イギリスのお金がなくても幸せな生き方

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Wellies

イギリス人の休日の過ごし方って貧乏たらしいって知ってましたか。とにかくお金を使わないのです。特に貧乏な人でなくても、多くの人は近所にお散歩に行くというのがお決まり。まあ、犬を飼っている人も多いので、散歩に行かざるを得ないということもあるかもしれません。週末には家でDIYをしたり庭仕事をするという人も多いです。
そうでなければ家に家族や友人を招待してお茶や食事(夏はバーベキュー)、または近所のパブに出かけてビールを飲むくらいでしょうか。

お金の使い方が違う

イギリス人の給料がそんなに多くないということもあるかもしれませんが、ミドルクラスくらいの人でもそうなので、どうやらお金の使い方が日本人とはちがうようです。日本では「衣食住」といいますが、イギリス人の場合は「住」が主であとは優先順位がずっと下がります、特に「衣」がそうでしょうね。とにかく家(と庭)にお金を使うのです。それに1年に1,2回行くホリデーにも。あとは人によっては車くらいでしょうか、日本人ほど新車志向ではないけれど。それ以外は質素です。休日にお金を一銭も使わないということも多いのではないでしょうか。

日本人は週末になるとショッピングに出かけたり食べ歩きをしたりしますね、レジャーというとお金がかかるものと決まっています。外に遊びに行くのでもディズニーランドやUSJなどのテーマパークやアトラクションに行き、日帰り旅行でも出かけるとお土産を買って帰ります。が、イギリスはそういうレジャーが少ないです、あるにはありますがどちらかと言うとワーキングクラスの人が行く感じでしょうか。裕福な人ほどカントリーサイドにウォーキングやバードウォッチングに行くのでほとんどお金がかかりません。もちろんもっとお金持ちになると乗馬やゴルフなどを趣味とする人もいますが。

質素なイギリス人

イギリスに来たばかりの頃、イギリス人のあまりの質素さに驚きました。特に服装がさえないのに。学校の先生がいかにもや安物の合成皮革でできた靴にこれまた安物のナイロン性のウィンドパーカのようなものをコート代わりに着ているのを見てがっかり。イギリス紳士と言うものはバーバリーのトレンチコートとかウールコートにピカピカの革靴を履いてアンブレラを持って歩くのだと思い込んでいたので。女性の服装も同様なので、私自身もおしゃれする意欲がだんだんなくなっていきました。

日本にいた若い頃は私もショッピングが大好きで都会に憧れていましたが、イギリスにずっといると(年をとったからという理由もあるが)今はお買い物はどちらかと言うとしなくてはならない雑務のような感じがします。それよりも庭仕事をしたり、公園に行ったり、田舎でウォーキングやサイクリングを楽しむとき、ビーチで砂遊びをするとき、野生のブラックベリーを積んでジャムを作るときなど、しみじみと幸せだなと感じます(天気が悪くない限り)。また、うちはあまり得意ではないのですが、家のペンキ塗りをしたり、IKEA(日本でもおなじみですね)で買ってきた家具を組み立てたり、はたまたガレージの整理をしたりして休日を過ごすのも、家族みんなで力を合わせて(時々罵り合いながら)やったという共通の達成感も思い出もできます。

バブル世代の日本

私は日本の高度経済成長期からバブルの時期を経験してきた世代で、子供の頃から「今より将来は良くなる」ということを当たり前に受け止めてきました。特に貧乏でもお金持ちでもない「中流」の家庭でしたが、欲しいものはなんでも買ってもらえていたと思います。それなのに私は子供の頃遊園地などへ行ったあと、子供心になんとなく虚しい気持ちになったのを覚えています。若い頃は友達と都会にショッピングに行くのが楽しみで、今思えば無駄なものにお金を浪費してきました。そして、お金を使っても満たされない、ほしいと思ったものを手に入れてもそれが何もならないといった虚しい感がありました。

日本ではバブルが弾けてからずっと経済が停滞していますね。イギリスから日本に里帰りするたびにそういう状況を見てさびしくなります。たまに日本の田舎に旅行に行きますが、シャッターが降りたままの商店街、廃校や人が住んでいなさそうな家が目につく村なども見てきました。そして、近頃の若者の話を聞くと悲観的なこと、諦め感がただよっていることに驚くことがあります。私達が子供だったときはお気楽なものでしたが、今の状況に育つ若者は将来に対しても現実的にならざるを得ないのでしょうね。

でも、バブルの頃の日本のことを思い出してみると、日本中が浮足立って、いかに無駄にお金を使っていたかを考えさせられます。そして、あとになって考えると、それが何になったんだろうと。思えばあの頃にふるさと創生事業っていうんでしたっけ、政府が全国の市町村に1億円を配ったことがありましたね。地域振興のため何に使ってもいいということでしたが、「税金の無駄使い」と呼ばれるような使い方をした自治体も少なくなかったと言われています。そして、各自治体が1億円をどのように使ったのか政府が報告をまとめたり、その経済/社会効果を調べたりといったこともされなかったようです。あの頃そんなに税収が余っていたのなら、政府が長期的な視野に立って国に必要な事業のために使うこともできたのではないかと思うのですが。

バブル後の日本

去年日本に帰ったとき、若い友人に会いました。30代前半の小さな子供を持つお母さんです。それまでは働いていましたが、出産を機に会社をやめたので今では夫君の給料だけで暮らしているので大変なんですと言っていました。子供を産むのも計画的で、それまでに働いて小さいながらもマンションを購入してから出産するようにしたそうです。その生活ぶりは質素でしかも地に足がついていると感心しました。夫君は普段仕事が忙しく帰宅は子供が寝たあとになってしまうので、休日に親子3人で公園で遊んだり、近くに住む両親の家を訪れるのが楽しみだそうです。

私が子供の頃、父親は働いてばかりで一緒に食卓を囲んだり遊びに行ったりした記憶があまりありません。今思えばあの世代の父親というものは給料だけ持って帰ってくる影の薄い存在だったようで、家族というのは母と子供だけだったような感じがします。お休みの日は母と子供2人だけでデパートなどにお買い物に行ってランチを食べていた思い出があります。

今はイギリスで自分が母親になっていますが、家族みんなで朝と夜一緒に楽しく食卓を囲む、休日には家族で、また友達と一緒に散歩やサイクリングに出かけるという地味な生活で満ち足りた毎日です。一緒に日本に帰ることも、今年はどこに行こうかと家族で計画する夏のホリデーも心温まる思い出になっていて、すっかりイギリス人ですね~。服装が質素になってしまっているのも。

日本もバブルがはじけたおかげで、「普通」の幸せで満足という地に足のついた世代が大人になってかえってよかったのかもしれません。バブルの頃、もっと働いてもっと儲けようとか、不動産や株に投資しなければとあせったり、儲かれば儲かったで浮かれて無駄なことに浪費したりことが日本人を幸せにしたでしょうか。

これからは日本人もイギリスのお金持ちや没落貴族のように、ゆったりとお金のかからない趣味を楽しんでください。働きすぎず頑張りすぎず日々の生活をたいせつにしてささやかな幸せをかみしめましょう。

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