ギリシャサントリーニ島観光の穴場:アクロティリ、フィラ、イア、カマリ

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Santorini

ギリシャ、エーゲ海に浮かぶサントリーニ島は白と青のコントラストが映えるポスターのような風景で世界的に有名なリゾート、夏は世界中からホリデー客が訪れます。小さな島なので駆け足で絵葉書の風景だけを追う人もいますが、ゆっくりビーチで過ごすホリデーもいいものです。また、一般にはあまり紹介されていないおすすめの観光スポットを紹介します。


サントリーニ島とは?

サントリーニはギリシャの数多い島の中でも美しい島として有名。火山のフィラ島の噴火で古代のマグマ爆発で吹き飛んだ5つの島がリング状に連なっています。地中海の陽光と乾いた天候に恵まれ、カルデラ地形の美しい海岸、海水浴に最適のビーチ、青と白のコントラストが映える教会をはじめとする建物の風景がまるでポスターのようで、誰でも一度は行ってみたいと思うようなところ。

とはいえ、実は私はホリデー客しかいないようないわゆるリゾート地には興味がなかったのです。でも、数年前にアテネの国立考古学博物館に行ったときに見た壁画によってこの島に行ってみたいと思いました。

サントリーニでは紀元前1500年頃に火山が噴火したのですが、その前にたくさんの人が住んでいてその建物などは火山灰に埋もれてしまいました。その火山灰が古い建物やその中に残されたものを守ってくれて、最近になって発掘されたのです。

その出土品の中にはかつての邸宅の壁を美しく飾っていたフレスコ画があり、それがアテネの考古学博物館に展示されていたのでした。それは少年2人がボクシングをしている絵で、3500年以上前の物とは思えない色彩の、生き生きとしたものでした。これを見たときにサントリーニ島にいつか行ってみたいと思ったのです。

そのサントリーニ島に行ってきたのでおすすめの観光スポットなどをご紹介します。

フィラ

フィラはサントリーニ島の中心地となる港町で、島のあちこちに行くバスもすべてここから出ています。観光客が必ず訪れる場所でホテル、飲食店、お店が無数にありカメラやスマホを持った人たちが世界中から集まるホットスポット。クルーズ船が止まるところでもあり、ここからはさまざまな観光ボートツアーも出ています。

フィラの街を海沿いに北に行ったフィロステファニのあたりは静かだと聞いていたのですが、今では開発がリボン状に伸びているようでここもフィラの続きといった様子。陽光に輝く青と白の風景は絵葉書のようにきれいでインスタ映えすることはまちがいなく、観光客が思い思いにカメラやスマホでぱちぱち。そういうところが私にはちょっと辟易する感じでした、自分もそんな観光客の1人とはいえ。

イア

イアはフィラからバスで30分はかかる島の北西のはずれにあるので静かなところかと思いきや、フィラとあまり変わらない感じでホテル、飲食店、お店、そして観光客でいっぱいです。

ここは高台から眺める夕日が美しいと有名なところ。海に突き出た城壁やサン・セット・ヴューを売り物にするレストランやバーで食事やドリンクを楽しみながら海に落ちる夕日を楽しめるということなのでそのつもりで午後の遅い時間に行きました。

午後3時頃乗ったフィラからのバスは人で一杯でした。イアの街をしばらく散策して海の見えるカフェテラスでゆっくり休憩。けれども夏の日は長く、陽はなかなか暮れません。それに、夕日を見るまでここにいたら帰りのバスは人が多すぎて乗れないのではとも思ったので、私たちは陽が落ちるまでにここをあとにすることにし、サンセットを見ることはあきらめました。

カマリ・ビーチ

今回はサントリーニの東岸にあるカマリ・ビーチのそばのホテルに滞在しました。フィラやイアがある西側は火山が噴火した側なので断崖絶壁でビーチがないのですが、東側にはあるのです。

カマリという町は空港にも近く、ホテルからのトランスファーやタクシーで20ユーロくらいで行けます。
ここから島の各地にバスで行くにはいったんフィラまで行く必要があります。フィラまでのバスは20分に1本の割合で、所要時間は約20分といったところ、片道1人1.8ユーロ。イアやアクロティリに行くにはフィラでバスを乗り換えることになります。

カマリはこじんまりとしたところでフィラやイアに比べると観光客も少なくリラックスした雰囲気。海岸線にはビーチが長く連なり、短い波打ち際までデッキチェアーとパラソルがずらりと並びます。火山島のためビーチの砂は黒ですが、見た目は黒でも砂と丸い小石で海の水もきれい。夏は水も快適な温度で泳ぐのにも最適。右側には崖がそびえ、青い空、青い海の遠くに船が見える心休まる風景で、ビーチホリデーを満喫する人達が日焼けした体でゆっくり横たわっています。

