リンガ・フランカとしての英語 「通じればいい?」

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Lingua franca (リンガ・フランカ)とはフランク王国の言葉を意味するイタリア語に由来し、共通の母語を持たない者同士において意思疎通に使われる言語のことを指すようになりました。たとえば、イスラム帝国の成立により中東や北アフリカでリンガ・フランカとなったのがアラビア語。中国をはじめ日本、朝鮮、モンゴルといった東アジアでは古代中国の漢文が長く書き言葉としてのリンガ・フランカの役割を果たしていました。

現代のリンガ・フランカ

ローマの公用語であったラテン語がヨーロッパの広い地域で使われていたのは昔のことですが、今でも学術用語において使われています。

そして、今現在リンガ・フランカとして国際的に使われているのが英語です。英語を第一言語とする人の数は3〜4億人ですが、第二言語とする者を合わせると10億人を超える人口に話されているということです。世界の人口は70億人と少しとされているので、世界人口の七分の一の人が英語を話すというわけです。

実際、ヨーロッパ諸国をはじめ世界のあちこちに旅行したり、様々な国の人と意思疎通をする時、英語が話せることがどれだけ助かるかと考えると日本語の次に得意(というかそれだけしかできない)な言葉が英語でよかったと思わざるを得ません。

これまでヨーロッパ諸国、トルコ、エジプト、インドなどいろいろな国に行って日本語が通じたことは一度もありませんが、基礎的な英語ができれば何とか旅行はできました。この場合、意思疎通のための英語ですから、発音やアクセントがさまざまでも、文法や単語の使い方が多少怪しくても自分の言いたいことを相手に伝え、向こうが言うことを理解さえできればOKです。

数十年前にフランスに行ったときは、英語で話しても無視されることが多かったのですが、最近はプライドの高いフランス人でさえも外国人には英語で話してくれるようになったのも時代の流れだなと思います。隣国であるフランス人とドイツ人が英語で意思疎通をするようになってきたのですから。

イギリス人は外国語が苦手

こういうわけで、イギリス人を始め、アメリカ人、オーストラリア人など英語を母国語とする人は実に得をしているわけです。何せ、自分は外国語を勉強しなくても、どこに行っても相手が英語を話そうとしてくれるのですから。それで、イギリス人には外国語が苦手な人が多いし、だいいち外国語を学習しようとする努力さえしない人もいます。

学校では第一、第二外国語を教えているのですが、それにも身が入らない人が多いようです。何しろ、どこに行っても周りの人がみんな英語で話してくれるのですからそれが当たり前になるんですね。それってフェアじゃないなと思うし、言葉の帝国主義といえばそれまでですが、今更リンガ・フランカとしての英語に匹敵する言語が出てくる気配はない(エスペラント語も下火になってきたし)ようなので仕方ありません。

どうしたら英語ができるようになる?

ところで、日本では私がイギリスに住んでいるというと「英語ぺらぺらなんでしょう、いいですね。」とかいわれますが、長く住んでいるので当たり前ですよね。日本人には英語を話せるようになりたいと言う人が多いし、英語学習熱も高い。学校でも最近は小学校から中高大学と英語を勉強しているわりには実際に英語を流暢に話せる人が少ないようです。受験英語ばかり勉強しているからだとか、実際に会話をする機会がないからだとかいろいろ理由があると思いますが、結局何の目的で英語を勉強したいかが明確でないからなのではないでしょうか。

どんな英語を学びたいのか

リンガ・フランカとしての英語を身に付けたいのなら意思の疎通ということだけ考えて学習すればいいのだし、そうではなく英文学を理解したり、学術論文を英語で書く必要があるのならそれなりの学習方法を選ぶ必要があります。そして、そのどちらにも大切になるのが自国語としての日本語で自分の感想や意見を人に伝える能力です。いくら英語の発音が完璧でも中身のない話をぺらぺらとするだけではコミュニケーションはできません。イギリスでもアメリカでも同じだと思いますが、自分独自の意見や感想を持つ、そしてそれを的確なシチュエーションで効果的に表現するということができれば、少しくらい発音がなまっていても問題はありません。要は、相手が「聞きたい、わかりたい」と思ってくれるような話ができるかどうかが重要なのです。それが日本語でもできない人がいくら英語を勉強しても時間の無駄ではないかと思います。

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