Last Updated on 2020-02-19 by ラヴリー
中国の武漢から広がっている新型コロナウイルス(新型肺炎)の症状は風邪やインフルエンザと似通っています。この時期、咳や発熱があった場合に、どうやって新型コロナウイルスと風邪・インフルエンザを見分けるのか、あなたはわかりますか?
Contents
新型コロナウイルスとは
最初に断りますが、私は医療の専門家でないので、詳しい情報を知りたい人は自分で信頼できる情報を得るようにしてください。
また、新型コロナウイルスについては、感染状況などの情報がその都度変わってきているので常に最新情報をチェックすることが必要です。
コロナウイルスは発熱や上気道症状を引き起こすウイルスで人に感染するものは6種類が知られています。その仲間には2002年に確認されたSARSなど重症の肺炎を起こすものもあります。
詳しくは国立感染症研究所を参考にしてください。
2019年12月に中国の武漢で発生したコロナウイルスはこれまでに見られなかった新型であり、世界保健機関(WHO)では、これを2019-nCoVと名付けています。
英語の名称は ‘Novel coronavirus’ ですが、通常は ‘new coronavirus’ または単に ‘coronavirus’ と呼ぶことが多いです。
【追記】WHOは2月11日にこの感染症の正式名称を「Covid-2019」にすると発表しました。
新型コロナウイルスの感染状況
2月7日現在、新型コロナウイルスは中国で3万人以上の感染者が発表され、死亡者も600人以上に上っています。
(この数は毎日のように多くなってきているので最新情報はその都度変わります。)
中国以外でも、数は少ないですが感染者の数が増えてきています。
こちらのJohns Hopkins 大学サイトでリアルタイム情報が得られます。英語ですが、数字なので大体わかると思います。
赤はConfirmed Cases :新コロナウイルス感染者数
白はDeaths:新コロナウイルスによる死者数
緑はRecovered:感染者のうち回復した人の数
右下のグラフは感染者数の時系列の増減を表しており、オレンジは中国本土、黄色はその他です。
ちなみにWohan = 武漢市、Hubei = 湖北省、Guangdong = 広東省、Zhejiang = 浙江省
新型コロナウイルスの症状
新型コロナウイルスは呼吸器感染症を引き起こし、通常は発熱や咳などの症状が出ます。重症の場合は呼吸困難や肺炎につながります。
初期症状が通常の風邪やインフルエンザの症状と似通っているため、医者であっても判断は難しいといわれてます。
冬季で風邪やインフルエンザにかかる人が多い中、その症状がもしかしてコロナウイルスなのかどうかと心配する人も多いのではないでしょうか。
実はうちの息子が1月中旬にずっと咳き込んでいて、はじめは学校で風邪をうつされたのではないかと思っていました。でも、そのうち新コロナウイルスの問題が深刻化してきたので、私も気になって調べてみたのです。
そうすると次のことがわかりました。
新型コロナウイルスでよく見られる症状
- 発熱
- 空咳
- 息切れ
- 筋肉痛
- 疲労感
新型コロナウイルスではそれほど出ない症状
- たん
- 頭痛
- 血痰
- 下痢
新型コロナウイルスで普通は見られない症状
- 鼻水
- 喉の痛み
参考資料:Coronavirus symptoms: How to tell if it’s NOT cold or flu – The KEY signs YOU have virus
症状については個人差があるので、素人がいちがいに判断するのが100%正しいとはいえません。
けれども、目安としては「鼻水が出て喉が痛い」という症状がある場合は、コロナウイルスというよりは風邪やインフルエンザである可能性が高いということのようです。
ただ、初期の症状は風邪やインフルエンザなどと見分けがつかないこともあり、専門の検査でウイルスの有無を調べる以外に、はっきり区別できる方法はありません。
高齢者や体の弱い人、もともと呼吸器系の持病などを持っていたりする人は、少しでも症状がある場合には専門医療機関に相談するべきです。
新型コロナウイルス診断方法
日本の場合は疑似症として保健所に届け出た後、地方衛生研究所または国立感染症研究所で検査することになります。
厚生労働省は、まずは最寄りの保健所に問い合わせるようにとアドバイスしています。
