ユニクロはブラック企業?海外社員の評判(オーストラリア)

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ユニクロの雇用条件についてオーストラリア紙が2019年3月3日の記事で、「みんなが何らかのPTSDを抱えている:ユニクロの元従業員が悪質ないじめ文化について語る」というタイトルで報道しました。ユニクロ・オーストラリアでの雇用形態や虐待文化について従業員が精神を病んでしまうほどひどいということを取材を交えて紹介している記事です。


ユニクロを告訴した元従業員

記事によるとオーストラリアのユニクロで働いていた元従業員が日本のファストファッション大手企業のユニクロには「奇妙な、悪質な虐待」文化があると語ったと言います。いじめが蔓延していて、社員のだれもが「何らかのPTSD」を抱えて辞めてしまうというのです。

かつてユニクロで人事部長を務めたメラニー・ベルはユニクロを告訴しました。47歳のメラニーはユニクロで働いていた時、いじめにあい、白人であることを理由に差別にあったという理由です。メルボルンの給与人事情報システムマネジャーとして働いていたときにメラニーは白人であることから差別されユニクロが「アジア系の」男性に自分より良い待遇を与えたと訴えています。

彼女はさらに、ユニクロのチーフ・オペレーティング・オフィサーの「つじ けんじ」に少なくとも4回いじめられ、チーフ・フィナンシャル・オフィサー「ささき わたる」によって昇給、昇進、出世を止められたと訴えています。メラニーは「白人であるために差別され、女性であることを理由に出世を妨げられた」と言っています。そして、彼女や他の非アジア系従業員、また女性のシニア・マネジャーの昇進を妨げ、代わりに赴任でオーストラリアに来ているアジア系男性を昇進させたとしています。

彼女がこのポストのためにユニクロの面接を受けたとき、ユニクロをオーストラリアのビジネス環境に適応させるため重要な役割を期待されており、大きなキャリア構築のチャンスがあると言われました。けれども、国際社会で通用する才能があり将来のリーダーとしての資質があると認識され、パフォーマンス評価でも高いスコアを獲得したにもかかわらず、ユニクロでは十分な評価を受けることができませんでした。その理由として、彼女の実母が亡くなった時に仕事に前向きな態度を見せることができなかったために機会損失をしたと指摘されたということです。

ユニクロの雇用環境

メラニー・ベルト同じく、ユニクロ・オーストラリアで働いていた元従業員3人によると、このような経験はユニクロでは珍しいことではないという話です。

この3人はそれぞれ異なる職場で、違うポスト(セールスアシスタント、マーチャンダイザー、副店長)を受け持っていましたが、ユニクロのひどい雇用環境については同じような経験をしています。

「日本の虐待文化をひとところに詰め込んだ肥溜めのようだった」とシドニーのMidCity店で3年働いたセールスアシスタントは語ります。

「これまで働いてきた中でも一番いやな職場でした。ユニクロは従業員をロボットのように扱うのです。だから商品が安いのでしょう。店の奥では箱が高く積み上げられていて、それが頭に落ちてくるのです。職場で上司はいつも怒鳴っていました。」

ユニクロのマネジメント志望(UMC)プログラムに応募して3年間、シドニーの3つの店舗で働いた27歳の副店長はユニクロには「虐待的な文化」があると言います。

「みんな何らかのPTSDを抱えています。店に足を踏み入れるだけでパニック状態に陥ってしまうのです。」

「UMCプログラムに応募したのは日本に研修に行けるということだったから。雇用契約にも日本に行けると書いてあったのに、後になって行けないと言われたのです。」

「日本から派遣されたマネジャーたちはオーストラリアでの雇用ルールを知らず、我々人事部が言うことを無視しました。私たちはみんな仮採用期間だったのですが、コストカットのためスタッフを首にすることになりました。それで、ユニクロは業績を評価することもなしに従業員の何人かを適当に選んで首にしたのです。みんな泣いていました。」

「このようなことは、単にこの日本人マネジャーたちだけのことではなく、そういういう文化がユニクロ全体にあるようです。日本の働きバチ文化のせいで、ユニクロで働く従業員は時間通りに仕事を終えるのが悪いことのように感じてしまうのです。私は週に60~80時間働いていました。朝の7時に仕事を始め夜の8時まで働いていたんです。」

