外国人が働きたくない国日本はワースト2位:外国人労働者を受け入れる?

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英金融大手のHSBCホールディングスが発表した「外国人が働きたい国ランキング」で、日本は調査対象33カ国中32位と、ワースト2となりました。上位を占める先進諸国だけでなく日本はタイ、マレーシア、ベトナム、中国にも劣るという結果になっています。外国人にとって日本で働きたくない理由は何なのでしょうか。




HSBC調査 Expat Explorer Survey

Map

(HSBC Expat Explorer Survey)

HSBCはロンドンに本社を置く世界最大級のメガバンク。労働市場の国際化に伴い、海外進出する企業や世界各国で働く人たちのために各国での働きやすさ、暮らしやすさを調査し、ランキングを発表しています。

この調査では、実際に163ヶ国で働く18,000人の外国人を対象にして居住国での生活や職場における意識調査を行い、各分野の得点を集計して33ヶ国のランキングを出しています。

2019年度のランキングは次の通り。2018年度のランキングと前年度比も参考のために載せています。NEWとあるのは今年初めてランキングに加わった国です。

順位 国名 2018順位 昨年度差
1 Switzerland 8 +7
2 Singapore 1 -1
3 Canada 4 +1
4 Spain 14 +10
5 New Zealand 2 -3
6 Australia 6 +0
7 Turkey 24 +17
8 Germany 3 -5
9 United Arab Emirates 10 +1
10 Vietnam 19 +9
11 Bahrain 5 -6
12 Isle of Man NEW
13 Poland 25 +12
14 Ireland 18 +4
15 Hong Kong 17 +2
16 Malaysia 15 -1
17 France 11 -6
18 India 12 -6
19 Jersey NEW
20 Sweden 7 -13
21 Mexico 16 -5
22 Thailand 21 -1
23 United States 23 +0
24 Philippines 28 +4
25 Guernsey NEW
26 Mainland China 27 +1
27 United Kingdom 22 -5
28 Italy NEW
29 Saudi Arabia 26 -3
30 South Africa 29 -1
31 Indonesia 13 -18
32 Japan 30 -2
33 Brazil 31 -2

(HSBC Expat Explorer Survey 2019)

これを見ると分かるようにスイス、シンガポール、カナダ、スペインと続く中、ベトナム、タイ、フィリピン、中国、インドネシアなどのアジア諸国も日本を抜き、日本よりランキングが低いのはブラジルだけという結果になっています。

日本では「働きたくない」理由

日本は「収入」「ワークライフバランス」「子どもの教育」で33ヶ国中最下位となっています。さらに、「(社会・職場に)溶け込みやすい」「子供が友達を作りやすい」で32位です。

日本のいいところとしては33ヶ国中10位以内に入ったのは「政治的安定」6位だけ。次は「生活の質」が13位、「経済的安定」が13位と続いています。

日本が敬遠される理由をまとめると以下のようになります。

・賃金が安い

・ワークライフバランスが悪い

・生活の快適度が低い

・閉鎖的で溶け込むのが難しい

・子供の教育環境が悪く、友達を作りにくい

外国人が日本で働きたくない理由を見てみると、日本人でもそういう働き方はしたくないと思うものですね。当たり前と言えば当たり前です。「カロウシ」がそのまま英語として使われることでもわかるように、日本の長時間労働はもはや国際的にも有名です。

その上、賃金も安く生活の快適度もよくない、家族を連れて行っても子供の教育や社交面でも不安があるということでは日本で働きたいと思う人が少ないのもうなづけます。

中国との比較

日本が欧米諸国と比べて敬遠されるのはわかるとしても、アジア諸国よりランキングが低いのに驚く人もいるかもしれません。それで、中国と日本の結果を比べてみました。

下記は32位の日本と26位の中国(大陸)のそれぞれの要素の順位を比べたものです。

それぞれの分野で青が日本、グレイが中国を表しており、右に行くほどいいスコアです。

これを見ると日本は「生活の質」や「政治的安定」では中国よりいいスコアを取っていますが、収入やキャリア、子どもの教育などの点では後れを取っています。

 

HSBC Survey

HSBC Expat Survey 2019



外国人労働者受け入れ

日本は深刻な人手不足に対応するため、外国人労働者の受け入れを今以上に進めると発表しています。これまでも日本にはアジアを中心に多くの外国人が働きに来ていました。けれども日本が不景気になるにつれて、日本の労働市場の魅力は薄れてきています。これ以上外国人労働者を受け入れようとしても、日本に来たいという外国人がいなくなるのではと懸念されます。

これまで日本に労働者が来ていたベトナムやフィリピンなどのアジア諸国が今回の調査では日本よりもランキング上位に位置しています。かつての事情とは逆転しているのです。

さらに、日本の労働市場の問題もだんだんと世界に知れ渡ってきています。つい先日も日本の外国人技能実習制度を通して来た中国人、ベトナム人たちが過酷な労働条件で働かされ、低賃金しか支払われず、いじめにあったりひどい仕打ちをされたという経験を取材するBBC番組が報道されました。

さらに、コンビニで働く外国人労働者が日本人客からひどい扱いを受けているという話もよく聞きます。

日本で働きたい人がいなくなる?

このような状態では、いくら政府が外国人労働者に門戸を開いても、日本で働きたいと思う人はいなくなるのではないでしょうか。ただでさえ日本の労働市場は過酷です。ブラック企業やブラックバイトは珍しくないし、国家公務員や学校の教師と言った職業でも長時間労働や過酷な労働条件が問題になっています。

外国人から見るとそんな働き方を我慢して続けている日本人は異様にうつります。そして、自分たちはそのような働き方はまっぴらごめんだと思うでしょう。それで高い賃金をもらえるのならまだ頑張りがいがあるけれど、それも低いとなればなおさらです。

もう一つ問題とされているのは日本社会の閉鎖性です。職場でも社会でも、さらに子供にとっても、日本では「ガイジン」は簡単に日本社会に溶け込むことができず、それも外国人にとって高い垣根となっています。

まとめ

外国人が働きたいと思う国の労働・生活環境はそのままその国の人が理想とするものと共通します。外国人労働者にとって魅力的な国にするために働き方を改善していくことは、そのまま日本人の生活の質を上げることにつながります。

長時間労働、低賃金、職場でのパワハラやセクハラ、理不尽な転勤命令、あらゆる理由での差別、いびつなワークライフバランスなど、人を不幸にする問題を解決するために雇用者も労働者もこれまでのやり方をそのまま踏襲するのではなく少しでもいい方に改善していく努力をすべきでしょう。

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