新型コロナウイルス感染者死者はどんな人?国、年齢、性別、人種、職業

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新型コロナウイルスに感染しやすい、また重症化したり死に至りやすい人には何か共通の特徴があるのでしょうか。これまでに分かっている情報から明らかになって来た傾向を居住国、性別、年齢、人種、職業などによって見てみました。

新型コロナウイルス感染と重症化

まず、新型コロナウイルスに感染しやすい人に何か特徴があるのでしょうか。

「新型」と名前がつくくらいなので、このウイルスには誰も免疫を持っておらず、基本的には感染リスクは誰にとっても同じであるということになります。

それでは感染した場合に、重症化し死に至る人たちには共通点があるのでしょうか。

新型コロナウイルスは感染しても約8割が無症状、または軽い症状ですみますが、約2割が重症化します。

この病気についてはまだわかっていないことも多く、各国の感染状況も異なりますが、これまでに出回っている情報からわかってきたことを紹介します。

なお、私は感染症の専門家でも医学従事者でもありません。世界中で公表されている、信頼のおけるソースからの情報をまとめたものにすぎないことをご承知おきください。

居住国

新型コロナウイルスの国別の感染者数や死亡者数はジョンズ・ホプキンス大学サイトをはじめ、様々なサイトで公表されています。

とはいえ、この場合の「感染者数」は検査で陽性となった人の数なので、「感染確認者数」または「検査陽性者数」と言った方がいいでしょう。国によって検査数が異なるので、この数字はあまりあてになりません。その増え方のトレンドは追えますが、それも検査数の増減によって変わってくることもあります。

新型コロナウイルスの致死率も感染者数を分母に計算している限り、国によって大きなばらつきがあります。検査を多くしている国、例えば韓国では致死率が低いのですが、あまり検査をしていない日本では高くなってしまいます。だからといって韓国ではコロナにかかっても死亡する割合が低いというわけではなく、陽性とわかっている人の数が多いので、そういう数字になるのです。

けれどもコロナによる死亡者数となるとかなりはっきりしたデータが得られます。もちろん、公表されているデータは死因がはっきり新型コロナウイルスとわかっているものだけでその疑いがある肺炎など他の死因である場合が含まれないとか、国によっては病院以外での、たとえば家庭や介護施設での死亡数が含まれないということもありますが。

死亡者数を人口100万人当たりで見ると、居住国によってこのような結果となっています。(2020年4月21日)

Death by capita

Coronavirus (COVID-19) deaths worldwide per one million population as of April 21, 2020, by country(Statista)

一番多いのはベルギー(約510人)それからスペイン、イタリア、フランス、英国、オランダ、スイスとヨーロッパ諸国が並び、米国は9位となっています。

中国は死亡者は多いのですが、人口も多いので100万人当たりに換算すると3.33人、日本はさらに少なく2.08人です。

この理由は感染の度合い、コロナ予防や対応の違い、医療レベル、国民の基礎的な健康度、生活・衛生週間など様々に考えられます。

その国で流行した新型コロナウイルスの種類やBCG接種の有無などといった理由を上げる人もいますが、今のところ科学的なエビデンスに基づいたはっきりとした根拠はでていないようです。

性別

新型コロナウイルスの死亡率を見たところ、男性のほうが死亡率が高いことが中国やイタリアのデータからわかっています。特に中~高年の男性の死亡率が高いようです。

武漢では女性の死亡率は1.7%だったのに、男性の死亡率が2.8%だったことが報告されています。イタリアでも感染者の致死率は男性が10.6%、女性が6%となっています。

英国の調査でも、新型コロナウイルスが重症化して集中治療室(ICU)に運ばれた患者の7割が男性だったという報告があります。

どうして女性より男性の方が致死率が高いのかは明確にはわかっていませんが、喫煙や飲酒が関係しているかもしれないと言われています。中国では男性の喫煙率が約50%なのに女性はわずか3%とその差が大きいのです。(喫煙との関係については後述します)

