ちを収めています。全仏オープンでは3回戦に出場するも、マディソン・キーズに敗れました。

そして迎えた2018年9月の全米オープンでは快進撃を続けています。準々決勝ではレシヤ・ツレンコを6-1、6-1で圧勝し日本人女性で初めてのベスト4進出を果たしました。準決勝はマディソン・キーズに6-2、6-4とストレートで勝利、グランドスラムで日本女子史上初の決勝進出を果たす快挙を成し遂げたのです。

大坂なおみのプレイスタイル

大坂なおみのプレイスタイルはアグレッシブ・オフェンシブベースライナー。右利きで、バックハンド・ストロークは両手打ちです。

フォアハンドがパワフルなだけでなく、バックハンドも得意。豪快でパワーのあるグラウンドストロークができ、両サイドから攻めることができます。体幹がしっかりしていて、軸がぶれないスイングができるのが強さの秘密と言われています。

180㎝の長身から放つサーブは最速201kmと最速サービス記録歴代10位を誇ります。サーブのスピードが早いだけでなく、回転をかけてスライスサーブしたりと多彩なサーブができることが武器となっています。

大坂なおみはよく「ベイビー・ウィリアムズ」とか「和製ウィリアムズ」と呼ばれ、次世代のセリーナ・ウィリアムズと見る人が多いのですが、パワーあふれるプレイスタイルがとても似ていますね。大坂なおみにとってもセリーナ・ウィリアムズは憧れのテニス選手で、彼女のようになるのがゴールだと言っています。

全米オープンの準決勝のキーズとの試合で13本握られたブレークポイントをしのいだことについてインタビューされた時、大坂なおみは「絶対にセリーナとプレイしたかったの。」と語りました。また、決勝戦進出でセリーナ・ウィリアムズとプレイすることが決まった時のインタビューで「セリーナにメッセージを」と言われ、彼女がもらした言葉が「I love you」だったのが印象的です。

 

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大坂なおみの国籍はどうなる?

日本では22歳までは二重国籍が許される

大坂なおみは日本生まれで母親が日本人なので日本国籍を持ちますが、父親が米国籍を持っているため米国籍も持ち、今のところは二重国籍となります。米国は二重国籍を認めているので、同様に重国籍を認めているイギリスなどの場合だと両方の国籍を持つことができるのですが、日本では二重国籍が許されていません。なので二重国籍を持つ人は22歳になるまでに日本かそれ以外かの国籍を選ぶ必要があります。もし日本を選んだら米国籍は返上しなければならないのです。

テニス選手としては日本を選択

大坂なおみは、テニス選手としての国は日本を選択していますが、これは姉妹が13歳の頃、お父さんが決めたことです。当時は米国テニス協会は大坂姉妹を高く評価していませんでした。他に才能がある若手選手がたくさんいたからです。アメリカだとライバルが多すぎてトップに上り詰めるのは難しいと考えたのでしょう。

逆に日本では長らく有望な女性のテニス選手がいなかったので、日本テニス協会は無名の大坂なおみを歓迎しました。日清をはじめとする日本の大手企業も大坂なおみにスポンサーを提供していますが、米国だとライバルが多すぎてそう簡単にはいかなかったでしょう。例えば男子テニスの錦織圭選手はその実績以上に多額のスポンサーがついていて、もっと実績のある外国選手よりもスポンサー額が多いのです。

テニス選手として日本を選んだのは、2020年の東京オリンピックの時に五輪選手として出場するということも視野に入っていたでしょう。彼女は2017年に行われたフェドカップでも日本代表として出場しています。フェドカップというのは女子テニスにおけるワールドカップのようなもので、国別の対抗となる大会で、オリンピック代表になるための大事な大会とされています。

 

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いつ国籍選択をしなくてはいけないのか

国籍選択としては、現在20歳である大坂なおみの場合、東京五輪が開催される2020年までに選択の必要があります。正確に言うと2019年の誕生日である10月16日までということになります。大坂なおみは東京オリンピックに日本代表で出場したいと思っているとのことなので、日本国籍を選び、米国籍を捨ててしまうのでしょうか。大坂なおみが東京オリンピックに日本選手として出場したいというのは日本人にしては喜ばしいことかもしれません。けれども、そのために彼女が米国籍を返上しなくてはならないとすると苦しい選択になるのでは。彼女は3歳の時からずっとアメリカ育ちで、どちらかというと日本人というよりはアメリカ人(またはハイチ系米国人)といったほうがいいでしょうし、彼女もできるのなら日本と米国との2重国籍を持ちたいと思っているのではないでしょうか。

