ベッカム運転中ながらスマホで免許停止に:イギリスは厳しい?

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Beckham Court

サッカー元イングランド代表のディヴィッド・ベッカムが運転中にスマートフォンを使用していたとして6か月の免許停止処分を受けました。イギリスでも日本でも運転中のながらスマホは問題となっており、違反件数やそれが原因となる事故も増えています。イギリスのながら運転の罰則は日本に比べて厳しいのでしょうか。


ベッカムの違反

ディヴィッド・ベッカムは2018年11月にロンドンで愛車新型ベントレーを運転している際にスマートフォンを使用。交通渋滞でのろのろ状態だった時、膝の上でスマホを持って運転していました。ハンドルを握ってはいるものの、ちらちらと下を見ているところを多くの人に目撃されたようです。

彼ほど有名になると「あっ、ベッカムだ。」ということで道行く人がほっておかないのでしょうね。その中にはベッカムの膝上にあるスマホを見つけて彼が運転中にスマホを持っている写真を撮った人もいたようで、彼は目撃者によって起訴されてしまいました。

ロンドン警視庁本部によると、ベッカムはのちに文書で自らの容疑を認めたそうです。そのまま文書で対応するということもできたのですが、ベッカムは自ら裁判所に出向くという形をとりました。

裁判所での有罪判決

2019年5月9日ベッカムはブロムリー治安判事裁判所に出向きました。裁判では、2018年の11月21日にベッカムがロンドン、ポートランド・ストリート運転していた際、スマートフォンを手に持っていたことについての容疑について判決が行われました。当時、交通事情が悪くのろのろ運転だったとはいえ、ベッカムはハンドルを握っていたにもかかわらず前方を見ないで膝上にあったスマートフォンを見ており、注意散漫だったと指摘されました。

キャサリン・ムーア判事は「のろのろ交通だったということは認めるが、それは言い訳にはならない」と語り、ベッカムに有罪判決をおこないました。その結果、運転中のスマートフォン使用の罪でペナルティポイント6点の減点となりました。しかし、ベッカムはそれまでもスピード違反ですでに6ポイントのペナルティポイントを課されていたため、それを合計することで免許停止処分となってしまったのです。ベッカムは去年2018年には時速40マイルエリアで時速59マイルのスピードを出して捕まっています。

ベッカムの弁護士は ベッカムが子どもを学校に送り迎えしているため、自動車を運転する必要があると主張しましたが、聞き入れられませんでした。この弁護士は「Mr Loophole(ミスター抜け穴)」と呼ばれるほど腕がいいことで有名で、これまでもベッカムを助けたことがあります。1999年にイングランド北部のチェシャ―で彼がフェラーリを時速50マイルゾーンで76マイル出して8か月の免許停止処分を受けた時「パパラッチに追いかけられていたのでやむを得なかった」という理由を主張して処分を免れたのです。けれども今回は、運転手を雇う財力のあるベッカムに子供の送り迎えのために運転が必要だという主張には無理があったようです。

この処分でベッカムはこの日からすぐに6か月間自動車もバイクの運転もできないということになりました。さらに罰金750ポンドプラス100ポンドの裁判費用を課されました。とはいえ、10万ポンドのベントレーのほかにも高級車を数台所有している彼にとっては罰金については痛くもかゆくもないでしょう。

裁判所には運転手付きのレンジローバーで到着したベッカムは裁判の後、かけ付けていた記者団の取材には応じずそのまま運転手の運転する車に乗り帰宅したということです。

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イギリスの免許ペナルティ規則

イギリスでは、日本と同様、運転中に携帯電話やスマートフォンの使用は禁止で交通渋滞などで自動車が止まっているときも同様です。唯一の例外は緊急時に緊急ダイアルに電話する必要があり、路肩に停車することが不可能な場合だけとなっています。

交通違反については日本と同様、免許証にペナルティを加算するシステムになっています。スマートフォンを使用するなどして安全運転に支障を来たした場合のペナルティは3~6ポイントの減点になります。スピード違反の減点はその度合いによりますが、最低3点からとなっています。

そして、3年間でペナルティポイントの合計が12点になると免許停止になるのです。ベッカムの場合、スピード違反とスマホ使用のペナルティの合計がこの12点に達してしまったというわけです。免許停止期間は最初は6か月、2度目になると12か月、3度目になると2年間とその期間が延びていきます。

