カマラ・ハリス:米国初の女性・黒人副大統領となるのはどんな人?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
Kamala Harris

米国大統領選で民主党のジョー・バイデン候補の当選が決まり、副大統領としてカマラ・ハリス上院議員が就任することになりました。女性としても、アフリカ系、アジア系の候補としても米国としては初の副大統領誕生ということで注目されていますが、カマラ・ハリスとはどんな人なのでしょうか。

米国大統領選

米国では2020年11月3日に大統領を選出するための選挙が行われ、民主党候補のジョー・バイデンが現職で共和党のドナルド・トランプをやぶり、次期大統領に決まりました。

ジョー・バイデンはオバマ大統領の副大統領を務めたベテランで、政治家としての歴史も長いだけあって77歳と高齢です。74歳のトランプ大統領と並び「高齢者同士のあらそい」と陰口をたたかれることもありました。そのバイデンが選挙戦でともに戦う副大統領候補として選んだのはカマラ・ハリス上院議員でした。

副大統領は個別に選挙があるわけではなく、バイデンが大統領になると自動的に決まります。これで、2021年に就任する米国の副大統領は史上初めて女性ということになったのです。さらに、これまでの副大統領はすべて白人男性であったため、黒人系、アジア系としても初の快挙となります。

そんなカマラ・ハリスとはどんな人なのでしょうか。

カマラ・ハリスってどんな人?

フルネーム:Kamala Devi Harris

生年月日:1964年10月20日 (年齢56歳)

出生地:オークランド(カリフォルニア州)

母:シャマラ・ゴパラン Dr Shyamala Gopalan  科学者
父:ドナルド・ハリス Donald J. Harris  大学教授
妹:マヤ・ハリス Maya Harris 弁護士
夫(2014年~):ダグラス・エムホフ  Douglas Emhoff 弁護士

職業:検事、サンフランシスコ地方検事(2004~2011)カリフォルニア州司法長官(2011~2017)

政治キャリア:民主党カリフォルニア州上院議員(2016~)

教育:ハワード大学(BA)、カリフォルニア大学 Hastings (JD)

生い立ち

カマラ・ハリスはインド人の母、ジャマイカ出身の父を持ちます。母ゴパランは19歳の時インドから米国に留学し、カリフォルニア大学バークリー校で公民権運動参加中にジャマイカ人のドナルド・ハリスに知り合い、1963年に結婚しました。

ゴパランは科学の博士号を取得したのち、米国やカナダの大学で研究者として働きました。父のドナルドは経済学専攻で、のちにスタンフォード大学の名誉教授になっています。

夫妻はカマラと3歳違いの妹マヤを授かりましたが、カマラが7歳の時に離婚し、姉妹は母に育てられました。母親は二人が黒人の血を持つことを理解し、父親とも定期的に行き来していました。

この写真は母がカマラとマヤを連れて毎週通っていたブラック・カルチャー・センターに行く時の様子です。

 

View this post on Instagram

 

A post shared by Kamala Harris (@kamalaharris) on

カマラの母はがん研究を続けていて、カナダの大学で働いていたこともあり、その時3人はモントリオールに住んでいました。

努力家で研究熱心だった母は研究のかたわら、公民権運動もずっと続けていました。非白人学生を助けるための様々な活動をしたり、自らが研究していた乳がんを患う女学生にカウンセリングボランティアもしていました。

自分のことだけでなく不運な境遇にいるほかの人のことに思いをはせ、手助けをすることの重要さを母から学んだとカマラは語ります。

カマラの母は2009年に70歳でがんのため亡くなりましたが、その公助の精神はカマラに受け継がれているようです。

教育とキャリア

カマラはワシントンのハワード大学に入学。かのトニ・モリソンも通った名門黒人大学です。在学中は連邦上院でインターンを経験するなど、のちのキャリア形成のもととなる経験も積みました。

ハワード大学を卒業してからはカリフォルニア大学のロースクールに進み、司法試験に合格して弁護士の資格を得ます。

その後は検事として働き、検察分野でキャリアを重ねていきました。そして、2003年にはサンフランシスコの検察トップである地方検事となり、このポストを2期務めました。

さらに、2011年にはカリフォルニア州の司法長官のポストにつきました。アフリカ系の女性としては初の司法長官就任という快挙ということで、このころから彼女は先駆者であったのです。

政治キャリア

カマラ・ハリスは2016年の上院選選挙で当選し、2017年からカリフォルニア州選出の連邦上院議員となりました。このとき、米国で黒人女性が連邦上院議員になるのは史上二人目でした。現在は上院議員で唯一の黒人女性です。

検事出身という経験を生かし、野党議員として、トランプ大統領をはじめ政府与党を痛烈に批判したり、厳しい質問を浴びせて頭角を現しました。

連邦最高裁判事に指名されたカバノー判事の承認公聴会で彼の性暴行疑惑について厳しく追及していたことや、ロシア疑惑をめぐる公聴会でトランプ政権に厳しい質問を浴びせていたことも記憶に残ります。

2019年初めには、2020年大統領選に向けて民主党候補代表出馬を表明しました。予選中はライバル候補であったバイデンに対しても人種差別的な議員と協力したことがあることなどと厳しく批判をしたりもしていました。

けれども、民主党候補としてはサンダース、バイデンなど手ごわいライバルが多くいる中で彼女への支持はあまり得られませんでした。

カマラ・ハリスは支持が低迷していた2019年末には出馬を取りやめ、バイデン支持に回りました。そのバイデンは晴れて民主党の大統領候補に選ばれたあかつきに、候補選ではライバルとして自らを鋭く批判していたカマラ・ハリスを副大統領候補に選んだのです。

