Last Updated on 2021-11-22 by ラヴリー
夏休みにお友達一家とリバプールに行ってきました。リバプールというとビートルズのメンバーが育った街として世界的に有名。また、大英帝国時代に海港商業都市として中心的役割を果たした街でもあります。世界遺産に指定されている地域やビートルズゆかりの場所などたくさん観光スポットがあります。
Contents
世界遺産 「海商都市リヴァプール」
リヴァプールはロンドンから電車で2時間半なので日帰りで行けないこともありません。でも、見どころがたくさんあるところなので1、2泊してゆっくり観光してはいかがでしょうか。マンチェスターやチェスターなどイングランド北西部の周遊旅行に加えるのもいいですね。
リヴァプールは17世紀末頃からアメリカや西インド諸島などとの貿易で繁栄した港町です。18世紀に入ると海外から小麦などの原料を輸入しそれを加工した商品を輸出するイギリスの貿易産業の海洋交易拠点となりました。
リヴァプールのウォーターフロントと旧市街は大英帝国絶頂期の海洋交易拠点を代表するものとして2004年にユネスコ世界遺産に登録されています。
世界遺産に登録されているエリアは6区画:
ピア・ヘッド、アルバート・ドック、スタンリー・ドック保存地域、キャッスル・ストリート保存地域、ウィリアム・ブラウン・ストリート保存地域、デューク・ストリート保存地域
この全てを見るのは無理かもしれませんが、ピア・ヘッド、アルバート・ドック、ウィリアム・ブラウンストリートは見てほしいところです。
Albert Dock アルバート・ドック
世界遺産に登録された「海商都市リヴァプール」を構成するエリアの中心となるアルバート・ドックは1846年に完成した世界初の不可燃性の倉庫群で、鋳鉄、レンガと花崗岩で建設されました。
「ドック」というのは船の修復や荷役作業のための施設です。アルバート・ドックはリヴァプールの海商都市としての反映と共に活躍しました。
しかしその後鉄道や道路運送が急速に発達した結果、1920年台には商業船が激減し、主に倉庫としてだけ使われていました。そののちも衰退の一途を辿ってなかば廃墟となっていたドックでしたが、1980年代に修復、再開発されたのです。
イギリスの都市計画法によってグレード1に登録されている歴史的に重要な指定建造物(Grade 1 Listed Building) のうちでも最大級のものであるため、その修理、再開発には細心の注意がはらわれました。
今では、テート美術館、マージーサイド海洋博物館、世界奴隷博物館 などの観光名所があるほか、数々のショップや飲食店が立ち並んでいて、1日いても飽きないところです。
リヴァプール観光の目玉と言ってもいいでしょう。無料のアトラクションが多いので誰でも楽しめるところです。
アクセス・情報
ロンドンなどからリヴァプールに鉄道で来るとLiverpool Lime Street (リヴァプール・ライム・ストリート)駅に到着します。ここから歩いてリヴァプールの中心街を抜けて20分くらいかかります。
まずは、リヴァプールの街をながめながら海に向かってゆっくり歩いて行きましょう。
Albert Dock アドレス:22 Edward Pavillion, Albert Dock, Liverpool L3 4AF
電話:+44 (0)151 708 7334
入場料 :無料
Merseyside Maritime Museum マージーサイド海洋博物館 (アルバート・ドック内)
巨大なイカリが目印の海洋博物館はリヴァプールまたイギリスが世界への玄関口として栄えた歴史を様々な観点から紹介しています。
船や海が好きな人にはたまらないスポットですが、そうでない人にも興味深い展示がたくさん。
たとえば、映画化されて有名になった悲劇の豪華客船「タイタニック」の展示もあります。
1912年処女航海中に沈没したタイタニック号はリヴァプールから出航しその汽船会社はリヴァプールに本社を置いていたので、地元に関係が深かったのです。
