大坂なおみ全米オープン優勝/セリーナ・ウィリアムズのペナルティと表彰式のブーイング

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Serena and Naomi

全米オープンテニス女子シングルスで、大坂なおみ選手は彼女の憧れのテニスの女王、セリーナ・ウィリアムズを破って見事優勝を果たしました。男女を通じ日本人選手初の四大大会制覇の快挙となります。決勝戦ではセリーナ選手がペナルティを受けたことでひと悶着があり、表彰式でもブーイングが起こって大坂なおみ選手が泣いてしまうというハプニングもありました。セリーナはどうしてペナルティを受けることになったのでしょうか。また、せっかくの表彰式でどうしてブーイングが起こってしまったのでしょうか。



*この記事は決勝の試合前に書いたものですが、試合後に追記しました。
追記・修正した部分のタイトルを赤にしています。タイトルが黒の部分は試合前に書いたものです。

速報:大坂なおみが優勝

大坂なおみ、全米オープン女子決勝戦でセリーナ・ウィリアムズを破り、優勝。日本初快挙の全米制覇を果たしました。
スコアは6-2、6-4のストレート勝ちです。これで、男子を含めた4大大会のシングルスで日本選手として初優勝の快挙となりました。アジア勢の全米優勝も初となります。これで、大坂なおみは世界ランキング7位に上がりました。

全米オープンの優勝賞金は380万ドル(約4億2200万円)。これは彼女のこれまでの通算獲得賞金320万ドルを上回るものになりました。試合後のインタビューで賞金の使い道を聞かれた大坂なおみは「抹茶アイスとカツカレー」と答えたのだそうです。

セリーナ・ウィリアムズのペナルティ

決勝戦で、大坂なおみはセリーナ・ウィリアムズを圧倒するパワフルなプレイを見せてくれましたが、それよりも目立ってしまったのがセリーナ・ウィリアムズが受けたゲーム・ペナルティの顛末でした。

第2セットで、セリーナが観客席のコーチからコーチングを受けたと警告され、セリーナは主審のカルロス・ラモスに「私は勝つために不正なんかしない、そんなことするくらいなら負けた方がまし。」と抗議。

その後ウィリアムズはサービスゲームを奪われて、ラケットをたたきつけて折ったことで、さらに警告を受けたのです。これで2回目の違反ということでポイント・ペナルティになります。それを知ってセリーナは怒り心頭に達したとばかりにラモスにかみついて抗議。

「いつも私がプレイするときに問題が起こる。私はコーチングを受けていなかったし不正をしていない。あなたは謝るべきよ。」
「あなたはうそをついている。謝るべきよ。さあ、謝って。ごめんなさいと言って。」
「私からポイントを奪うなんて、泥棒じゃないの。」などと語気あらく。

しかし、審判は謝るどころかセリーナが乱暴な言葉を発したとしてさらにペナルティを課したのです。これは3回目の違反なのでゲームペナルティとなり、1ゲームを失うことになりました。これによって大坂なおみがサービスをキープして勝利という結果に。

試合後、セリーナは大坂なおみと抱き合ったものの、ラモスと握手をするのを拒みました。この日の彼女の審判に対する態度ははたから見ると行き過ぎでは言う気がしました。コーチングを受けたことによる警告は厳しかったかもしれないけれど、そのあとラケットを投げつけたのは自身の感情をコントロールできなかったように見えるし、そのあとラモス主審に「泥棒」という言葉を使ったのもどうかと思いました。

けれども、セリーナが試合後のインタビューで語ったところによると、彼女は単に自分が受けたコーチングに対する警告の抗議だけでなく、もっと広く審判やテニス界のダブルスタンダードについて抗議していたのです。

彼女はこう言っていました。
「男性選手が言っても許される言葉を女性選手が口にしたからといってペナルティを課すのは不平等だ。 私は女性の権利のためにたたかった。 今回はそれがかなわなかったとしても、これが将来の女性プレイヤーのためになるはず。」

そういえばセリーナは全仏オープンでは黒のキャットスーツを着たことについて注意を受けていました。また、全米オープンではフランスの女性選手がコート上でシャツを脱いで着直したところ、注意されるということがあって話題になったばかり。男性選手が同じことをしても何も言われないのに。

「紳士淑女のスポーツ」と呼ばれるテニスですが、今の時代に男女差別も甚だしいという意見が米国でもイギリスでもメディアや一般世論で続出していました。セリーナの抗議もその一環と言えるでしょう。また、その背景には黒人の彼女が白人主流のテニス界で長年戦ってきたあらゆる偏見や差別が隠れ見えもします。これまでに耐え忍んできたあらゆる感情が、苦しい試合で厳しい警告を受けたことによって、どっと爆発したのでしょう。それが、テニス界の女王としてふさわしい言動であったかどうかは別としても、その気持ちはわかるような気もします。

表彰式でブーイング

セリーナのペナルティとその抗議でハプニングが続いた決勝戦でしたが、大坂なおみにとっては、憧れのセリーナを破り、初のグランドスラム優勝を果たすという実にめでたい結果となりました。けれども、せっかくの表彰式で気まずい雰囲気となってしまったのです。

