Last Updated on 2023-07-30 by ラヴリー
英BBCが3月にジャニーズ問題についてのドキュメンタリー番組を放映後、当初は日本メディアもジャニーズ事務所も反応は限られていましたが、被害者の告発などによって次第にこの問題が公になってきました。子供に対する性加害者が死後までもてはやされたものの、後にその事実が明るみに出たということでは、イギリスでは誰もがジミー・サヴィル事件を思い出すようです。
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ジャニー喜多川の性加害問題
2023年3月、イギリスの公共放送であるBBCが「プレデター J-POPの秘密のスキャンダル」というタイトルのドキュメンタリーを放映。ジャニーズ事務所の社長だった故ジャニー喜多川が未成年の男性タレントに性的虐待を繰り返していた疑惑について取り上げました。
2月末にBBCがこの番組を報道するという情報を知ったので、何気なくtwitter でつぶやくと、広く拡散され、たくさんのリプライもついて驚きました。イギリスに長く住み、日本の芸能界について無知な私はジャニーズ事務所という名前は知っていたけれど、ジャニー喜多川という人も、性虐待のうわさについても知らなかったのです。そういうことがあったということも衝撃ですが、それより驚いたのはリプライに「昔からわかっていた」「公然の秘密」といったものが多かったことです。
英BBCが来週ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川の長年にわたる少年たちへの性的虐待についてドキュメンタリーを報道する。
日本のTVメディアはこれまでこの件について触れてこなかった。 https://t.co/xZmsYpxvKY— ラヴリー@news from nowhere 🇬🇧 (@1ovelynews) February 27, 2023
この番組はイギリスで放映されたあと、BBC Worldで日本向けにも字幕付きで放映。番組を制作した監督と記者は日本の海外特派員協会でオンライン記者会見も行いました。BBC番組を見た日本人は多かったはずですが、日本のメインメディアでの報道はほとんどありませんでした。
少し調べてみれば、ジャニー喜多川の性加害については50年以上の間、さまざまな告発が存在していて、文春や海外メディアでは報道され、裁判でも事実と認められています。1999年に文春が特集を組んで報道した時でも、日本の新聞やTVなどメインメディアは後追いしませんでした。米紙ニューヨーク・タイムズは2000年に文春記事を取り上げ、性加害事件やそれについて口を閉ざす日本メディアについて批判的に報道しています。英紙ガーディアンも似たような報道をしていますが、国内ではほとんど報じられないまま。それどころか、ジャニー喜多川が2019年に87歳で亡くなった時にはポップ界のキングとしての追悼記事が日本メディアをおおいました。
BBC番組もこのまま忘れ去られていくのかと思っていた頃、4月に日本海外特派員協会でカウアン・オカモトが顔出し実名で被害を告発し、インターネット報道を中心にこの件について知られるようになり、メインメディアも少しずつ報道を始めました。さらに、5月14日にジャニーズ事務所の藤島ジュリー社長が動画と書面で謝罪の意を発表してから、ほとんどのメディアが報じるようになり、NHKはクローズアップ現代でこの件を取材番組として取り上げました。取材班は「なぜ、この問題を報じてこなかったのか。海外メディアによる報道がきっかけで波紋が広がっていることを、私たちは重く受け止めています。」と語っています。
権力者が子供や女性など弱い立場にあるものに性的虐待を繰り返して行うという事件は日本に限った話ではありません。アイルランドや米国、フランスなどのカトリック教会聖職者による性的虐待も問題になったし、米国で児童買春をしたことで有罪判決後に自殺したとされているジェフリー・エプスティーンのことも思い出します。また、米国映画プロデユーサー、ハーヴィー・ワインスティーン事件では被害者の告発が#MeToo運動の大きな波になりました。イギリスでもサッカー少年12人に50件以上に及んで性虐待を繰り返していたコーチ、バリー・ベネルの罪が、30年の沈黙を破って名乗り出た被害者の告発によって明らかになり、禁錮31年の判決を下されるということがありました。