タイタニック号の模型や、当時の新聞記事、沈没した船内で使われていた食器などを見ることができます。
また、沈没の様子がリアルタイムで体験できるディスプレイがあり、胸を打たれます。
こちらのミュージアムの最上階にはカフェ・レストランがあってアルバート・ドックを上から眺めながらランチやお茶ができます。
ゆったりしたスペースで落ち着けるし、子供連れで言ってもくつろげるところでした。
私はここでランチタイムにも楽しめるアフタヌーンティーでお昼ごはんにしました。
入場無料
International Slavery Museum 国際奴隷博物館 (アルバート・ドック内)
海洋博物館のある建物の一部は奴隷博物館となっており、この展示は奴隷貿易の歴史を物語っています。
17〜18世紀の間、イギリスやフランスなどのヨーロッパ諸国はアフリカ大陸から黒人奴隷をアメリカや西インド諸島に運び、そこからヨーロッパに砂糖や綿花などを運んでいました。
この非人道的な黒人奴隷貿易について詳細にしかもわかりやすく説明する展示があり、イギリス人はもちろん全世界の人に訪れてほしい博物館です。
奴隷貿易についての歴史はもちろん、今の時代にも続く人種差別や人権に関するテーマを扱った展示もあって惹きつけられます。とりわけ印象に残ったのは白人社会における黒人奴隷の歴史が今現在まで続く黒人差別/蔑視につながっているとの指摘です。
イギリスを含む西欧「先進国」が過去に行った暗い過去の歴史はイギリスではあまりおおっぴらに語られることはありませんが、このような博物館で一般の人にわかりやすく説明をしているのは意義あることだと思いました。
入場無料
Tate Liverpool テートリヴァプール(アルバート・ドック内)
テートリヴァプールはロンドンのテートギャラリーの分館で1900年以降のモダンアートが中心に展示されています。
常設展示は無料ですが、期間限定で行われる特別展は有料です。
フロントにアルバート・ドックを見渡せる大きな窓があるカフェテリアがあります。
Pier Head (ピア・ヘッド)
ピアヘッドは Three Graces (スリー・グレイシズ) 「3美神」と呼ばれる3つの建物があるところです。
Royal Liver Building (ロイヤルライヴァービル), Port of Liverpool Building (リヴァプール港ビル), Cunard Building (キュナードビル)というリヴァプール港の繁栄ぶりを物語る建物は1900年代のはじめに建てられ、いずれも歴史的建造物として指定されています。
その中でも有名なのが2つの時計塔があるロイヤルライバービルですが、それぞれの時計塔の上に立つ2羽の鳥に注目してください。これがリヴァプールのシンボルである Liver Bird (ライヴァー・バード)です。
何処かで見たことがあるようなと思う人がいるかもしれません。そう、リヴァプールフットボールクラブのシンボルでもあるあの鳥なんです。
このライバーバード、下から見るとよくわかりませんが、高さが5.5メートルもあるそうです。この実物大レプリカがリヴァプール博物館(下記参照)にあるのでこちらも見てくださいね。
Museum of Liverpool リヴァプール博物館 (ピア・ヘッド)
アルバート・ドックの北にある船の形をしたモダンな外観が目印。
2011年にオープンした新しい博物館でリヴァプールの歴史や街の様子を知るのにはうってつけです。
博物館といっても子供でも楽しめるような仕掛けもたくさんの興味深い展示物が揃っているのでおすすめ。
ライバー バードの実物大模型もあるし、まずはここでリヴァプールのことを知ってから街を歩くとよりリヴァプール観光を楽しめそうです。
入場無料
ビートルズの銅像 (ピア・ヘッド)
2015年に新しく建てられたビートルズの像がピア・ヘッドにあり、ビートルズと一緒に写真を撮ろうとするひとで賑わっています。
等身大より一回り大きい銅像は、若い4人がさっそうと歩く様子をとらえています。
ビートルズと一緒に記念撮影はいかが?