「すごく忙しくしているマネージャーがいて、彼女はいつも怒鳴っていました。周りの従業員は彼女とをとても怖がっていて、よく泣いてました。」

「他のお店で働くのはとても簡単だけど、ユニクロでは何もかも時間が決められているので大変です。レジを売ったり、服を畳んだりする一つ一つの作業にSOP(標準作業手順)が定められていて、たとえば『1分間にシャツを7枚たたまなければならない』とかが決められているのです。」

また、クィーンズランド店で18か月働いたという35歳のマーチャンダイザーは「虐待関係にいるように感じました。パニック・アタックに悩まされ、毎日仕事帰りには泣いていたんです。」と言います。

「仕事を始めた時、マネジャーたちが店員を怒鳴っていて、たくさんの人が泣いていました。そういうのをはじめてみました。シドニーから来たマネジャーが私たち一人一人をいじめ始めました。高校でいじめにあっているような気がしました。」

「従業員はいじめについて人事に訴えましたが、何の対応もしてもらえませんでした。私も何度も人事に自分の状況について話したのですが、『たまたま上司と相性が合わなかったのだ』と取り合ってもらえませんでした。私のアシスタントが辞めてしまい、1人で全店舗の180体のマネキンを担当する羽目になりました。」

「私は、働きすぎてヘルニアになってしまいました。そのため、ユニクロをやめてから半年働くことができませんでした。精神医にもかかりました。私はもうこの業界では働けません。仕事ができなかった間に6万ドルの貯金を使い果たしてしまいました。そのお金で家を買うつもりだったのに。」

ユニクロの返答

このような元従業員の訴えに対して同紙がユニクロにコメントを求めたところ、次のような返答があったそうです。

店舗であれ、オーストラリア本部オフィスであれ、ユニクロ従業員が心身ともに健康な状態であることは当社がとても大事に考えていることです。もし何らかの問題があれば、できるだけ早く対処するようにしています。例えば、箱の積み上げに対する問題については報告されたのち直ちに対応しました。

従業員の健康と安全については全面的にコミットしており、職場でのどんな種類のいじめも許すべきではないというのがわが社の方針です。

我々はいつも職場の文化をよりよくし、従業員が満足できるような取り組みをしています。

ユニクロはブラック企業なのか

日本でもユニクロはブラック企業とのうわさを聞くことがあります。ユニクロの職場での実情を暴露した書籍も出ています。

 
『ユニクロ帝国の光と影』を書いたジャーナリストはユニクロの日本国内の店舗で社員が奴隷のようにこき使われている有様、マニュアル厳守で独自性を発揮することができない店長たち、中国の工場で労働者が劣悪な労働環境で酷使される様子などを紹介しました。この本の作者、横田増生はユニクロの柳井社長に名誉棄損で訴えられましたが、訴えは棄却され版元の勝利となっています。

さらに、この横田増生という作者は同じ名前では門前払いされかねないという理由で離婚再婚までして改名し、ユニクロのバイト店員職に応募しました。その後筆者は1年間、ユニクロ3店舗でバイト店員として働き、週刊文春にユニクロ潜入ルポを連載したのです。この潜入取材は『ユニクロ潜入一年』にまとめられています。

サービス残業や長時間労働、企業文化のおしつけなどユニクロで行われている雇用慣習は日本では驚くほどの「ブラック」ぶりではないのかもしれません。過労死で問題になった電通を始めブラック企業と呼ばれる数々の日本企業の内幕を知ると、こんなものなのかもと思わされます。

けれども、オーストラリアをはじめとする海外諸国では日本で当たり前にされていたり、時には「美徳」とまでされているような仕事第一の考え方は通用しません。時には人権を無視した法律違反の問題とされ、訴訟に持ち込まれることもあります。ますますグローバルになっていく世の中、ユニクロをはじめとする日本企業も海外進出するのなら、それなりに雇用環境や起業文化をも世界標準に近づける努力をするべきではないでしょうか。

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コメント

  1. みんみん より:

    世界と日本はこれだけずれてる。
    虐待文化、とは、まさに。だよね。ユニクロからの回答も、全く答えになってない。改善て、なにをどう改善したの??。
    正直、普通じゃないですよ。まともじゃない感覚に慣らされてるだけ。まさに虐待文化、DV文化。海外に合わせる、ってゆう言い方してるけど、要は異常ってこと。奥歯に物が挟まった言い方の結論でイライラしました。正常化すればいいだけ。正常じゃないんだよ、日本は。みんな本当は気づいてる。

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