プリンセス・マコの結婚【海外の報道まとめ】

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Wedding hands

秋篠宮家の眞子内親王が10月26日に夫・小室圭と正式に結婚したのち、記者会見を行いました。このニュースは日本ではもちろん、海外でも幅広く報道されています。この結婚に関する様々ないきさつだけでなく、その陰に潜む日本の皇室の問題や日本における家制度や女性の扱いなど幅広い問題に言及しているものも多くあり、それらをまとめて紹介します。

プリンセス・マコの結婚について海外の報道

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10月26日に行われた眞子内親王の結婚や記者会見は国内ではもちろん、海外でもすぐに様々なメディアが報道しています。

これまでの結婚のいきさつを説明する内容は似ていますが、背景としての日本の皇室の状況、特に後継問題や女性皇族の身分などについて、さらに広く日本の家父長制度や女性の立ち位置についても言及している記事もありました。

2人の結婚についてはどの記事も肯定的で、苦難にもめげず長年の恋を成就した忍耐深いカップルといった扱いです。その反面、2人やその家族たちに寄せられたメディアやSNSなどでのさまざまなバッシングや誹謗中傷について同情的に伝えています。

ロイターや共同通信、BBC、ガーディアンなどの様々な英語記事を下記に紹介します。

Reuters

Kyodo News

NBC News

Sky News

CNN

New York Times

Bloomberg

The Guardian

BBC

The Economist

これらの海外記事で扱われている問題について、項目別にまとめてみました。

男性だけの皇位継承問題

どの記事も日本では皇室が男系相続であり、皇室の女性は結婚したら他の家に嫁ぐことになるため、皇室という家から離脱することを説明しています。日本独自の家父長制度に基づく「家」制度は欧米の感覚とは異なるため、説明が必要なのでしょう。

ヨーロッパで王室のある国は7か国ありますが、ほとんどの国では男女関係なく第一子が王位継承者。今でも男系継承が残るスペインでも、直径の男子がいない場合には女王が認められます。現在の王位検証者は王女なので、将来はスペインでも女王が誕生することになります。

現在女王がいるのはイギリスとデンマークですが、スウェーデンやオランダも王女が第一位王位継承者なので、将来的には女王が誕生する見込みです。

イギリスでも少し前までは、王位継承者に男子がいる場合は、優先的に王位を継承することになっていました。けれども男女平等の観点からそれが問題視され、2011年に法律が改正され2013年に施行されました。今では男女関係なく第1子が王位継承することになっています。

ヨーロッパではこういう状況なので、日本の皇室では直径の男子がいない場合でも女性天皇が認められないということについて、欧米諸国の人には説明が必要なのです。

さらに切実な問題となっているのが、日本の皇室には男性が少ないため、現実的に男系継承を維持するのが難しくなってきているということです。女性天皇や女系天皇の可否についての議論が行われてきたことはあるけれども、いまだに進展はありません。

このことから、日本の天皇制度存続そのものが危ぶまれているとする記事もありました。女性が天皇になれないため、皇位継承できる男性は3人しかおらず、その年齢は85歳、55歳、15歳であること。それに対して、英国王室の場合、王位継承できるのは20人以上いて、その多くが女性です。

そして、今回の結婚論争は日本政府が解決を怠ってきた皇室継続の根本問題を浮き上がらせ、パニックを引き起こしているいう見解もあります。

王位継承においての男女平等

上記したようにヨーロッパの王室でも、かつては王位継承においての男性が優先されていました。それを廃止したのは近年になってからで、その理由は男女平等の観点からです。社会で男女平等が当たり前になっている中、王室だけ男性が優先されるのはおかしいという考え方。

王室というものは伝統があるのはもちろんですが、その時々の社会の情勢や人々の考え方、規範に合わせて変えていかなければならないというわけです。

このような問題を、次の世継ぎがどうなるのかというぎりぎりの時期になって決めることは好ましくありません。そのため、イギリスではウィリアム王子とキャサリン妃が婚約したのを機に国民的な議論を行いました。

イギリスで2010年に世論調査を行ったとき「王位継承順位において男女平等にすべき」と答えた人は70%、「そう思わない」と回答した人が17%、「わからない」が12%でした。国民の過半数の合意によって、法律が改正される結果となったのです。

このようにして、他の多くのヨーロッパ王室でも男女平等の観点から男子優先ではなく、男女関係なく第1子が王位継承者になるように改めらてきたのです。

「日本は特別だ」という意見もありますが、日本も欧州諸国と同じく民主主義国家であり、憲法においても男女平等が認められています。

いつまでも古いままの制度に縛られていては天皇制そのものが危ういということは誰が見ても明白です。プリンス・ヒサヒトに息子が生まれなければ天皇家は途絶えてしまうことになるのではないかと危惧する記事もありました。

皇族の人権

海外記事では、日本で、2人の結婚についてあることないこと様々なことがメディアやSNSで言われてきたということを紹介しています。海外でのもっとひどいスキャンダルに慣れている目から見ると、この2人の周りで起きた「出来事」はスキャンダルともいえない「ささいなゴシップ」であるという印象です。

「400万円はささいな金額ではない」という声もありますが、欧米から考えるとガーディアン紙が言うように「マイナーな金銭トラブル」という印象です。この辺りは日本経済が衰退して平均給与も下がってきていることもあり、諸外国と金銭感覚がずれてきてしまっているのも影響しているのかもしれません。

「ポニーテール」だの「ピンストライプツ」だのに至っては、もはや冗談として扱われています。

「問題の元は日本で皇族が理想化され過ぎ、いかなるトラブルも許容されないということ」という記事もありました。イギリス王室の、もっとひどい一連のスキャンダルなどを考えると、まあそう思わざるを得ません。

記者会見におけるメディアの質問でさえも事実とは異なる情報に基づいたものがあったということで、これまで様々な状況であることないことを言われ、誹謗中傷を浴びてきたプリンセス・マコがPTSDを患っていることについては、どの記事も同情的です。

また日本国民から「税金の無駄使い」という声がある中で、プリンセス・マコはこれまで皇室の一員として義務を果たしてきたのにもかかわらず、130万ドルの結婚祝い金を辞退し、結婚式も行わないということや、結婚後の記者会見会場の費用でさえ自分たちで支払ったということを伝えているものもありました。

生まれながらにして皇室という檻の中でたくさんの目にさらされて暮らさざるを得なかった若い女性が、自らの意思で選んだ男性との結婚を許されないということが、いかに不幸であるかということが多くの記事から感じられました。

結婚する相手を選ぶ権利、プライバシーが守られる権利、平和に生きる権利、事実に基づかないうわさや誹謗中傷にさらされない権利といった、基本的人権が皇族に対しては守られないのはなぜなのかということが問われているのです。

愛する人との結婚で苦難を強いられた皇室女性の話は今回に限ったことではないと、これまでの事例を紹介するものもありました。皇室にふさわしくないと言われて声が出なくなったという美智子上皇や、ハーバード大出身で外交官だった雅子皇后が世継ぎ男子出産のプレッシャーでメンタルヘルスを患ったことなど。

日本の皇室の女性は夫に仕え、男子を産み、伝統を守るという期待を背負い、それに応えられないと厳しく非難されるということで「皇室は女性を不幸にするシステム」であるという意見もありました。

ハリーとメガンとの対比

プリンセス・マコが結婚後に日本を離れ、米国で新婚生活を送ることになるということで、英国王室を離脱して米国で暮らすことになった英王室のハリー王子とメガンに比較されることがあります。

ハリーとメガンの結婚においても、タブロイド新聞などにゴシップ記事が多く掲載され、2人はたび重なる過剰報道について抗議の声を上げていました。当初は英国王室の一員として受け入れられ、ロイヤルファミリーとしての活動をこなしていた2人ですが、とうとう英国を離れカナダ、それから米国で生活を送ることになったのです。

とはいえ、ハリーは王室を離脱しても莫大な遺産を相続しており、メガンも結婚前から女優としてかなりの収入を得ていた女性です。2人が子供と共に米国での暮らしを始めてからは、一緒にTVインタビューに応じたり、ネットフリックスと契約を結ぶなどして収入も名声も手放すつもりはないようです。

それとは対照的に「日本のハリーとメガン」は、ニューヨークにわたってメディアや人の目から逃れ、誰にも邪魔されない静かな生活を送ることになるだろうと推測されています。

最後に:2人に祝福を

海外の記事を英語で読んでいると、基本的な人権、プライバシー保護、個人の尊厳、男女平等などの現代の常識にもとづいた真っ当な考え方がすっと理解できて、皇室に関する日本社会の考え方がいかに特殊かということを改めて感じさせられます。

日本のメディアや国民(の一部)が皇室の在り方について、家父長的な慣習や封建的な秩序を押し付けたがったり、自分たちが「ふさわしい」と思う皇族の在り方に服従せず自分の意思で行動する皇室メンバーを批判したりするのは違和感があります。

日本では「国民感情」という言葉がよく使われますが、この場合の国民と言うのは誰を指すのでしょうか。私も日本国民ですが、2人の結婚に反対する人たちとは意見が異なります。「国民感情」を盾にして誹謗中傷を並び立てたり「結婚反対」とデモまでする人たちの気持ちが理解できません。

私は日本にいないしこの手のゴシップには関心がなかったのですが、それでも否応なしに見聞きする噂は悪意に満ちたものが多く、これではこの2人は結婚をあきらめてしまうだろうと思っていました。それなのに2人が忍耐強く周りを説得し続け、結婚にたどりついたという努力と勇気には頭が下がります。やっと念願かなって結婚にこぎつけたという、本来ならば喜ばしい出来事なのに、記者会見でも緊張した不安感が伝わってきて忍びなく感じました。

意思のある大人が2人で自分たちの人生について決めたことを、周りがとやかく言うことは何もありません。ニューヨークでの新生活に祝福を送りたい気持ちでいっぱいです。

そして、もし将来何らかの理由でこの結婚がうまくいかないことがあったとしても、それもまた2人が決めることです。これまで自分の意思でもないのに皇室に生まれついたという理由だけで自由を奪われていたのですから、これからは好きに生きてくださいと願います。

そういう生活を母国で、家族や親しい人たちに囲まれてすることができないというのは残念ですが、今の日本ならやむを得ないということも十分わかります。日本国民は自分たちにふさわしい皇室をほしがるのでなく、皇室の人たちにふさわしい社会をつくる努力をするべきだと思います。

(敬称略)

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