イギリスの正式名称は何なのかとよく聞かれます。たとえば、「英国」と「イギリス」はどう違うのか?
また、国のコードとしては 「UK」 と 「GB」 のどちらを使うべきなのか?
これに加えてサッカーチームなどで使われる「イングランド」はどうなのかと聞かれることもあります。
このブログでも「英国」と言ったり「イギリス」と言ったりしているので、一度説明をしておきますね。
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イギリスと英国は同じ
結論をいうと、日本語でいう、国の名前としての「英国」と「イギリス」は同じ意味で、このブログでも同様に使っています。
公用文では「英国」が使われ、一般的には「イギリス」と呼ばれることが多いようですが。
ちなみに「イギリス」という言葉は日本独自のもので、他の国では使われません。
「イギリス」という名前は16世紀以降日本と関係があったポルトガルの言葉でイングランドを指す Inglez 「イングレス」が語源ですが、もともとの「イングランド」とは少し違う意味合いで使われています。
英国/イギリスの英語での正式名称
では、「英国」及び「イギリス」を英語ではなんと言うのが正しいのでしょうか。
正式名称は
‘United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland’
(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
こんな長たらしい名前なので略して「英国」と言ったり「イギリス」と言ったりするのですね。
英語でもこんな長い名前は使わず普通は ‘United Kingdom’とか ‘UK’ と言っています。
「Great Britain」 とは
‘Great Britain’ はイングランド、スコットランド、ウェールズのことで、それに北アイルランドを加えたものが ‘United Kingdom’ という連合国家です。
それぞれの地域もいちおう国 ‘country’ ということになっていて政治的には多少の自治権もありますが、おおまかにというと日本の本州、九州、北海道、四国のような位置づけです。
イギリスでも国全体のことを ‘Great Britain’ とか ‘Britain’ という人もいますが、これは厳密に言うと国の名前としては間違いなんです、北アイルランドが入っていないので。
とはいえ、当のイギリス人もあまり意識して使っていないのか、普通 ‘Great Britain’ とか ‘Britain’ とか言うときは北アイルランドも含めた ‘United Kingdom’ のことを指していることがほとんどです。
国名コードとしても ‘GB’ が使われるし、イギリスのオリンピックチームも ‘Team GB’ と呼ばれています。
北アイルランドを含むのなら 本来は ‘UK’ と呼ぶべきなのでしょうが、そこまでは厳密に分けていないのでしょう。
英国人/イギリス人を英語で何と言う?
英国人、イギリス人(’United Kingdom’ の国籍がある人)のことも英語では一般的には ‘British’ とか ‘Brit’ と言いますが、厳密に言うとこれには北アイルランドの人は含まれていません。
まあ、’United Kingdomer’ などという英語はないので他に言い方がないんですね。
北アイルランドの人は UK国籍はありますが、’Northern Irish’ (北アイルランド人)なんです。
(北アイルランドについては歴史的にも政治的にも紆余曲折があり、あまりに複雑なのでこれについてはまた別記事で説明します。)
なお、イギリス人全体のことを English というのは、外国人がよくする間違いです。English(イングランド人)には Scottish (スコットランド人)とかWelsh (ウェールズ人)は含まれないので、スコットランドやウェールズでこういう間違いをすると嫌がられます。
もちろん「英語」という意味で使う English はまた別です。
イギリス国旗 ユニオンジャックの成り立ち
ちなみに、おなじみのユニオンジャックの国旗ですが、このデザインももともとはイングランド、スコットランド、アイルランドの旗を組み合わせてできたものです。
イングランドやスコットランドの旗などは今頃はサッカーの試合などでしか使われませんが。
まとめ
何だかよけいにこんがらがってきましたか?
簡単に言うと:
・ 国としての名前は日本語では「英国」でも「イギリス」でもいい。
・ 英語では国の名前は United Kingdom だが、Great Britain でも通用する。
・ England (イングランド)English (イングランド人)という言葉がスコットランド(人)やウェールズ(人)を含むような使い方をすると、スコットランドやウェールズの人には快く思われないかも。
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