日本語はイギリスにとって何番目に重要な言語?

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Japanese

Last Updated on 2020-01-08 by ラヴリー

ブリティッシュ・カウンシル British Councilがイギリスにとって今後20年に重要な外国語のトップ10を発表しましたが、日本語はぎりぎり10位に入っています。それでは、世界的に見て重要な言語のトップ10リストに日本語ははいっているのでしょうか。そしてトップ1は?(2020年1月更新)

Contents

イギリスにとって重要な外国語

  1. スペイン語
  2. アラビア語
  3. フランス語
  4. 中国語(マンダリン)
  5. ドイツ語
  6. ポルトガル語
  7. イタリア語
  8. ロシア語
  9. トルコ語
  10. 日本語

‘Languages for the Future’ British Council

このリストは経済それから文化、教育、外交の要因、これに各国の英語レベルとインターネット上における言語の普及度を考慮して出した結果だということです。

まず驚いたのはアラビア語で、2位になっているのは予想外でした。イギリスは中東や北アフリカ諸国と経済的にも関係が深いこと、またそれらの国では英語習得率が低いことが理由なのでしょうか。イギリスの学校で普通教えているのはフランス、スペイン、ドイツ語が主ですが、ドイツ語よりもアラビア語や中国語のほうが重要だと考えられているんですね。

最近イギリスは中国との経済関係に力を入れているので、中国語の重要度は年々上がっているように感じます。何と言っても人口が多く経済成長率もまだまだ上向きで、絶好の貿易パートナーと考えているのでしょう。あとはだいだいヨーロッパ圏の言葉プラスロシア語、トルコ語、そして日本語がぎりぎり10位に入っていてなんとなくホッとしました。

イギリス人が実際に習っている外国語は?

これらトップテンの言語のうち、どれかでも日常会話レベルの語学力があるのは、イギリス人の1/4にすぎないという結果が出ています。イギリス人が一番よく話せる外国語はフランス語で15%、ドイツ語が6%、スペイン語が4%(ちなみに日本語はアラビア語、中国語、ロシア語と並んで1%)というので少ないですね。フランス語などはみんな学校では習っているはずなのに話せないというのは日本人の英語とあまり変わらないかも。

英語を母国語とするイギリス人は外国人が第1外国語として英語を勉強してくれるので外国語の学習熱が低いようです。リンガ・フランカとして英語がよく話されるとはいえ、世界人口の70%は未だに英語を話しません。特に今、経済的に急速に発展している中国、ブラジル、中東諸国などでは英語を話す人が未だに少ないのです。これらの国々と貿易を始めとする経済的政治的な関係を強めるためには、それらの国の言葉を学習することが重要だとしています。

また、ブリティッシュ・カウンシルはイギリス人が外国語を学習することによって異なる文化や習慣を学ぶことができるし、自国の言葉や文化を比較することから客観的に見ることができるという利点もあげています。イギリスの将来を考える人たちはさすが、勉強嫌いのイギリス人大衆とは違って外国語学習の必要性をよくわかっているようです。

イギリスでは7歳から外国語教育を導入

そういう背景もあってのことでしょう。2014年からイギリスではキーステージ2(7〜11歳)から外国語学習が必修になりました。それまでは11歳からだったのですが、このままではイギリス人の外国語習得率が下がる一方だとの危機感から来ているのではないでしょうか。フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語(マンダリン)ラテン語、ギリシャ語から選ぶことになっていて、学校によってどの言語を教えるかを選べるということになっています。この中にアラビア語が入ってないのはブリティッシュ・カウンシルの調査とは異なりますが。

結論としてはイギリス人はこれまでのように少数の外国語に限らず幅広い言語を学習するようにしなけえればならないと考えられています。

母語人口が多い言語トップ10

ちなみに母語人口が多い言語としては下記のようになっています。

  1. 中国語(マンダリン)
  2. スペイン語
  3. 英語
  4. ヒンズー語
  5. アラビア語
  6. ポルトガル語
  7. ベンガル語
  8. ロシア語
  9. 日本語
  10. ジャワ語

日本語を話すのは日本人がほとんどだと思うので、日本人は人口がかなり多いために9位に食い込んでいるようです。こうしてみると英語を母語として話す人の総人口はやっと3位なんですね。

世界で影響力のある言語トップ10

List 25というところが発表している世界で影響のある言語トップ25  ‘The 25 Most Influential Languages in the World’ ではトップ10は以下の通りになっています。

  1. 英語
  2. フランス語
  3. スペイン語
  4. アラビア語
  5. 中国語(マンダリン)
  6. ロシア語
  7. ポルトガル語
  8. ドイツ語
  9. 日本語
  10. ヒンディー語
こちらも日本語は9位に入っています。理由としては日本の経済界における影響力が大きいようです。

英語が1位に選ばれている理由は、世界中で英語を母語としている人は5億人にすぎないけれど、約20億人の人が英語を日常的に使っているという理由です。世界人口が70億人だとすると4人に1人以上が英語でコミュニケーションしているというわけです。

