無痛分娩のリスク?キャサリン妃の場合とイギリスでの体験談

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Last Updated on 2022-08-11 by ラヴリー

最近、無痛分娩のリスクについて日本で取り沙汰されているのを知りましたが、 「無痛分娩で母死亡、子に重い障害 今度は神戸 」その報道が不必要に不安をあおるものではないかと心配になりました。イギリスでは無痛分娩は普通におこなわれており、かのキャサリン妃もそうだと言われています。

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無痛分娩:海外では当たり前

欧米では無痛分娩は普通におこなわれ、フランスでは74%が以上が無痛分娩ですが、日本では2.6%にしかすぎないということです。日本での無痛分娩の確率ってこんなに低かったのかと、逆にびっくりしました。だって例えば歯医者さんに行って歯の治療をするとき、痛いのが最初からわかっているなら普通麻酔してもらいますよね。「みんなが我慢してるんだから」とか「その痛さを通り越してこそ」とか精神論をふりかざして痛いのを我慢する人はいないんじゃないでしょうか。

イギリスでも、ヴィクトリア女王の頃から無痛分娩があったというほど普及しています。
無痛分娩を選ぶかどうかということは、原則としては出産する本人の希望によるということになっていますが。

キャサリン妃がシャーロット王女を出産したとき早朝に入院し、出産後その日の夕方に退院したことをご存じの方もいるのでは?第一子のジョージ王子のときには入院から出産まで半日、退院は翌日でしたが、無痛分娩で体力を消耗していないからこそあんなに早く回復できたのだと察します。

イギリスでは医療は通常NHS(National Health Service)という国民健康保険で行われ、医療サービスが基本的に無料です。キャサリン妃のように裕福な層はプライベートの病院を利用する人もいますが、大多数はNHSですませます。私もNHSにお世話になりましたが、無事に元気な子供を産みました。妊娠中の検診から出産費用、入院費用に至るまですべて無料なので金銭面での苦労がないのはありがたいことです。

出産計画とは?

NHSでは妊娠中にBirth Plan (出産計画 )というのを用意するように言われました。出産時の希望を予め書いておくというもので、基本的な情報(ホームドクターの名前とか、血液型とか健康状態)、どういう形式で出産したいかの希望(自然分娩、帝王切開、水中出産など)あとはかなり具体的に陣痛時、また分娩時はどういう姿勢をとりたいか、陣痛促進をしてほしいか、鎮痛方法はどういうものがいいか、会陰切開についての希望、はたまた出産後へその緒は誰に切って欲しいかまで、ありとあらゆる希望を書いておきます。

また、原則としては自然分娩を希望していても何らかの理由で途中で帝王切開が必要になったときの希望もいちおう書いておきます。全身麻酔なのか、下半身だけ麻酔で意識がある状態でいたいのかなど。

出産というものはその時にならないとどうなるかわからないので、すべての希望がその通りになるとは限らないし、自分自身でも実際にお産になったときに気が変わるということもあるでしょう。なので、あらかじめいろいろな選択肢を検討してまとめておくことでいざという時にあわてず、医師や助産婦に適切な意見や質問をすることができるし、書類にしておくことで自分自身が説明できない状態にあっても関係者の理解が得られます。

私の場合、妊娠中のエコーは2回だけとかわりに簡単なものでしたが、特に問題がなかったからです。その頃の希望としてはできたら自然分娩、水中出産とかしてみたいと思っていたのですが、現実は思い通りにはいきませんでした。

出産間際まで子供が逆子のままで、自然分娩ではリスクが大きいということで帝王切開をすることになりました。硬膜外麻酔 (epidural anesthesia)と呼ばれる下半身以下の麻酔をしての帝王切開出産です。いちおう意識はあるということでしたが、体力が消耗していたためか、誕生の瞬間をぼんやりとしか覚えていないありさまです。それでも、元気な子供が産まれ私自身も順調に回復していき、キャサリン妃のようにさっそうと1日で退院ということはできませんでしたが、1週間ほどで退院しました。

産みの苦しみを神聖化?

子供は1人しか産まなかったので、結局私は自然分娩の出産の痛みは経験していません。でも子供を見た途端、私の中のどこにあったの?と自分でも驚くくらいの母性愛が爆発してしまいました。日本ではよく出産の痛みを神聖化して、お腹を痛めて産んだ子供だから愛情がわくとか、精神論で耐えましょうというようなことをいいますが、それって神話に過ぎないんじゃないのと思いました。あまりに痛かったり辛い目にあったら逆効果で、子供を可愛いと思う余裕もなく、無痛分娩で体の回復が早く出産直後から余裕を持って子供に接することができるのではないでしょうか。

日本での無痛分娩についての記事には「無痛分娩で出産の母死亡」「無痛分娩の麻酔で脳性麻痺の可能性」というように、無痛分娩のリスクがそうでない出産方法よりも大きい印象を与えます。なんだか痛みを避けようとした母親への罰のようにも聞こえます。

しかし、統計的にみて無痛分娩で出産時の事故が増えるという傾向はみられないし、脳性麻痺が多くなっているとも言えないということです。日本では無痛分娩の確率が低いので、たまに事故があったら大きく取り上げられるということもあるのではないでしょうか。また、全国的にみてまだまだ無痛分娩の経験が少ないため、体制が整った医療機関を選ぶことが大切ではあると思います。まあ、子供1人生むのだから無痛だろうとなんだろうと多少のリスクはつきものですが。

出産を怖がらないで

ということで、世の中の女性たち、出産を怖がらないで、かわいい赤ちゃんを産んでください。痛いのが不安なら無痛分娩の体制が整った病院を探して相談してみてはどうでしょうか。痛いのが嫌だから子供を産みたくないと思うのはわがままだという向きもあるようですが、ナンセンスです。痛いのを我慢する必要はないし、国際的にみてそれは普遍的なことでもなんでもありません。(日本の少子化ってこういうのも背景にあるのかも?)

「私の勝手でしょ、別に子供欲しくない。」と思ってる人もいるでしょう。私もずっとそうでした。

だって子供産むなんて痛そうだし、産んでからの苦労も大変そう。キャリアを台無しにしたくないし、自由に遊ぶ時間だってほしいと思っていました。

結局出産を決意したのは「今、産んでおかないと後で後悔するかも」という消極的な理由です。恋愛も結婚もおばあちゃんになってもできるけど、出産は年齢制限があるから。

で、結果としては?本当に産んでよかったということです。だから「悪いことは言わないから考えてみてね」と先輩からのアドバイス。

 

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