けれども、表に出てきているケースの陰には、闇に葬られたままの「事件」も多くあるでしょう。また、著名な加害者が亡くなるまで、そして死後もその名声のゆえに真実が覆い隠され、メディアや関係者もその隠ぺいに加担していたということがのちに分かったという苦い歴史は、イギリスにもあります。それが、ジャニーズについてドキュメンタリーを作ったBBC自身がもみ消そうとしたジミー・サヴィル事件です。
イギリスのジミー・サヴィル事件
1926年生まれのジミー・サヴィルはイギリスでは知らない人がいないほどの有名人。DJ出身の彼は1960年代から音楽や子ども向け番組の司会者として活躍。BBCで42年にわたって放映された人気音楽番組「Top of the Pops」や、少年少女の視聴者参加番組「Jim’ll Fix It」の司会をつとめるなどして人気を博していました。
サヴィルはチャリティーにも熱心で、病院や子ども向けの施設で慈善活動をしたり、NHS国民医療機関などのために30年にわたってチャリティー活動を行って多額の寄付金を集めたりもしていて、イギリスでは全国的な信頼を得てもいました。
長年の慈善活動によって1972年にOBEの称号をもらい、1990年にはナイトの爵位を受勲して「サー」の称号を獲得。王室や政治家にも信頼され、サッチャー首相やチャールズ皇太子とも関係が深く、ローマ教皇にも認められるなど、2011年に死去するまで、イギリスでは国宝級の著名人として扱われていました。名前は知られていたものの、一般には顔も出さなかったジャニー喜多川とはこの点が異なっています。けれども、この2人は絶大な権力を利用して物言えぬ弱者に性的虐待を繰り返し行っていた点が共通しているのです。
サヴィルの性加害
ジミー・サヴィルによる一連の性的虐待が明るみに出たのは、2011年にサヴィルが亡くなってからのことです。メディアがその詳細について取り上げ、イギリス警察も「Operation Yewtree」として捜査しました。半世紀にわたる性虐待の被害者はわかっているだけでも、200人以上に上っており、500人とも言われています。
サヴィルはBBC子供番組で司会者をつとめていた時、控室で少年少女に性的暴行を行い、被害者は少なくとも72人以上。その最年少は8歳の少年です。彼はチャリティー活動を行っていたNHS病院でもスタッフや患者100人以上に性的加害を行っており、被害者は5歳から75歳にわたります。
これだけ多くの被害者に性的虐待を繰り返していたにもかかわらず、大きな権力と社会的な信頼を操って事実を覆い隠したサヴィルについては、亡くなるまでその罪が追及されることはありませんでした。被害者や目撃者の中にはBBCや病院などの組織や警察に報告したものもいましたが、無名の子供や社会的な声もない一個人です。「国宝」級の有名人について警察や裁判で証拠を上げて説得させることのできないような弱者では、何を言っても信じてもらえないだろうと泣き寝入りするものがほとんど。サヴィルはそうした人たちをねらって標的にしたともいえます。
BBCほかイギリスメディアはどうしたか
とはいえ、これほどの性加害を行ってきたサヴィルの素行について、誰も知らなかったわけではありません。個々の告発や報告、うわさもあったので、メディアが被害者に取材してこの件を扱おうとしたことは1960年代からありました。けれども、取材するものもされるものも、発表するということになると、サヴィルに名誉棄損で訴えられるリスクを考え、断念せざると得なかったようです。