女性ホルモンの影響があるという可能性も指摘されていますが、確かなことはわかっていません。

年齢

新型コロナウイルスに感染する人は若い人にも多いのですが、重症化して死に至る人は圧倒的に高齢者が多いことがわかっています。

Death Rate by Age

もちろん、例外はあり、若い人や子どもでも重症化することはあります。子供は軽症で済むことが多いのですが、その中でも乳児は重症する割合が高いとも言われます。

中国の調査で、2143人の18歳未満の感染者を調べた結果によると、6%に当たる127人が重症化し、このうち2人が死亡しました。

このグループで重症化する割合を年齢別に分析すると下記のようになっています。

  • 1歳未満が10.6%
  • 1歳から5歳が7.3%
  • 6歳から10歳が4.2%
  • 11歳から15歳が4.1%
  • 16歳以上が3%

この調査結果を見ると、子どもの中でも年齢の低い子どもほど重症化する割合が高く、1歳未満では約1割が重症に至ることがわかります。

健康状態

既存疾患の有無

新型コロナウイルスは若く健康な人がかかると軽い症状で済むことが多いのですが、既存疾患がある人はリスクが高いと言われます。たとえば、高血圧、糖尿病、心血管疾患、呼吸器疾患、癌などの慢性疾患を持つ人々は、新型コロナウイルスにかかることで重症化し、死に至るリスクが高くなります。

コロナは呼吸器系の疾患を行き起こすため、喘息の症状のきっかけになり、肺炎になる可能性があります。

さらに、免疫システムが弱く免疫不全だとコロナに限らずさまざまな感染症にかかりやすくなり、一度かかると長期化しやすいのです。

中国での研究によると、すでに慢性疾患を患っていた感染者は重症化する割合がそうでない人の1.8倍だったというデータがあります。二つの慢性疾患を持っていたらその割合が2.6倍に上がります。

肥満

新型コロナウイルスの重症化リスクには肥満が要因となるという情報もあります。

米国ニューヨークの調査で、新型コロナウイルス患者4103人のうち、重症化し入院が必要になった1999人の中に肥満の人が多かったという報告があります。高齢者には肥満の人とそうでない人でそれほど違いは見られなかったのですが、54歳未満の成人の半分が肥満だったというのです。

さらにニューヨークの60歳未満の人を対象にした別の調査では、肥満の人はそうでない人の2倍の確率で新型コロナ重症化による入院が必要になったという結果が出ています。コロナ重症化リスクが高い高齢者でなくても、肥満の人は重症化する確率が高いのです。

ちなみにニューヨーク市全体の肥満率は22%なので、これと比べるとかなりの差が見られます。

このリスク要因は成人の42%が肥満であるとされる米国では特に深刻ですが、これは米国に限ったことではありません。英国でも新型コロナが重症化してICU(集中治療室)に入った患者のうち、死に至る患者の中でBMIが高い人の確率が高いと言われています。ICUに運ばれた患者の73.4%が肥満だったというのです。

112人を調べた中国の調査でも、死に至った17人のうち15人が肥満、または体重過多だったという報告があります。日本や多くのアジア諸国など肥満がそれほど問題でない国では、この病気で死に至るケースが比較的少ないのもこういった理由があるのかもしれません。

とは言え、肥満そのものが新型コロナ重症化リスクになるのか、肥満している人に多くみられる高血圧や糖尿病などの基礎疾患が重症化リスクになるのかということについてはまだはっきりとはわかっていません。

喫煙

性別でも触れましたが、喫煙の有無は重症化リスクの要因として考えられます。

喫煙者は慢性疾患を持っている傾向が多い上、肺の機能が低下しているためにコロナウイルスに感染した場合、肺が十分な酸素を供給できなくなる可能性が高いと言えます。

中国武漢で行われた調査では新型コロナウイルスにかかって重症化した患者には喫煙率が高い(27.3%に対して3%)という結果が出ました。

喫煙は新型コロナウイルスに限らず、様々な疾患の直接、間接的な要因となるので「百害あって一利なし」ですね。これを機会に喫煙率がさらに下がり受動喫煙の被害も減ることを期待します。