セリーナのペナルティに対して彼女に同情し、審判やテニス界に抗議するため、またセリーナが負けたことで悔しい思いを抱いているファンが一斉にブーイングを始めました。それを聞いて大坂なおみはサンバイザーを目深にかぶり、あふれてくる涙を隠そうとしています。それを見てセリーナは大坂なおみの肩を抱いて慰めました。

表彰式のスピーチで大坂なおみは半べそで「こんな終わり方になって残念です。」と言っていました。それでも「試合を観てくれてありがとう。セリーナと全米の決勝で試合ができて夢がかなってとてもうれしい。セリーナ、ありがとう」と感謝の気持ちを述べていました。

そして、セリーナはブーイングが起きている会場に「なおみの勝利を台無しにしたくない。」と言い、ファンにブーイングをやめるように言って黙らせました。
「なおみはとてもいいプレイをした。おめでとう、なおみ。」と声をかけて、2人が抱き合う姿で、試合と表彰式の顛末からの後味の悪さから救われる気がしました。

セリーナ・ウィリアムズは黒人の女性選手としてテニス界で、また普段の生活でも様々な差別と偏見に長年戦ってきた女王です。その彼女が自らの忸怩たる思いは横においても、自分を破った大坂なおみという若い選手、それも日本とハイチ系アメリカ人のバイレイシャルの女性を力づけ連帯感を見せてくれた。これを見てセリーナのファンはもちろん、彼女が試合中に行った抗議については行き過ぎではと思っていた人たちもさすが女王だと再評価したことでしょう。

「いろんなことがあったけど、これだけ言わせてください。
昨日はあの晴れ舞台でプレイすることができて光栄に思います。
どうもありがとう。」大坂なおみ

全米オープン女子決勝戦

全米オープン大会13日目

現地時間:9月8日(土)午後4時

日本時間:9月9日(日)午前5時

全米オープン決勝戦テレビ放送とネット配信

毎年、全米オープン(US Open)はWOWOWの独占中継となっており、女子シングルスの決勝戦もWOWOWが独占中継します。WOWOWネット配信でもライブで中継されます。

NHKや民法での放送はありません。放映権の関係で、録画中継もありません。さまざまなスポーツを配信するネット配信サービスのDAZNでも放送予定はありません。

WOWOWを利用していない人は下記リンクのWOWOWホームページからアクセスし視聴申し込みをすると視聴できます。電話加入もネット加入も可能です。

加入料や初期費用はかからず、初月は視聴料が無料になるお試し企画があるので利用してみてもいいですね。加入翌月から月額視聴料が2300円(税込み2,484円)かかります。ただし、この場合2ヶ月目にならないと解約できません。

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WOWOWに加入するとすべての番組がパソコン、スマホ、タブレットなどの端末でいつでもどこでも無料で視聴できます。(WEB会員ID登録が必要、一部利用できない機種もあり)

申し込みをしてから視聴できるまで15分程度時間がかかるということですが、手続き状況によってはもっと時間がかかることも予想されるので早めの手続きをお勧めします。

WOWOW(テレビ生中継)

日本時間9月9日(日)午前4:55

WOWOWメンバーズオンデマンド(ネットライブ配信)

日本時間9月9日(日)午前4:55

大坂なおみプロフィール

本名:大坂なおみ/Naomi Osaka
生年月日:1997年10月16日(20歳)
出身地:大阪府大阪市
現住所:3歳の時にニューヨークに渡り、現在フロリダを拠点に活動
国籍:現在は日本と米国の2重国籍
職業:2013年よりプロテニスに転向
家族:母(環:日本人)父(レオナルド・フランソワ:ハイチ系米国人)姉(まり:テニスプレイヤー)
身長:180㎝
体重:69kg
所属:日清食品ホールディングス
自己最高ランキング:シングルス18位、ダブルス324位
公式サイト:http://www.naomiosaka.com/
ツイッター: https://twitter.com/Naomi_Osaka_
インスタグラム: https://www.instagram.com/naomiosakatennis/

大坂なおみ選手の生い立ち、家族、国籍、テニス歴などの詳細はこちらの記事「大坂なおみはハーフ母が日本人父がハイチ系米国人、国籍選択は?」にまとめていますので、参考にしてください。

全米オープンでの大坂なおみ

大坂なおみは3月のBNPパリバ・オープンでツアー初優勝してから敗戦が続きウエスタン・アンド・サザン・オープンでは初戦で敗退しています。けれども、その後調子を戻し、9月の全米オープンでは快進撃を続けてきました。

準々決勝ではレシヤ・ツレンコを6-1、6-1で圧勝し日本人女性で初めてのベスト4進出を果たしました。準決勝はマディソン・キーズに6-2、6-4とストレートで勝利、グランドスラムで日本女子史上初の決勝進出を果たす快挙を成し遂げたのです。キーズとの試合では13本握られたブレークポイントをすべて切り抜けましたが、このことについてインタビューされた時、大坂なおみは「絶対にセリーナとプレイしたかったの。」と語りました。