The Sunなどのタブロイド紙が告発しようともしましたが、報道すると裁判で訴訟を起こされ会社がつぶれかねないと顧問弁護士に止められたということ。これほどの権力と社会的な信頼があるサヴィルに裁判で勝つことはとうていできないという判断は、彼の名声が大きくなるにつれて強くなっていったのです。そんなサヴィルは2011年10月29日に84歳で亡死亡し、彼が名誉毀損で訴訟を起こすリスクはなくなります。
サヴィルの訃報後、彼の性虐待問題についてBBC「Newsnight」というニュース番組が取り上げることになりました。リズ・マッキーン記者とプロデューサーのメイリオン・ジョーンズは番組に必要となる情報を集め、被害者へのインタビューも行い、12月7日に放送予定と決まっていました。けれども、この番組は直前になって上司である編集長によって取り下げられてしまいました。その年のクリスマス、BBCはクリスマス・スペシャルとしてジミー・サヴィルの追悼番組を放映。サヴィルの性虐待問題について自ら明らかにするよりも、彼の生前の名声にあやかった娯楽番組を視聴者に提供することを優先したのです。
このことに憤慨したマッキーンとジョーンズは「Newsnight」用に収集したサヴィルの性虐待についての情報をライヴァル民法TVであるITVに手渡すことにしました。ITVでは元刑事のジャーナリスト、マーク・ウィリアム・トマスがこの問題についててさらに深掘り取材。 1968年から1974.年にわたって性被害に遭った女性5人の証言を元にした番組を作成し、2012年10月3日に「The Other Side of Jimmy Savile(ジミー・サヴィルのもう一つの顔)」として放映し、センセーションを巻き起こしました。この番組が放映されるや否や、警察や児童虐待防止団体などに、かつてサヴィルに被害に遭ったという報告が相次いで、電話が鳴りやまなかったそうです。被害者たちは、それぞれ、被害を受けたのは自分一人だけだったのだと思い、誰も自分のことなど信じてくれないだろうと告発できないままでいたのです。
この後、BBC内部でサヴィルの件についてどう扱うのか、意見が分かれて葛藤がありました。BBC「パノラマ」というドキュメンタリー番組でサヴィル事件について、またBBCが「ニュースナイト」番組を報道しなかったことについて取り上げようという案が出た時、賛否両論があったそうです。「BBC内での共食いではないか」という批判もあったし、「ジャーナリズムの独立性を守るために事実を報道すべき」という声もありました。結果的にパノラマ番組10月22日に「ジミー・サヴィル:BBCは何を知っていたのか」というタイトルで放映されました。「ニュースナイト」番組をボツにされた2人へのインタビューもあり、マッキーン記者は「BBCは、我々を信頼してつらい過去について話してくれた告発者、そして視聴者をも欺いた」と憤りを語りました。パノラマ視聴者はBBCジャーナリストが自社を批判するのを見たのです。
その後ニュースナイト番組をもみ消したBBC編集長はそのポストを辞任し、マッキーンとジョーンズはBBCを離れました。(マッキーンは民放に移り、ドキュメンタリーを手がけていましたが、2017年に52歳で脳卒中で死去。)
BBC独立調査委員会やイギリス警察の捜査
ITV番組やパノラマ放映により、BBCは不都合な事実に向き合わざるを得なくなりました。サヴィルの性的加害事件が公になっただけではありません。そのうちの何件かはBBC内のスタジオなどでも行われていたこと、BBC内部にもそのことについて知っているスタッフがいたこと、さらに「Newsnight」での報道がもみ消されてしまったことなど、隠せれば隠しておきたかったのかもしれませんが、もうそういうわけにはいきません。
政府にも国民にも責任がある公共放送としてのBBCは、いったん非を認めてからは、徹底的にうみを出す方向に進みました。まず、自らが費用を支払って独立の調査委員会を設立し、その責任者には外部から民放Sky TVのジャーナリスト、ポラードを起用しました。2012年12月に発表されたポラード報告書はジミー・サヴィルによる一連の性虐待について事実を報告するだけでなく、正式な苦情も8件提出されていたこと、BBCスタッフの中には彼の虐待について知っているものもいたことを報告しています。さらに、「Newsnight」番組の内容は正しいものであったし、それをつぶした上司は「(悪気があったわけではないだろうが)間違っていた」と書いています。