特に観光スポットもないので日本人や中国人は見かけず、主に欧米人がゆっくり滞在するところ。小規模のホテル、飲食店、お店など必要なものは何でもあります。私たちが泊ったのはビーチまで歩いて5分くらいの3階建ての小さいホテルでしたが、プールもついていて快適でした。キッチンもついていて朝食もホテルの部屋でとったり、ビーチ沿いにずらりと並ぶカフェでとったり。ランチやディナーもビーチ沿いのレストランがより取り見取りだし、簡単にGyro(ギリシャのケバブ)のテイクアウトにしても。

町の端っこからはティラ遺跡に上る道路がジグザグに通っています。車やバイクで上る人もいますが、夕方の涼しい時間に歩いて上るのもおすすめです。傾斜10%くらいの坂が30~40分くらい続くのですが、頂上からの眺めは一見の価値あり。ここには紀元前9世紀にさかのぼる遺跡があるのですが、開いているのは8時から15時までで、中には入りませんでした。

アクロティリ

アクロティリはサントリーニ島の南西にあります。フィラからローカルバスでアクロティリ行きに乗って30分ほど。アクロティリ遺跡は海岸のすぐ手前にあり、真ん前にバス停があります。遺跡を見た後はそのまま海岸まで歩いて行くと右側にレッド・ビーチとホワイト・ビーチが見えます。カマリはブラック・ビーチなので3色そろっているのです。

海岸ぞいの右側にある一番最初のレストランMelina’s Tavernというところでランチを食べたのですが、グラスワイン付きで10ユーロのランチ(イワシのグリルにガーリックマッシュポテト、トマトボール)が美味でした。サントリーニ島ではみんなそうなのかわかりませんが、魚のグリルを食べると炭火焼にしてくれるので香ばしく、レモンをかけるだけで満足するおいしさ。普段ならお醤油が欲しくなるところなのですが。

アクロティリの歴史

アクロティリの辺りには古くから人が住み、ミノア文明の繁栄を享受した大きな町がありました。紀元前17世紀にはすでに約20ヘクタール規模の町があり、公共の排水施設までそろい、中層の建物がたくさん建っていたのです。エーゲ海のほかの島、クレタ島やギリシャ本土とも交易があったことがうかがえる出土品もあります。それだけでなく、遠くキプロス、シリア、エジプトとも交流があったようです。

そんな街に紀元前17世紀ごろ、ある日突然大地震が起きました。地震は数回起こったようでそのうち島の住民はこのままでは命が危ないと判断し貴重品だけ持って島をあとにしました。そして、この判断は正しかったのです。それからまもなく1628年に今度は火山の大噴火が起こり、火山灰が街のみならず島全体を覆ったのですから。

この火山の爆発で町は3~5メートルもの量の火山灰に埋もれてしまったのですが、この火山灰のおかげでここにあった建物やその装飾品、大きな壺などが3500年もの間保存されていたのです。イタリアのポンペイ遺跡も79年の火山噴火で同じような運命をたどったのですが、ポンペイではそこで生活をしていた多くの住民も火山灰に埋もれてしまっています。

アクロティリ遺跡からは人骨や高価な宝飾品などは発見されなかったことから、3000人ほどいたと言われる住民は火山爆発の前の地震の後にすでに島から避難していたことがわかります。不幸中の幸いとも言えるし、賢明な選択だったと言えますね。

アトランティスのモデル

アクロティリはのちにプラトンが語ったアトランティスのモデルではないかとされています。アトランティスの物語はかつて繁栄を誇りながら一夜にして海中に沈んだというものですが、アクロティリの実話をもとに作られたのではないかと言われているのです。そんなアクロティリが噴火前はどのような町だったのかを見せてくれる遺跡があります。

アクロティリ遺跡

営業時間 (夏) 8AM-8PM (4月~10月)

営業時間 (冬)8AM-3PM(11月~3月)

公共の祝日(1/1、3/25、イースター日曜、5/1、12/25、26)

入場料 大人1人12ユーロ、子供は半額、17歳以下のEU住民は無料

サイト

(すべて2018年夏の情報なのでその都度確認してください)