イギリスと英語

思えば、産業革命を起こし、植民地をたくさんもっていた「大英帝国」であった頃に比べると、今では経済、軍事、政治など様々な面で「大国」と呼ばれるほどの影響力はないのではないかとも考えられる人口約6,000万人の島国イギリス。けれども「英語」という「言語」はアメリカ、オーストラリア、そして数々の旧植民地に伝えられていき、今では世界中で最も影響力のある言語となりました。特に資源のない小国の一番の輸出資源は、実は英語だったのかもしれません。

もちろん、こうなる結果を予想しての輸出といったことではなかったでしょうし、これだけ英語が影響力を持つようになったのもアメリカがここまでの大国に育ったという理由が大きく関係しているのですが。

この気の長い言葉の輸出に対しての見返りは実に大きいと思います。イギリス人は外国語を学習することなく世界中で活躍でき、尊敬され、英語を読み書きする上で英語を母語としない人に対して優越感を感じることができるのです。また、イギリスの学者や文学者は母語で発表した作品が翻訳無しでそのまま世界中の人に理解されます。たとえば日本人がどんなに才能があったとしても、日本語で作品を発表している限りほとんど日本でしか認められないのとは大違いです。

国際的なビジネスをする場合にも英語だけで通用する環境においては有利な立場にあるといえます。たとえばドイツやフィンランドの会社が同じような事をしようとしても母国語だけで競争するのは無理でしょう。イギリスの大学や民間リサーチセンターなども英語でそのまま外国との仕事を獲得し、国際進出することができます。こう考えると英語のおかげで経済的にもかなり利益を被っているといえます。

ただ、その唯一の難点が、イギリス人の外国語学習熱をなかなか刺激しないということなんです。

外国語学習熱を上げるもの下げるもの

「必要は発明の母」といいますが、外国語学習熱もその必要度に応じて上下するといえます。イギリス人やアメリカ人、オーストラリア人など英語を母語とする人たちの外国語学習熱が低いのは必要を感じないからでしょう。非英語圏の大国であるフランス、ドイツなどでも普通の生活をしている庶民にとっては英語はあまり必要がないものかもしれません。観光業界で働いていたりしない限りは、自分たちの言葉で日常の生活に支障はないし、必要な情報知識は自分たちの言葉で手に入るからです。

けれども、非英語圏の中でも比較的小国であるオランダ、スウェーデン、デンマーク、ポーランドまたは、マレーシア、フィリピン、韓国といった国はどうでしょうか。庶民はともかく、その国の中高等層、また若者を中心に外国語(ほとんど英語)を学習する必要意識は高いはずです。大学で教えるレベルの学術書が自分の国の言語で翻訳されて出回っていることが少なく原語で読むしかないでしょうし、それは文学作品などでも同様であるといえます。

日本では?

日本でも外国語学習熱(ほとんどの場合英語学習熱)を下げている要因は、結局毎日の生活に必要を感じないということでしょう。受験に必要な間は他の受験勉強と同様に勉強しますが、大学に入ってしまえばもうそこまで。英語は大切だと言われ続けれるし、社会人になってからも「今年こそ英語をマスターするぞ。」と宣言する(し続ける)人も多いですが、結局それが本当に必要ではないということ。

日本では多くの外国語文献や文学作品が日本語にすでに翻訳されています。それをわざわざ原書で読む必要がありますか。江戸時代末期から明治にかけては文明開化の様々な技術や学問を外国語の文献資料から輸入してきましたが、もはやそのような時代ではありません。

外国に旅行することもなく、仕事で外国人とコミュニケーションしなければならないわけでもない人に英語って本当に必要なのでしょうか。外国旅行だって、ツアーに参加すれば、英語が話せなくても何とかなるし。と、ここまで読んで内心ホッとしている人も多いんじゃないですか。

英語を輸出するイギリスと日本語で鎖国する日本

イギリスでは英語を積極的に輸出することによって小国の国際影響力を強め、世界に開かれた国となりました。逆に日本では日本語を日本国内でしか使わない「内輪の言葉」とすることで、意識するなしにかかわらず国を鎖国化する結果となりました。

東京五輪に向けてインバウンド観光の推進に政府が力を入れているにもかかわらず、日本語という不可解な言葉がバリアとなって日本を訪れる人がなかなか増えません。仕事を探しに日本に来た外国人たちも日本社会で一人前と認められるレベルの日本語の習得の難しさにたじろぎ、もっと働きやすい国へと移っていってしまいます。

日本に住む日本人には日本語さえできればいいので、わざわざ外国に行く必要はありません。特殊な職業のため必要とされる以外の人は外国語ができなくても問題はありません。私達の美しい日本と、日本語は私達日本人の力で守っていきましょう。そういうふうに誰かが言っているように思えるんですが、気のせいでしょうか。

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