メディアだけでなく、イギリス警察もサヴィルの性虐待についてNSPCC(英国児童虐待防止協会)と協力して「Operation Yewtree」と名付けられた捜査を行いました。その結果として600人が情報を提供、そのうち450人がサヴィルによる被害を証言、そのうち少なくとも214件は犯罪と言えるものだったと報告されています。
サヴィルの性虐待事件、およびメディアや警察がこのことについて取り上げてこなかったことについて、イギリスでは大きな批判の声が上がるようになり、政治の場でも議論されました。この結果、2012年11月に内務大臣はイギリス警察に詳細な調査と報告を命令。過去にイギリス各地の警察でサヴィルについての被害報告やそれについての捜査があったのかどうか、その際に、どうして事実が暴かれなかったのかを調べ、将来への改善点提案と共に報告するように要請しました。
その報告書「Mistakes were made」では、過去(1964年~2012年)に何度もサヴィルによる被害について被害者から警察へ報告があったものの、どのケースも「証拠不十分」として取り上げられなかった事についての深い反省がつづられています。各地の警察にサヴィルの被害者からの個々の報告があったことをお互いの警察チームは知らなかったし、被害者も自分一人が被害に遭ったのだと思っていて「点を線に」つなげることがなかったのです。
報告書は間違いがあったことを深く反省し、これからどうするべきかの具体的な提案がつづられています。たとえば:
- 被害者が名乗り出ることを躊躇するようなハードルをなくす
- 職務上で児童虐待について知ったものに報告を義務付ける
- 子供や弱い立場にいる大人を保護する組織へのガイダンス、指導とチェック制度を導入
サヴィルによるグルーミングから解かれたイギリス
サヴィルの事件は児童虐待や性的加害についての認識やメディアや警察など組織や行政の不手際だけの話ではありません。イギリス社会全体で、サヴィルのような「人気者」をもてはやし、その不祥事について気が付かなかった、また噂を聞いたり不信に思っても「まさか」と見過ごしてしまっていた多くの人にも反省を促します。
サヴィルは性的虐待を行った被害者をグルーミングしただけではなく、イギリス社会全体をてなづけたのだという人もいます。サヴィルのような人気者、王室にも政界にも一目置かれている人物、チャリティーに熱心で「サー」もつく有名人が悪いことをするわけがない、ましてや性虐待なんて、被害を訴える方がでたらめを言っているに違いないと、みなが感じていたのだと。
けれども、勇気ある告発者やジャーナリストたちがBBCなどの大手メディアや警察、政府を動かし、イギリス社会は目を覚ましました。イギリス人にとっては苦い経験でしたが、その後、性加害や児童虐待による事件について、被害者や目撃者が名乗り出ることで公にされることが多くなり、被害者に対する偏見もなくなりました。この件がなかったら、闇に葬り去られていた不幸なケースはもっとたくさんあったでしょう。
このような事件について、被害者は忘れてしまいたい、恥ずかしい、人に知られたくないと思うかもしれません。目撃者やそのことについて知った人も、報告してどうなるものでもないと思ったら、見て見ぬふりをする方が安泰だと感じるでしょう。けれども、そのままではこうした事件は陰で繰り返されてしまうという認識が共有されるべき。既に死んでしまった人だからと忘れるのではなく、個々のケースについて追及することで、将来の潜在的被害を減らし、社会全体で子供や弱者を守ることにつながるのです。
サヴィル事件から参考にすべきこと
ジャニー喜多川の性的虐待事件について、BBCが取り上げた影には、過去にサヴィル事件で自らが犯した間違いについての反省と教訓があるのかもしれません。ジャニーズの件はイギリスのサヴィル事件とは異なりますが、参考にできることはあります。BBCの報道後、最初は静かでしたが、勇気ある告発者の登場後、ようやっと日本メディアや社会もこの件について取り上げることになってきたことは正しい方向です。