ポイントだけでなく罰金も課されますが、これはスピード違反の度合いと違反者の収入によって変わってきます。たとえば時速40マイルのエリアで時速41~55マイルだと1週間の収入の25~75%、56から65マイルだと1週間の収入の75~125%というように。ベッカムの収入のパーセンテージとなるとすごい額になりますが、罰則の最高が決まっていて、通常は1000ポンド、高速道路の場合は2500ポンドとなっています。

日本の免許ペナルティ規則

日本でも車の運転中に携帯電話やスマートフォン(カーナビも含む)を使用する、ながら運転は禁止されていて、罰則は5万円以下の罰金。運転免許証のポイントも1~2点のペナルティが課されます。そして違反点数が6点を超えると30日間、9点で60日間、12点で90日間の免停となります。そして15点以上になると免許取り消しとなってしまいます。

加算される期間は3年間ですが、1年間無事故無違反だとそれまでの累積点数がリセットされて0になります。

スマホ使用に関して日本では特に問題となっており、2019年に道路交通法改正で厳しくなるそうです。2019年末には導入予定の新しい規則では、スマホ使用が見つかった場合、6か月以下の懲役または10万円以下の罰金に引きあげられます。さらに、ながら運転によって事故などの危険な行為を犯した場合は1年以下の懲役または30万円以下の罰金となります。

ながら運転罰則、日英どちらが厳しいか

イギリスはスマホ使用ですぐ免停というわけでもないのですね。3年間で2度やらかすと免停になる可能性もありますが、普通の人が運転中にスマホを使っているところを現行犯で見つかるということは珍しいのではないでしょうか。ベッカムのような有名人だから目撃者がいたわけです。でも、彼のような有名人はみんなのお手本になるべきだということで、その前のスピード違反も含めて免許停止という判決になったのでしょう。

日本はイギリスほど厳しくないのかと思っていましたが、今年の道路交通法改正でスマホ使用で懲役の可能性が出てくるということは厳しいですね。これで運転中のスマホ使用が減るかもしれません。

イギリスのスピード違反者用教習コース

私はイギリスで長く運転していますが、一度スピード違反で捕まったことがあります。けれどもその時ペナルティポイントと罰金の代わりに「Speed Awareness Course」という軽度のスピード違反者用の教習に行くというオプションを提示されました。罰金と同じ値段を支払わなければならないのですが、これだとペナルティポイントもつきません。

このコースを受けることができるのは初めてスピード違反を犯した人、しかもその違反がスピード限度プラス10%くらいに収まる場合に限るそうです。教習料金は日本円にして1万円くらいだったような気がします。自分が住むところの最寄りの教習所にまる一日仕事を休んで行きました。

もちろん気乗りはせずいやいや行ったわけですが、同じくスピード違反をした人たち10人くらいのグループで思いのほか、実りのある一日を過ごしました。スピードを出すことがどんなに危険なのか、たった数マイルでもスピード限度を超すことによってブレーキを踏んでから車が止まる距離がどれだけ違ってくるのか、それによってもし運転する車が歩行者に衝突した場合その人の被害状況が異なるスピードでどう変わって行くのかなど、具体的な事例をまじえて学びました。

教室での講義の後は実際に運転をする教習もありました。二人ずつのペアになりインストラクターと車に乗って交代で運転して安全運転のためのアドバイスをもらったのです。思えば、私の場合ずっと昔に日本で取得した運転免許をイギリスの免許に交換して使っていたので、運転の仕方を習うのは久しぶりでした。それまで自分流に運転していたけれど、サイドミラーやバックミラーを正しく見る方法や右折や左折の際の安全確認方法などとても勉強になりました。

このスピード違反者教習はただ罰金やペナルティを課すよりも本当に役に立つ「罰」を与えるという目的で始められたそうですが、とてもいい試みだと思います。私だけでなく、他の参加者もそういう感想を持っていたようです。おかげであれから私はずっと安全運転を続けていて、無違反無事故で来ています。

厳しい罰を与えることでスピード違反やながら運転などの危険な行為を防ぐことも必要ですが、運転する人1人1人が日ごろから十分すぎるほどの注意をするということが大事なのだと思います。

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