なお、現時点の潜伏期間は1-12.5日(多くは5-6日)とされており、感染者は14日間の健康状態の観察が推奨されています。
新型コロナウイルス相談フリーダイヤル
厚生労働省は新型コロナウイルスについて、無料で通話できる相談窓口を設置しています。
フリーダイヤル電話番号:0120-565653
利用時間:平日だけでなく土日や祝日も含め午前9時から午後9時まで
新型コロナウイルス予防方法
新型コロナウイルスの感染経路は咳、飛沫、接触による感染なので、予防方法としてもっとも効果的なのは手洗いです。
石鹸やアルコール消毒液などを使って指のあいだまで丁寧に手洗いすることが大事です。
特に人混みの多い場所や公共交通機関などで咳などの呼吸器症状をもつ感染者に接触した可能性がある場合は、丁寧な手洗いを心がけましょう。
さらに、咳などの症状がある人はウイルスなど病原体の飛散を防ぐためにマスクをつけたり、咳をする場合にティッシュや袖で口や鼻を抑える「咳エチケット」を心がけることが大事となります。
言い換えれば、マスクは感染者から自らを守るためというよりは、自分が咳などをするときに他の人に病原体をうつさないために効果があるということです。
新型コロナウイルス治療方法
今のところ、この新型コロナウイルスに有効な抗ウイルス薬などはなく、対症療法だけとなります。
中国を始め、世界中の研究機関で新型コロナウイルスに効く治療法を開発研究しており、効果的な治療薬や予防薬の開発が期待されています。
新型コロナウイルスはこわい?
新型コロナウイルスは短期間に広まったため「こわい」という先入観がありますが、実際はそうでもないのではないかと言われています。
感染者の経過分析などから現時点では通常のインフルエンザ相当かそれよりやや強いという認識のようです。
健康な人が感染しても重症化する可能性は高くなく、WHOは報告されたほとんどの症例は軽度であり、重症となった患者は2割にとどまっているといいます。
今のところは過度に恐れず現状を正しく認識し、手洗いや咳エチケットといった、風邪やインフルエンザにも通じる感染予防を行うのがいいでしょう。
例外は高齢者や呼吸器系疾患がある人で、新型コロナウイルス感染で重症化しやすい人にとっては十分な注意が必要です。
ちなみに感染者の年齢は幅広く、中国では感染していた妊婦から生まれた新生児の感染も確認されています。けれども、今のところ子どもで重体に至ったケースはないそうです。
まとめ
最後になりますが、私は医療の専門家ではないので詳しい情報を知りたい人は自分で信頼できる情報を得るようにしてください。特に、新型コロナウイルスについては今のところ感染状況などの情報がその都度変わってきているので常に最新情報をチェックすることが必要です。
一般的な感想になりますが、今回の新型コロナウイルスのニュースで一つ良かったことは人から人にうつる感染症についての認識が広まってみんながより注意するようになったことでしょう。
今年は風邪やインフルエンザの流行が抑えられているところが多いようですが、人混みを避けたり、手洗いやマスク着用などの予防策を行っている人が増えているからではと考えられます。この習慣が根付くことで新型コロナウイルスだけでなく風邪やインフルエンザ、食中毒といった流行が減るといいですね。
それに、日本でもコロナウイルス対策のための社員にリモートワークを導入した企業も出たということで、これもいいニュースだと思いました。
日本では特に顕著ですが「風邪くらいで仕事を休んだら人に迷惑がかかる」と言う人がいます。風邪薬の宣伝で「風邪でも絶対に休めない社会」というのがありましたが、あれは問題です。
またこのCMが流れてきたので言っておくけど『風邪でも絶対に休めないあなた』なんて人はいない。以前僕の職場ではそう思い込んで熱を押して出勤してきた40代の社員が肺炎を併発して亡くなってしまった。風邪をひいたら絶対に休むべきだ。誰かが亡くなるまえにそれに気づいて欲しい。 pic.twitter.com/RESs7WBobf
— Simon_Sin (@Simon_Sin) January 25, 2019
風邪薬は風邪を治す効果はなく、症状を軽くするだけです。健康な人なら風邪の症状を薬で抑え込まないほうが良く、休むのが一番と言うのはイギリスなどでは常識です。薬を飲むことで体に備わっている免疫力が弱くなり、逆効果になることもあります。
自分のためにも、人に迷惑をかけないためにも、風邪でもインフルエンザでも治るまで家でゆっくり休養するのが一番です。