夫の子供と前妻とも仲良し

カマラ・ハリスは2014年にユダヤ系の弁護士であるダグラス・エムホフ(ダグ)と結婚しました。出会いは知人が仕掛けたブラインドデートだったのですが、すぐに気が合い1年の交際で結婚に至ります。

彼はカマラの選挙運動キャンペーン中も熱心に活動したサポーターでもあります。カマラが副大統領となったあかつきには「セカンド・ジェントルマン」として活躍するのでしょう。

ダグは再婚で前妻との間に二人の子供、コールとエマがいます。(ジャズミュージシャンのジョン・コルトレーンとエラ・フィッツジェラルドにちなんだ名前だそう)

カマラとダグが再婚した時、義理の娘と息子はティーンエイジャーだったのですが、家族関係はとてもうまくいったようです。二人の子供は彼女のことを「ママラ」というニックネームで呼び、すぐに溶け込めました。

今は二人とも大きくなって家を離れていますが、日曜日には家族でZOOMコールでおしゃべりしています。

 

View this post on Instagram

 

A post shared by Kamala Harris (@kamalaharris) on

また、カマラはダグの前妻である、映画プロデューサーのカースティン・エムホフとも友人関係になっています。

二人は子供のエマが高校性の時、スポーツの試合で一緒に応援することもあったとか。

カースティンは自らのインスタグラムでカマラ・ハリスが「粘り強く、正直で、正義のために立ち向かう人です。」とカマラの選挙戦を応援していました。

大統領選勝利スピーチ


カマラ・ハリスは大統領選の勝利が確定した11月7日に勝利を宣言するスピーチを行いました。

堂々と、そして笑顔で明るく語り掛けるそのスピーチは、力強くしかも前向きで心打たれるものでした。

過去4年間でアメリカの魂が危険にさらされました。

けれども、みんなの力で私たちは民主主義を取り戻すことができました。

民主主義はいつもそこに当然のようにあるものではなく、たたかって守り抜くものです。

この、民主主義そのものが問われた選挙で、あなた方ははっきりと選んだのです。

希望、団結、良識、科学、そして真実を。

このスピーチで彼女は19歳の時にインドから米国にやって来た、今は亡き母について語りました。

その母親が女性として、アジア系非白人の移民として、米国で歩んできた道のりに思いをはせ、同じようにこれまで彼女の前を歩んできた何世代もの女性たちについて感謝の意を表しました。

母はこんな日が来るなんて想像しなかったかもしれないが、こういう瞬間がこの国では可能であることは知っていました。

何世代もの女性たち、黒人女性、アジア系、白人、ラティーナ、アメリカ先住民の女性たち、アメリカの歴史を通じて今日この瞬間までの道のりを作ってきてくれた女性たち。

平等と自由、正義のためにたたかい、そのために多くを犠牲にしてきた女性たち。

とくに見過ごされがちな黒人女性たちは、彼女たちこそが民主主義の真髄だと身をもって教えてくれました。

100年以上もの間、投票権を獲得し守るために戦ってきた人たち。

そして今、米国に厳然と存在する障壁をうちこわして女性を副大統領に選んだジョー・バイデンの勇気。

それから、彼女はスピーチを見ている次の世代の女の子たちにもメッセージを送るのです。

カマラ・ハリスのアイデンティティは

カマラ・ハリスは黒人とインド人を両親に持つということで、そのアイデンティティについて何度も質問を受けると語ります。

それについての答えはシンプルに「私は私です。」

これは大坂なおみメーガンマークルをはじめ、同じようなバックグラウンドを持つ多くの人が抱いている共通の感情ではないでしょうか。

「黒人」とか「インド人」とか、他人が勝手に決めた枠に押し込めようとする画一的な分類に対する抵抗心です。

彼女はこう語ります。

人は何かと私を特定の人種グループにカテゴライズしようとする。

でも、私は他の誰かが作った小さな仕分けの中に無理やり入れられたくない。

私は私であり、私はそれで満足している。 誰が何と言おうと関係ない。

その上で彼女は米国で多数派の白人ではないというアイデンティティは意識しています。

米国内の人種多様性を体現する自らの出自を生かして、社会で隅に追いやられた弱者を代弁することができると語るのです。

米国初の女性大統領の可能性

今回の選挙で米国大統領に選ばれたのはジョー・バイデンですが、アメリカ合衆国の長い歴史から考ると、もっと重要なことはカマラ・ハリスが副大統領となることだと言えるでしょう。

これはオバマが米国大統領になったのと同じくらいの出来事と考えることもできます。

トランプという、保守白人男性を見事に象徴するような大統領に率いられた共和党政権の後にくる政権ということで、そのことはことさら対照的です。

来年78歳となるジョー・バイデンは高齢でもあり、大統領を1期4年しか努めないのではないかとも予想されています。

そうなると4年後の2024年の大統領選ではカマラ・ハリスが後継者として民主党大統領候補となり、米国初の女性大統領になる可能性も出てきます。

4年前に同じ民主党候補のヒラリー・クリントンが成し遂げることができなかった快挙をカマラ・ハリスが果たすことができるでしょうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

Adsense




イギリスおすすめ格安SIMカード:giffgaffは月6ポンドから(£5クレジット付)

Get a free giffgaff Sim

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください