BBC伊藤詩織’Japan’s Secret Shame’ で炎上した日本人

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Last Updated on 2019-06-15 by ラヴリー

6月28日にイギリスBBCテレビで放送された伊藤詩織のレイプ疑惑事件を題材にした「日本の秘められた恥」(英題:Japan’s Secret Shame)番組の紹介とイギリスでの反響の記事を書きました。この番組は日本では放送されなかったのに、意外にも日本人の間で大きな反響があり、意見が分かれツイッターなどで炎上していました。今回はその様子をご紹介します。



(敬称はすべて略しています。)

Contents

BBC番組「Japan’s Secret Shame」

「日本の秘められた恥」はイギリス時間で6月28日木曜日、夜9時から1時間BBC2テレビで放送されました。制作会社「True Vision」が数ヶ月にわたり密着取材したドキュメンタリー番組です。

伊藤詩織のレイプ疑惑事件についての番組ですが、当事件についてはもとより、その背景となる日本社会や慣習、司法や制度の仕組み、政治の在り方などに鋭く切り込んだ番組となっていました。

こちらの番組の紹介とイギリスでの反響は前記事伊藤詩織BBC「日本の秘められた恥」レイプ疑惑報道と反応’Japan’s Secret Shame’動画をご参照ください。そちらに動画のリンクも載せてありますので、視聴することができるかもしれません。

この番組はイギリスBBCで放送されたもので日本では公式には放送されていません。イギリスBBCで放送された1,2日後に誰かがYouTubeに番組をアップしましたが、数日後には削除されていました。その後、日本語字幕を付けた者が前半、後半に分けてYouTubeにアップされましたが、これも数日後には削除されました。

BBCが公式な放映権利を持っている番組なのでこれは仕方がないことでしょう。今は英語版のみ数か所でアップされていますが、それも観ることができなくなるかもしれず、前記事では一応複数のサイトのリンクを紹介しています。

このような状況なので、この番組を視聴することができる日本人は限られ、あまり話題にならないだろうと思っていました。けれども驚いたことにい結構な数の人が見たようで、様々な反響がありました。前記事ではイギリスでの反応を紹介しましたが、今回は日本での感想をまとめてみました。

日本での感想

イギリスでの感想は伊藤詩織の経験談や訴えに肯定的なもので、日本の性風俗、性暴力にあった女性への対応や法律、制度の在り方などに対する否定的なコメントがほとんどでした。

一方、日本人の感想は二つに分かれ、一方が他方の感想を非難し、それにまた反論が出るというふうで、ツイッターなどで炎上していました。

番組に肯定的な感想

番組を見て、伊藤詩織の行動や勇気に感銘し、彼女を応援したいという感想は多くありました。同時に、日本での性暴力についての対応や法律や制度の在り方、被害者を非難し貶める風潮、性風俗が蔓延する社会、政権に近い容疑者をかばうことについての非難についてのコメントもたくさんあります。

英語でのコメントを読んだり私の前記事も含め、その日本語訳を読んでイギリス人が番組について語っているのを知り、残念に思っている人も少なくありません。

また、このような番組を外国のBBCが制作し放送したのに、日本のメディアは取り上げなかったことに対する批判や準強姦容疑が不起訴となったことに疑問を持つ意見も。

杉田水脈議員についてのコメント

特に目についたのが、杉田水脈議員についての否定的なコメントで、これはイギリス人が持った感想に似たものでした。

日本で視聴できないことについて

この番組が日本で視聴できないこと、このような番組を日本のメディアが取り扱わないことについて、不満を述べている人も少なくありません。

否定的な感想

一方、この番組についての否定的な感想も数多くありました。

番組内で紹介されている日本の状況が誇張されている、事件はすでに不起訴となってるのに伊藤詩織側の主張だけを取り上げるのは不公平だ、BBCは自国の犯罪は棚に上げて日本がいかにひどい国かと罵っている日本嫌いだ、はてには韓国慰安婦問題を例に出して、愛国心のない「パヨク」がこの事件を英語で拡散し、自国の恥をさらしているというようなものです。

また番組に対する肯定的な感想に対して否定的な声を上げるコメントも見受けられます。中には、英語で日本語がわからない外国人に向かって意見を述べているものも。

まとめ

この番組はBBCによるイギリスでの放送ということであったにもかかわらず、日本での反響がかなりあったのには驚きました。ビデオが YouTube ほかのサイトにアップされたのを観た人が削除される前にすかさず観たようです。

番組の中にもあったように伊藤詩織がレイプ告発をしたあと、彼女は批判と中傷、バッシングの対象になり、日本を去ることになりました。その時と同じような批判が今回もまた蒸し返されているようです。

特に、今回はBBCが英語で放送したということで、日本の恥を世界にさらしたという感想を持つ人たちがかなり炎上していました。そういう人にとって、この番組、また伊藤詩織を支持する人は非国民であるということのようです。まさか、このような番組が右翼、左翼の議論に発展するとは思ってもみませんでした。

まあ、どちらの側もこの問題が日本国内で真剣に取り上げられないまま、イギリスで放送されたということに関しては忸怩たる思いがあるのではないでしょうか。英語に 「wash dirty laundry in public」(汚いものを公共の場で洗う)ということわざがありますが、まさに「身内の恥を人前でさらす」ことですよね。

BBCの番組は伊藤詩織レイプ疑惑事件の真偽だけを云々しているものではなく、その背景の問題を扱っています。これを機会に、私たち日本人が自国の性犯罪に対する対応や法律・制度、女性の人権を軽く見る社会構造、性風俗に寛容的な社会や慣習などを見直し、改善していくように努力していくべきでしょう。この問題についてのご意見や感想などありましたら、ぜひお聞きしたいと思っています。

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伊藤詩織さん事件 New York Times 記事翻訳 「彼女はレイプについて日本の沈黙を破った」

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