また、ジャニーズファンから「ジャニーズメンバーに変な疑惑が向けられ迷惑」「これ以上追求しないでほしい」「夢をこわさないで」と言った声が上がったり、この件に直面したくないと言った傾向もみられる一方で、「ペンライト」による署名運動など、ファンがジャニーズ事務所に対し、性加害について明らかにし、謝罪や対応を求める運動を行っていることにも勇気づけられます。この団体が求めている、ジャニーズ事務所は被害者の声を聞き事実を認めて謝罪する、第三者委員会を設置して調査を行う、被害者に支援を行い、今後の再発防止措置をとるというのは当然の要求であり、事務所はすみやかにこたえるべきです。現社長による中途半端な動画や書面での「謝罪」では不十分であるばかりか、真摯な姿勢が見られない印象を与えて逆効果だったのでは。
ペンライトが要求しているのはジャニーズ事務所に対してですが、それ以外に広くエンターテイメント界、メディアや警察、政治、ファンや日本社会が考え、対応しなければならないこともあります。たとえば:
- 被害者への対応(児童問題や精神科医、グルーミングを含む性的虐待に詳しい専門家によるもの、匿名でも相談できるように)
- ジャニー喜多川による性的虐待の全容について、第三者による専門的な調査
- 警察によって、上記について、さらに過去に報告や調査があったのか、なかったのならどうしてなかったのか、今後どうするべきかの調査
- メディアがどうしてこの件について報じなかったのかの調査(BBCのように外部の第三者に依頼)
- 国会で委員会を設立するなどして、なぜこういう事件が起こったのか、なぜメディアや警察が取り上げなかったのかを調査
- 再発防止のための法律や制度を整えるための議論(性的同意や児童への性加害における犯罪についてなど)
- 子供も対象にした、適切な性教育の徹底
- 性被害を受けた側に落ち度はないという意識、それを責めたり茶化したりしないで寄り添う対応
- 広い意味での人権教育(弱者である子供にも意見を表す権利がある、いやなことはいやだと言ってもいいという教え)
- 社会全体で長いものに巻かれない、強い立場にある者にでも自分の意見をはっきりというべきだという意識
人権問題として
ジャニーズ問題もサヴィル事件も、その根っこにあるものは性虐待に限ったことではなく、広く人権の問題。権力があるものがそれを利用して声を出せない弱者を搾取する図式であり、広く芸能界やスポーツ界、会社、学校、部活、施設、宗教団体などの組織、さらには家庭でのDVや児童虐待にも存在します。そのかげには、弱者やマイノリティである女性や同性愛者への差別、子供や力のないものを下に見る偏見があるのでは。だから、年長者、男性、地位が高いマジョリティには気が付きにくく、女性、子供、外国人などマイノリティの属性がある人に理解しやすいのかもしれません。
このこともあるためか、マジョリティ男性に代表されるメディアではこのような問題が無視、軽視されがちなところがあります。「児童に対する性的ないたずらなんて、まっとうなメディアが扱うニュースではない」と言った考え方は日本メディアでは普通に聞かれるし、イギリスBBCでも一昔前はそうでした。ジャニーズの件においても、メインメディアが取り上げようとしなかったり、ゴシップ風にこの件を扱いがちな発信も見受けられる中、この問題に真摯に向き合っている人には女性や若者、外国暮らしの経験者などが多い印象です。
時代は変わってきています。それは社会がフラットになってきつつあるから、また、インターネットやSNSの普及のおかげでメインメディア以外、時には無名の個人でも発信ができるようになったこともあるでしょう。誰にでも、おかされるべきではない権利があり、いやなことはいやだという社会を作るのは私たち一人ひとりです。自分を信じて、声をあげましょう。その声が聞こえたら、耳をかたむけましょう。