この遺跡は野外にあるのではなく建物の中にあるため、真夏の日中でも強い日差しの下でくらくらすることなく見学ができて快適です。

遺跡は今でも発掘が続けられており遺跡の周りに渡り廊下のようなものがめぐらされそこを歩いて見学するようになっています。足元の悪い遺跡とは違い歩きやすく快適だし、ほとんどの通路はバリアフリーで車いすでも大丈夫です。

英語のガイドツアーもあるとのことですが、あちこちに説明版がギリシャ語と英語でついているので事前知識やガイドブックがなくてもそれなりに楽しめますが、アクロティリの歴史を少しだけでも知っておいたらもっと面白いはずです。また、フレスコ画など貴重な出土品は博物館に展示されているので、ここを見た後にあわせて見学するのを強くおすすめします。

アクロティリ遺跡は1967年にギリシャ人の考古学者 Marinatosがその場所を推定して発掘をはじめてからわず数時間で見つかったそうです。それから少しずつ発掘が進んでいますが、資金難や遺跡を保護する屋根の破壊で中断したりしながら細々と続いているとのこと。遺跡の係員に聞いた話によると、これまでに発掘されたのは全体の5%にしかすぎず、すべてを発掘するまでは100年はかかるだろうということです。

発掘されたところはほとんどがかつての建物の1階部分ですが、ここにあった建物には3階建て、4階建てのものもあったのです。どういうものだったのか、そこまで想像力を働かせるのは難しいのですが、当時の建物の様子を再現して説明するビデオが流れていたので参考になりました。

それによると、アテネの考古学博物館に展示されている壁画があったのは邸宅の2階にある居住部分を壁紙のように飾るものだったようです。そして、そこにはトイレもあって下水設備がついており、それが戸外の共同下水施設まで続いていたとのことなのです。3500年前にすでにこういうものがあったとは、当時のサントリーニの人達はよほど進んだ暮らしをしていたのでしょう。それが、地震と火山の爆発ですべてを失うことになってしまったなんて。

地震のあと、島をあとにした住民たちは貴重品など持てる物は持って行ったでしょうが、大きなものは置いていかざるを得なかったのでしょう。出土品の中には住宅内に残された大きな陶器類が多く見られます。けれども金でできた物品はたった1点、それも床下からしか出てこなかったそうです。

それ以外にここで発見された貴重な遺産は住居の壁を飾ったフレスコ画でしょう。私がアテネの考古学博物館で見た漁師の絵だけでなく、青いサルの群れの絵や花や鳥のモチーフを使ったものなど、様々なフレスコ画が3500年前のものとは思えないほどの鮮やかな色を残して発見されたのです。残念ながらこれらのフレスコ画はここにはなく、サントリーニ島にある考古学博物館とアテネの国立考古学博物館に収められています。博物館に展示されているのを見ると、それがどこから出てきたのかを想像しにくいものですが、こうやって実際に発掘された場所を見ると感動が深まるので、ぜひあわせてみてほしいものです。

すべてを捨てて避難できる?

それにしても、こんなに美しい壁画があるような邸宅に住んでいた人たちがすべてをあきらめて島を見捨てたということに思いを馳せるとその心情がどれほどつらいものだったかと思います。たとえば地震や水害、山崩れ、火事などの災害の時、命よりも大切なものはないはずなのに、家や財産を捨てきれずに逃げることができるでしょうか。

もし日本で大きな地震や火山が噴火が続いたりしてこのままではもっと壊滅的な自然災害が起きるかもしれないというようなことにあったらどうするでしょうか。私たちは今持っているものを捨てて日本列島をあとにすることができるでしょうか。そんな恐ろしいことは考えたくないとばかりに「たぶん大丈夫」とか「その時はその時」とか思ってしまうのではないでしょうか。そんなことをふと考えてしまいました。

まとめ

サントリーニ島は以前は静かで平和的なところだったのではないでしょうか。夏の陽光や美しい自然風景はそのままですが、その美しさゆえに観光客が押しかけ、そのためにホテルそのほかの施設が増え続けてきたのでしょう。今でも建物の色は白で統一し教会の丸屋根を青にしてギリシャの島の景観を守る努力はしていますが、これ以上開発を続けるとせっかくの魅力が台無しになってしまう気がします。日本でいうと湯布院のような感じ。

それでも、美しい所であるのは否定しないし、観光客が少ないビーチでゆっくりするのもいいでしょう。そして、アクロティリ遺跡のようなほかではなかなか見られない歴史の一ページを見られるのも貴重な経験です。アテネの考古学博物館に行くのに合わせて足を伸ばしてみることをおすすめします。

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