‘karoshi’ 電通社員の過労死 イギリスでの報道

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Dentsu

Last Updated on 2018-08-30 by ラヴリー

イギリス人の友人が電通の高橋まつりさんの自殺についての報道(Japan’s Dentsu advertising agency charged over employee suicide)に驚いて私に聞いてきました。その記事では、電通の新入社員の若い女性、高橋まつりさんが1ヶ月に残業を100時間以上していて、1週間に10時間しか寝ていなかったと報道されていました。

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Karoshi という英語

‘karoshi’ という言葉は英語になっていて、そのまま使われています。Death from overworkという説明付きで。’karoshi’ が英語(というか国際語)となっているっていうことは日本独自の現象だからですね。

別の報道 (The young Japanese working themselves to death)でも西垣みちよさんの一人息子のなおやさん27歳が薬の飲みすぎで亡くなり、過労死と診断されたことについて報道されていました。なおやさんは毎日終電の時間まで働き、終電に間に合わなかったらデスクで眠る、ひどいときには一晩中働いた翌日の夜10時まで37時間働き続けていたとの記事です。

日本では1/4近くの企業の従業員が月に80時間を超える残業をしており、残業代が支給されないことも多いと書かれていました。日本では普通有給休暇が20日あるが労働者の35%が有休をとらないことも指摘されています。

イギリスで報道されている記事では「日本での過労死はそう珍しいことではない」と書かれていることが 「とても信じられない、本当なのか」 と友人は聞きます。
本当というほかはないんでしょうか。それに、過労死とまではいかないまでも働きすぎの日本人はたくさんいるでしょう。

企業や政府の対応

電通ではこの問題が明らかになったあと消灯を10時にしたという話を友人にしたらもっと怪訝な顔をされました。夜の10時まで働くということじたいが問題外で理解できないようです。まあそうでしょうね、イギリス人にしたら。

ほかにも、政府がプレミアムフライデーを導入したり、有給休暇消化を推奨したり、残業時間を月に60時間に制限する法律を提案(とはいえ「繁忙期」には月に100時間が認められる)したりといった取り組みも記事では紹介されていますが、あまり効果がないようです。

企業側が自ら行いを改めないのなら、厳しい法律で取り締まるしかないかもしれません。社員が自発的に残業をしているとか、仕事を片付けなければならないからしているとかという意見もあるとは聞きますが、本当に正規の勤務時間内にできない業務があるというのならそれを見直す必要があるはずです。

日本人は労働生産性が低い

イギリスの報道で指摘されていたのに「日本人は長い時間働いているのに、G7諸国の中で一番労働生産性が低い」という点があります。

これについては私も以前から問題だと思っていました。日本人の仕事ぶりって「長い時間働いている」「一生懸命努力している」ということが大事にされているようですが、本当は「いかに短い時間で能率的に質の高い業績を上げるか」ということが重要なはずです。プロセスより結果を出すことに重点を置くべきではないでしょうか。

日本では無意味で煩雑な事務仕事、特に必要のない会議や報告義務、はてには会社帰りの「つきあい」などなくてもいいものが多すぎませんか。

ずっと日本で暮らし仕事をしているとそれが当たり前になってしまうのかもしれませんが、私のように海外の生活や仕事が長くなってくるとたまに日本に帰ったときイライラする事がよくあります。銀行、郵便局、お店、保険会社、不動産屋、警察、役所など様々なシーンで「なんでこんなにめんどくさいの?」ということがしょっちゅう。

たとえば、この前は小切手を現金化するために銀行を2店舗回り、銀行員にたらい回しにされ、銀行側も最低5人の行員が動員されてマニュアルを参照したり、どこぞやへ電話をかけたりして待つこと1時間弱、その結果結局「誠に申し訳ございませんが。。。」できないとのことでした。

パスポート申請のときは署名が1ミリはみ出ていたので申請書を全部書き直してくれと言われたし、保険会社の書類は何度も同じような書類を書き、そのうちの1通は「ハンコの押し方が適切でないため」書き直さないといけなかったり。

別にだからといってそれが過労死につながるのかと言われると、まあ直接には関係ないけれど、とにかく日本は世の中が何かとめんどくさいんです。そういうのが積もり積もって労働生産性が低い結果になっているんではないでしょうか。

物事をシンプルに

もっと物事をシンプルにしても世の中は回っていきます、実際外国(少なくともイギリス、そしてもっといい加減な国はたくさんありそう)ではそうなっています。

だから外国ではサービスが悪いだの、ミスが多いだのってことになるのかもしれません。でもそんなこと人の命に比べれば許容範囲じゃないですか。私はそう思います。


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