免疫抑制治療中の患者

がんなどの治療のための化学療法、ステロイド摂取、抗がん剤使用、透析、免疫抑制療法などを行う人も注意が必要です。

様々な疾患を治療するための化学療法の中でも、臓器が拒絶されないように免疫反応を低下させるための薬を服用する場合は、新型コロナウイルスに感染した場合、自己免疫力が低いために重症化リスクが高くなるのです。

人種別

米国では新型コロナウイルス感染者や死亡者には黒人が多いという調査結果があります。

例えばシカゴでは人口に占める黒人の割合は約30%なのにコロナによる死亡者は70%強だというのです。同じような傾向がニューヨーク、デトロイト、ニューオーリンズなどでも報告されています。

イギリスでは今のところ感染確認者にも死者数にも人種による偏りはありません。ただ、どちらかというと少数人種(BME)への影響が多めであるというデータもあります。

下記はBBCがイングランド、ウエールズ、北アイルランドの患者2000人を調査した結果です。

Corona Ethnicity

これはBBCが2000人をもとにまとめた統計で、コロナにより病状が重症化した人の35%が黒人や他の少数人種(BME)でした。全体の人口比率で言うとBMEと定義される少数人種の割合は14%ですが、ロンドンだけだとBME比は約4割です。

新型コロナウイルスの感染者や死者はロンドンなどの都市部で多く、これらは非白人が多く住むエリアなのでこういう比率になっているのかもしれません。

イギリスではまだはっきりとしたことは言えないとしても、米国で黒人にコロナ重症者・死者が多いのは明らかです。

これは、国民皆保険がない米国では医療にお金がかかるため、低所得者層は普段から健康に問題があっても医者にかからない人が多く、糖尿病や心臓疾患など何らかの基礎疾患を抱えている人の比率が多いためかもしれません。

また黒人は白人に比べ、オフィスでの仕事より接客など対人サービスなど感染症にはよりリスクが高い職業についている割合が高いこともあるでしょう。

米国でも英国でも、低所得層は狭い家やアパートなどに住む割合が高く、家庭内での隔離が難しいことも感染被害が大きいことの要因としてあげられます。

たとえば英政府統計によると、バングラデシュ系世帯の30%近くとアフリカ系黒人世帯の15%が、「過密」状態の住宅に住んでいる定義されています。

一方で、白人世帯の場合「過密」状態にあるとされるのは2%にとどまっているのです。

職業別

欧米諸国で白人より非白人が新型コロナウイルスに感染したり重症化する割合が高いのは、このような人たちがついている職業に大きく関係してくるでしょう。

コロナの流行で欧米諸国で厳格なロックダウンが導入する前の段階から、オフィスで働いている人の多くがリモートワークに切り替え、在宅で仕事をしています。

けれどもロックダウン前には開いていたカフェやレストランのスタッフ、今でも開いているスーパーや食料品店、薬局などの店員、公共交通機関の従業員、クリーナー、医療・介護スタッフなどは感染リスクにさらされています。

新型コロナウイルス治療に取り組み、感染して亡くなった医師や看護師などの医療従事者は少なくないし、バス運転手や介護施設の職員などでコロナに感染して死亡する人もいます。このような人々は仕事のためとはいえ、コロナ感染のリスクにもかかわらず国民に必要なサービスを与え続けているのです。

医療現場や社会機能の維持に欠かせないこうした職種の人たちをイギリスでは「キー・ワーカー」と呼んでおり、これらの人々の子供たちは休校中も学校に行くことができるほか、様々な優遇措置が与えられています。

通常は見過ごしがちな職業に就く人々がロックダウン中のイギリスでどんなに意義のある仕事をしているかということにみなが今更ながら思いをはせ、感謝の気持ちを表そうと毎週木曜日夜8時に拍手を送る行事が恒例になりました。

特に医療従事者には感謝の気持ちを表す人が多く、街を歩くと家々の窓や前庭にNHS(イギリス国民医療サービス)に感謝するレインボーのモチーフがあふれています。

イギリスNHS国民医療で働く5人に1人は、少数人種の出身だと言われています。医師や看護師に限れば、その割合はさらに高くなり、ジョンソン首相がコロナで重症になった時に「命を助けてくれた」と絶賛したICUの看護師はポルトガル人とニュージーランド人でした。

Brexitでもめにもめたイギリスでこれまで移民に反対してきた人々もこれをきっかけに移民に支えられているNHSその他のキーサービスについて考え直すきっかけになるに違いありません。

ウイルスは平等か?