セリーナ・ウィリアムズは大坂なおみのゴール

Embed from Getty Images

大坂なおみは全米オープンで、セリーナの試合を全部見ています。
彼女にとってセリーナ・ウィリアムズは憧れの選手で、子どものころから4大大会の決勝でセリーナと対戦することを夢見ていたと言います。勝てるかという質問には「ノー」と語ったそうですが、その心の内には静かな闘志が燃えているに違いありません。

大坂なおみはグランドスラムで優勝するなら、最初は全米オープンがいいという子供の頃からの夢をもっていたといいます。そしてその夢の対戦相手はまさにセリーナ・ウィリアムズだったのです。夢の大戦でどっちが勝ったのかという質問に彼女は「私は負けるために夢は見ない。」と答えました。

大坂なおみはよく「ベイビー・ウィリアムズ」とか「和製ウィリアムズ」と呼ばれ、次世代のセリーナ・ウィリアムズと言われることがあります。パワーあふれるプレイスタイルがとても似ているからでしょう。大坂なおみ自身にとってセリーナ・ウィリアムズは憧れのテニス選手で、彼女のようになるのがゴールだとかねてから言っていたので、そう呼ばれることを光栄に思っているということです。

決勝戦進出でセリーナ・ウィリアムズとプレイすることが決まった時のインタビューで「セリーナにメッセージを」と言われ、彼女がもらした言葉が「I love you」だったのが印象的です。テニスを始めた幼いころから憧れていたベテラン選手と全米オープン決勝戦という晴れの舞台で競うというのですから、感無量と言ったところだったのでしょう。

 

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大坂なおみとセリーナ・ウィリアムズ徹底比較

こちらの図を見ると、2人の情報が簡略にまとめられていて一目でわかります。年齢や過去の実績など、実に対照的な2人ですね。
私が意外に思ったのが、大坂なおみの方がセリーナ・ウィリアムズよりずいぶん身長が高いということでした。

Naomi vs Serena

Source:Tennis 365.com

大坂なおみとセリーナ・ウィリアムズは過去に1回だけ対戦しています。それは、セリーナが出産後復帰第2大会目の2017年9月1日のマイアミ・オープンでの試合でした。この時は大坂なおみが6-3、6-2のスコアで勝利しています。けれども、この時セリーナは出産後、まだ本調子に戻っていない状態だったので、普段の力を発揮できていませんでした。

セリーナ・ウィリアムズは2018年5月末の全仏オープンでも4回戦敗退しましたが、7月のウィンブルドンでは決勝に進出し準決勝と着実に復帰を果たしているようです。何と言っても世界ランキング26位で4大大会23度制覇の超ベテラン選手。グランドスラム決勝を何度も経験しているセリーナはまだまだ現役。大きな試合の経験が浅い大坂なおみにとっては強豪であることはまちがいありません。

2017年12月から、大坂なおみはセリーナ・ウィリアムズを8年間コーチした、サーシャ・バジンをコーチに迎えています。このコーチの指導で彼女のプレイは向上しているとのこと。サーシャ・バジンはビクトリア・アザレンカのヒッティング・パートナーも務めたドイツ人で、女子選手の力を引き出す指導に定評があります。大坂なおみには自己流のパワーで押し切るだけのプレイではなく、相手の特徴や状況に対応したプレイをするように導いているそうです。そういえば、準決勝でのキーズとのラリーの際、正確なストロークで忍耐強く対応したのは、コーチのアドバイスに従ってのことだったのかもと思い当たります。大坂なおみの快進撃の裏には名コーチの指導が少なからず関係しているのかもしれません。

まとめ

女子プロテニスプレイヤーのきらめく新星として快進撃が話題になっている大坂なおみとベテランのセリーナ・ウィリアムズが全米オープン決勝戦で対決ということで、世界中のテニスファンの注目を集めた試合。アメリカでは「テニスというと従来は欧米の白人がするものという先入観がある中、ブラック選手2人が決勝で戦うのはすごい。」という感想もありました。共にパワフルな褐色の選手が優勝を競う全米オープン決勝戦はゲームそのものは見ものでした。

でも、セリーナ・ウィリアムズがペナルティを受けたことからのひと悶着で後味の悪い試合となってしまったのは残念です。子供のころからの夢がかなったというのに、せっかくの表彰式で泣いてしまった大坂なおみがちょっと気の毒でした。それでも、最期にはセリーナが大坂なおみを慰めてくれたことで何とかハッピーエンドになりました。これからもこの2人はよきライバルとして活躍していくことでしょう。

日本人として初快挙の全米制覇ということで、日本でも大坂なおみの優勝を祝う声が上がっていました。日本選手として東京五輪で金メダルを狙うゴールも近くなったと言えるでしょう。けれども、20歳の彼女が国籍を選択しなければならない日は近づいています。日本国籍を選んでこれからも日本選手として活躍するのか、それとも米国籍を選んで米国選手としてプレイするのかも興味深いところです。

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