Last Updated on 2021-12-12 by ラヴリー
最近日本でファッション雑誌とかで目にした人などから、よく聞かれるのが「’taupe’ っていうのはどんな色ですか」という質問です。そもそも発音方法も分からないという人も多いようです。日本での解釈もさまざまだったりするので、ちょっとここで写真つきで説明しますね。(2020年1月更新)
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Taupe の発音は「トープ」
ファッションやインテリア業界などで洋服やデコレーションの色を表すのに英語で ‘taupe’ と言う言葉がよく使われます。聞きなれない言葉だけどどういう色なの、第一どういう発音なのかもわからない、と思う人も多いようです。
まず、英語の発音ですが、「タープ」ではなく「トープ」と言った方が近いです。けれども日本ではカタカナで「タープ」と書かれている場合もあるかもしれませんのでご注意を。
トープはどんな色味?
それでは、トープとはどんな色なのでしょうか?
一言で言うとニュアンスのある中間色で、グレイがかったブラウン、またはブラウンがかったグレイといったところでしょうか。ブラウンといってもキャメルやタンカラーのように黄色がかっていなくもっとクールなトーンになります。日本では「グレージュ」という表現をするときもありますが、それと同じようなものといってもいいでしょう。
英語で’taupe’という言葉は、もともとはモグラ(Mole) のフランス語 (taupe) または、 ラテン語 (talpa) から来ている名前だそうです。
もともとはこの写真にあるようなモグラの色のことをさしていました。
その後その解釈は広がり、一口に「ト-プ」といってもいろいろなトーンに色に使われるようになりました。
なので、英語で普通に使われる ‘taupe’ がかならずしもこの写真のモグラ色だけをさすわけではありません。
グレイに近かったりブラウンに近かったり、ほんのりピンクが混じったもの、ブルーグレイ系のクールな色。
また、トーンも明るいものから暗いものまで、トープと形容されることがあります。
トープカラーの使い方:ファッション
色としてはブラウン系にもモノクローム系にもしっくりするのでファッションコーデに使いやすい色が多いです。
たとえば、ブラウン系のコーデネーションにグレイを合わせるとちぐはぐな感じがするし、逆にブラックやグレイに黄味がかったブラウンはしっくりきません。トープカラーなら、そのどちらでも合うので重宝します。
たとえば、高価なコートなど色違いで何枚もそろえるのが難しいアウターにトープカラーのものを選ぶといろいろなコーデに合わせられます。それだけでもシックでエレガントですが、ポイントに明るい色や柄のスカーフ、ファー小物や存在感のあるバッグなどを合わせると表情を変えることができます。
taupe カラーはバッグやお財布、靴などの小物にもよく使われます。お財布の場合は色を合わせなくても大丈夫ですが、バッグや靴の場合、気をつけて選ばないと全体のコーディネートが台無しになってしまうこともありますね。
たとえば、全体をモノトーンでまとめ、靴も黒を選んだ場合、バッグだけブラウンだと何となく浮いて見えるものですが、これがグレイの混じったトープカラーだとすんなりまとまります。逆にブラウン系でコーデするときに真っ黒のバッグや靴ではちょっと強すぎる感じがするものですが、トープにするとソフトで落ち着いた印象になります。
いわずと知れたフランスのラグジュアリー・ブランド、エルメスにもエトゥープ ‘etoupe’ と呼ばれる人気カラーがありますが、これがフランス語で言うトープ色です。
バーキンに代表されるエルメスの定番バッグの中でもエトープカラーのものは特に人気があるというのも、うなづけますね。エルメスらしい風格とエレガンスを兼ね備えた色というだけでなく、どんなシーンやファッション、持つ人にもしっくりくる色合いなので世代を超えて愛される色となっているのでしょう。
トープカラーの使い方:インテリア
インテリアデザインは洋服と違って毎日着替えるわけにはいかず、1年中、そして何年も同じものに囲まれることになるので、慎重に選びたいものですが、こういう場合にもトープ色は重宝します。たとえば、カーテンや壁の色など広い面積を覆うところにトープ色を使い、ボーダーやクッション、家具などでアクセントをプラスすると、落ち着いた空間が出来上がります。
バックグラウンドがニュアンスカラーで主張し過ぎない上にどんな色とでも相性がいいため、そのときの気分でさまざまなアクセントカラーを小物で補うことによって、気軽に雰囲気を変えることもできます。
イギリスではインテリアに凝る人が多く、DIY ショップなどに行ってペンキの色カードを片手にあれこれ比べては選んでいる人をよく見ます。一口にトープといっても、さまざまなトーンのペンキがあってあれでもない、これでもないと考えるのも楽しそうです。
ペンキだけでなく、壁紙やカーペット、カーテンなど面積の大きいスペースを同じトープ系の濃淡違いでまとめ、クッション、ベッドリネン、小物など気軽に模様替えできるアイテムでアクセントをつけると、落ち着いた中にも個性的なインテリアができあがり。
まとめ
トープ色という名前はついていなくてもこういうニュアンスがある中間色はいろいろなシーンで使えるすぐれものですね。「モグラ色」と言ってしまうとちょっと印象がよくないかもしれませんが、使い方次第でさまざまな顔をみせてくれるカラーなので、ぜひ使いこなしてみたいものです。
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