「ウイルスは階級や貧富に関係なく誰にでもやってくる」というような風潮に反旗をひるがえして、BBC夜のニュースのメインキャスターであるメイトリスはニュース番組のオープニングでこのような強いメッセージを送りました。

新型コロナウイルスじたいは平等かもしれませんが、ウイルスに感染するリスクにさらされる割合が高い人とそうでない人がいます。

都市部の狭いアパートや高層住宅に住み、混雑する地下鉄やバスで通勤し、バス運転手やカフェでの接客業などの仕事をする人は、郊外や田舎の一軒家に住んでオフィスワークを在宅勤務でする人よりもリスクが高いのは一目瞭然です。

さらに、ロックダウン(都市封鎖)となった場合も同様です。

自宅の書斎で仕事をし、自分の庭で日光浴したり、人の少ない田舎道を散歩できる人に比べ、狭いアパートに泣き叫ぶ子供と一緒に住み、外気を吸いに外に出ても他人との距離が取れないほど混雑する公園に行くしかない人とではその影響も天と地の差でしょう。

私は日頃から家で仕事をしているし、イギリスの田舎に住んでいてあまり出かけることもないライフスタイルを送っているので、ロックダウンになってもそう苦痛に感ず、ラッキーだと思っています。

天気のいい週末などにロンドンの公園にたくさんの人が集まりすぎて警察がパトロールしなければならないといったことがあると報道されると「気持ちはわかる」と感じます。

まとめ

新型コロナウイルスで重症化しやすい人の特徴として下記の点があげられるようです。

  • 高齢者
  • 持病がある(高血圧、糖尿病、ぜんそく、心疾患など)
  • 男性が女性より多い
  • 肥満
  • 喫煙歴がある

日本では新型コロナウイルスによる感染者数も死亡者数もだんだんと増える傾向にあり、ここが踏ん張り時だということで緊急事態宣言が全国に発令されました。

けれども、日本の場合は諸外国の厳しいロックダウンに比べ「お願い」にとどまること、欧米諸国のように休業補償が充分でないために「自粛」を余儀なくされるビジネスにしわ寄せが行き、生計を支えるためにいやおうなく営業を続けざるを得ない事業者も出てきそうなことなど不安要素もあります。

とはいえ、日本には規律正しい国民性があるし、各国に比べこれまで死者を低く抑えてきた実績もあります。何とかここを乗り切ってほしいと願わずにいられません。

手洗いなど衛生面に注意し「三密」を避けて感染しないように、感染させないようにしてください。

忘れてはいけないのが、新型コロナウイルスは自分でも気が付かないうちに感染していて他の人にうつしてしまう可能性があるということです。症状がなくても、国民全員が自分も感染しているかもしれないと考えて行動をするのが大切だと思います。

これをきっかけに、基本的な健康状態について見直してみることもいいですね。禁煙はもちろん、充分な睡眠をとる、水分を補給する、栄養度の高いバランスの取れた食事を規則的にとる、適度な運動をするなどして、体を整えることも大切です。

私たち家族もロックダウンで運動不足にならないようにと毎朝の散歩を日課にしています。日本に行くといつも朝食前に散歩をする習慣があったのですが、今年の春休みはコロナ騒ぎでフライトをキャンセルせざるを得ませんでした。それでイギリスの自宅周りを朝ごはんの後で散歩することにしています。

今年の春はイギリスもいい天気。公園や野原、遊歩道、墓地などその日の気分で散歩コースを決めて30分から1時間くらいゆっくり楽しんでいます。

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