また、彼女がテニス選手として有望になり米国テニス界や大手スポンサーから誘いが来た場合、大坂なおみ自身が米国選手としてプレイしたいと思う可能性がなくもありません。けれども、彼女が米国籍を選んだ場合、米国は2重国籍を許しているのに日本がそれを許さないからという理由で、日本国籍は返上しなければならないのです。もし日本が二重国籍を許しさえすれば、彼女は現状通り米国籍、日本籍とも所有したままでテニス選手としては日本代表でやっていくこともできるというのに。

日本が二重国籍を許さないことについては、スポーツ選手をはじめとするほかの多くの、2国以上のルーツを持つ人々には大きな問題となっています。私も日本とイギリスのハーフの子どもを持つ親として、この機会に二重国籍の制度を見直してほしいと思っています。(「二重国籍はどうしていけないのか:東京五輪とカズオ・イシグロ」

大坂なおみの日本語は?

大坂なおみは幼いころからずっとアメリカで暮らしており、英語で教育を受けているので母国語は英語です。母親は日本人ですが、家庭でも英語を中心に話していたのではないでしょうか。日本語を聞いて理解することはできても、日本語を話すことは不得意なのだそうです。とはいえ、テニス選手としては日本を選択しているので、日本語でインタビューを受けることもあり、日本語の勉強はしていると言っています。たまにインタビューなどで日本語の質問に答えていますが、たどたどしい感じがかわいいという感想もあるようです。

ツイッターなどで日本語のメッセージが載ることもあるのですが、あの日本語は誰かほかの人が代筆しているのだと思います。9月の台風や北海道の地震についてもメッセージが載っていました。

大坂なおみは日本人じゃない?

日本人の中には、大坂なおみが日本人らしくないため、日本人選手としてオリンピックなどに出場するのに違和感を覚えるという人もいるようです。長らく鎖国をしていた単一民族国家日本では島国根性が根強く、日本人の風貌からかけ離れた人や日本語が流ちょうでない人に対しての偏見を持つ人はまだまだいるのでしょう。外見からはわからない中国、韓国、朝鮮人でさえ差別する人がいるのですから。

グローバル化した現在、オリンピックやワールドカップなどでアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどの選手として出場する「国民」が実はほかの国出身の人だということが多い現状です。これまで、島国日本はそういう現象が珍しかったのですが、これからは日本とてこういう話は無縁ではなくなってくるはずです。

大坂なおみ自身は自分が日本人の母とハイチ系米国人の父を持つミックス・レースであることに誇りをもっているようです。国籍としては日本と米国籍ですが、ハイチ人でもあると言っているように、それぞれの国や文化をルーツとして持っていることを誇りに思っているのでしょう。

日本に住む少数民族や「ハーフ」の人達の中で「自分たちは差別されてきたのに、日本人は大坂なおみのような有名人だけちやほやする。」という意見もありました。「名誉日本人」というわけでしょうか。日本に住む少数派であるいわゆる「ハーフ」の人達や少数民族の人達が日本社会でさまざまな偏見や差別にあっているということはよく聞く話ですし、大坂なおみだって日本で育っていればそういう目にあったかもしれません。アメリカでも何らかの差別や偏見はあるでしょうが、日本に比べれば同じような境遇の人も多く、暮らしやすいにちがいありません。見るからに素直に明るく育った大坂なおみの言動を見ているとそれを察します。

私には、大坂なおみのような人が出てきたことで、これまでそういう民族的偏見を持った人たちが様々な「日本人」がいるんだということを肯定的に考えるきっかけになるのではないかと期待しています。それと同時に、日本が大坂なおみのように「普通の」日本人でない人にも喜んで選んでもらえるような国であってほしいものだと思います。今のままの日本だと彼女にとっては米国の方が居心地いいでしょうから。

それにしてもこういうことを考えていくと、ワールドカップとかオリンピックといった国家とスポーツが結びついたイベントって、つくづく意味がないような気がしてきます。だいたい私は昔からこの手の国家愛とかナショナリズムに燃えるイベントに違和感があるのです。外国に住んでいるエトランゼだからでしょうか。このことについてはまた別記事で触れることがあるでしょう。

まとめ

女子プロテニスプレイヤーとして快進撃が話題になっている大坂なおみ選手。パワフルなパフォーマンスに注目が集まっていますが、その飾らない人柄も人気。インタビューでも素直で気取ったところのない、時にユニークな返答をしてアメリカや諸外国でも好感を持つ人が多かったようです。米国、日本だけでなく、ハイチや、広くブラックの人達も彼女を共感を持って応援しています。ツイッターやインスタグラムなどのSNSにもメッセージや写真をアップして多くのテニスファンを魅了。まだ20歳の彼女、今後の活躍が楽しみですね。

そして、彼女のような日本人の出現が、単一民族、単一文化を不必要に尊重する日本社会の風通しを良くしてくれるのではないかと、そちらの効果も期待しています。

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