The Beatles Story ビートルズ・ストーリー(ピア・ヘッド)
ビートルズファンなら必見のスポットです。音楽を聴きながらビートルズの歴史をたどるアトラクション。音声ガイドがあり、日本語にも対応しているので、英語ができなくても大丈夫。
ジョン・レノン愛用の白いピアノなど、ビートルズにまつわるコレクションの数々がならんでいます。
お隣のスターバックスはビートルズをテーマにしたもの、ぜひこちらでコーヒータイムを。
入場料:大人 £14.95 シニア/学生 £11.50 子供 £9
William Brown Street ウィリアム・ブラウン ストリート
ライムストリート駅を含むエリアで、18〜19世紀のネオクラシック様式の歴史的建造物が立ち並んでいます。
ライムストリート駅舎にはじまり、セントジョージ・ホール、リヴァプール図書館、ウォーカー美術館やリヴァプール世界博物館など見どころがたくさん。
Walker Art Gallery ウォーカー アートギャラリー(美術館)
リヴァプール・ライムストリート駅から歩いてすぐのところにある美術館です。
ルーベンスやレンブラントなどヨーロッパ各地の美術品を収蔵。
また、ロセッティなどラファエル前派の名品が揃っているので有名な美術館です。
ギフトショップやカフェレストランもあります。
入場料無料
World Museum ワールドミュージアム (世界博物館)
こちらは子供に人気の博物館で、恐竜や昆虫館、水族館、プラネタリウムなどの見ものが6階に渡って繰り広げられています。
子供が楽しめるように体験型のアトラクションが多く、家族みんなで楽しめます。
ショップやカフェもあるのでお土産を買ったりランチやお茶もできます。
入場無料
The Bluecoat ブルーコート(Duke Street デュークストリート保存地域内)
リヴァプールのショッピング中心街のすぐそばにある、300年前に建てられた学校がアートセンター/ギャラリースペースとなって開放されています。
リヴァプールでも最古の建物の一つで歴史的保存建造物グレード1に指定されています。
中庭のあるカフェでお茶をするのもよし、様々な展示を眺めるのもよし。2階にあるビストロでは美味しいランチを楽しむこともできます。
Church Street の Marks and Spencer, Primark, Topshop, Next, Ted Baker など人気のあるお店の近くなので、ショッピングの人混みに疲れたあとの休憩にも最適です。(いつも混んでいるPrimark の裏にあります)
School Lane, Liverpool L1 3BX
入場無料
ビートルズファンに
ビートルズファンなら先に上げたビートルズ・ストーリーの他にも訪れたいスポットがたくさんあります。
キャバン・クラブなどアクセスがいいものもありますが、少し離れているものもありバスなどで行く必要があります。
キャバン・クラブがやっている マジカル・ミステリー・ツアー などに参加してもいいかもしれません。
所要時間2時間で主な見どころを回るツアーで、ピアー・ヘッドからバスが出ています。
ツアー代金は17.95ポンドでチケットはオンラインで購入できるほか、キャバン・クラブや下記のチケットオフィスでも買えます。
Magical Mystery Tour Ticket Office, Anchor Courtyard, Albert Dock, Liverpool L3 4AS
Open daily 9.30am-4.30pm
Tel: 0151 703 9100
ツアーで行くことができる主なスポット:
- キャバン・クラブ
- ジョン・レノン生家
- ポール・マッカートニー生家
- ペニー・レーン
- ストロベリー・フィールド
Hard Days Night Hotel ハードデイズナイトホテル
リヴァプール中心部で宿泊する必要があるビートルズファンのおすすめなのがこのハードデイズナイトホテルです。
ヴィクトリア朝時代の歴史的重要建築物をビートルズテーマで改装して2008年にオープンした4つ星ホテル。ビートルズメンバーがよく通ったというパブがあるマシュー・ストリートに面しています。
客室は110あり、それぞれデザインがちがうとのこと。ジョン・レノン・スイートとポール・マッカートニー・スイートというスイートルームもあります。
ホテルには泊まらなくてもホテル内のレストラン Blakesで食事をすることもできます。
また、ホテルバーでは一般客もドリンクやお茶、軽食をたのしむことができます。こちらもビートルズテーマで楽しいので、気軽に入ってみましょう。
ここにはアフタヌーンティーもあってロンドン価格と違って良心的(17.95ポンド)なのでためしてみてはいかがでしょうか。
スコーン2つと紅茶またはコーヒーがついた Cream Tea クリーム・ティーやケーキとドリンクセットもあります。
サッカーファンに
「レッズ」の相性で親しまれるプレミアリーグのリヴァプールフットボールクラブのホームスタジアム リヴァプールFCスタジアム はイングランドサッカーの聖地。
リヴァプール市街北東のアンフィールドにあるスタジアムは収容人数役54,000人という巨大スタジアムです。リニューアルしてからは欧州チャンピオンズリーグの決勝戦まで開催できるようになりました。サッカー観戦ツアーもあり、海外からもファンが多く訪れます。
サッカーファンなら本場のフットボールを観戦するのもいいし、日程が合わない場合はスタジアムツアーに参加してもいいですね。
まとめ
リヴァプールは見どころが一杯の街で、他にも紹介したいところがあったのですが長くなりすぎるのでこの記事はここまでにします。
この他にぜひ足を伸ばしてほしいのが2つのカテドラルがあるエリアなのですが、これについては別記事で紹介しますね。