Last Updated on 2018-08-11 by ラヴリー
イギリスのロイヤルウエディング、見逃した人やあまり興味ない人、忙しくてそんなの見てられないという人のために結婚式当日の様子を140文字でまとめると:
ドレスはジバンシー、メーガン「夫に従う」と言わず、ハリー髭そらず、ハリー感激の涙メーガンはスマイル、黒人主教マイケル・カリースピーチ、黒人合唱隊黒人ゴスペルStand By Me歌う、黒人チェリスト、シェク・カネ―メイソン名演奏という感じ。とにかくこれまでの英ロイヤルウエディングになく「革新的な」結婚式についてもっと詳しく知りたい人はこちらの記事をどうぞ。
Contents
ドレスはジバンシー
メーガンが着るウエディングドレスは誰のデザインなのかは極秘となっており、いろいろなうわさが流れていましたが、意外なブランドのデザイナーが選ばれました。イギリスブランドとばかり思いきや、なんとフランスのオートクチュールメゾン「ジバンシィ」のものだったのです。
とはいえ、デザインしたのはジバンシィのイギリス人女性デザイナーであるクレア・ワイト・ケラーです。「外国のブランド?」と批判の声もかわし、しかも女性デザイナーを選ぶのがフェミニストのメーガンらしいチョイスとも言えます。 ジバンシィらしいシンプルで洗練されたクラシックながらもクリーンな印象で、メーガンにとても似合ったドレスでした。
ジバンシィといえば、かのオードリーヘップバーンが愛用していたのを思い出しますね。彼女もジバンシィのタイムレスでクラシックなドレスがとても似合っていました。
長さ5メートルのヴェールは英連邦加盟国を象徴する53の花の刺繍が施されています。これからハリーとメーガンは英連邦加盟国での公式行事に多く参加することになることから、メーガンが特別にリクエストしたアイディアで、それぞれの国の花をリサーチしてできたものです。このヴェールはシルクオーガンザを使い、ハンドメイドで刺繍されたもの、刺繍をする人たちは30分ごとに手を洗って仕上げたということです。
ティアラはエリザベス女王から借りたものです。これはメアリー王妃のダイアモンド・ティアラ。エリザベス女王は数々のティアラの中からメーガンに好きなものを選ぶように言ったのだそうです。このティアラは1893年にウェディングプレゼントとしてメアリー王妃に送られた10個のダイアモンドの入ったブローチからできています。これにカルティエのイヤリングとブレスレットを添えています。
ブーケはケンジントン宮殿の庭からハリー王子が自ら選んだ花を加えたものです。ハリーの母であるダイアナが一番好きだったという忘れなぐさが記念に添えられています。他にはスィートピー、スズラン、アスティルべ、ジャスミン、アストランティアなど白い花で仕上げられた清楚なブーケです。
メーガン「夫に従う」と言わず
今回の結婚式は映像で見る限り、教会で行われるいかにもイギリス王室さながらの伝統的な式に見えますが、さまざまな点でイギリスの伝統的な結婚式から逸脱した「革新的な」ものとなっていて、やんちゃ王子として有名なハリーと自分の意見をしっかり持った社会派の大人のアメリカ人女性であるメーガンの考えを象徴するものになっていました。
まず、通常の結婚式では花嫁の父親が花嫁をエスコートして教会に入り、礼拝堂内で花嫁を祭壇までエスコートするのですが、メーガンの父親は健康上の理由で式を欠席。エスコート役はメーガンの母親が務めるのではと言われていましたが、実際はハリーの父親であるチャールズ皇太子が行いました。
けれども、最初からエスコートするのではなく、教会にはメーガンがエスコートなしで一人で歩いていき(ヴェールを持つページボーイとブライズメイドだけ従えて)途中でチャールズが彼女を出迎えるという形をとりました。
教会に入るときに1人で歩くというのはフェミニストであるメーガンの思いがあるのではないでしょうか。従来の習慣には花嫁の父親が娘を新郎に「あげる」という意味があるのですから。
以前「女性の声を見つけないといけないという考えには賛成できません。女性はすでに声を持っています。その声を発しないといけないのです。」と言ったメーガンらしい演出です。
また、イギリス国教会の伝統的な結婚式では新婦が新しい夫に「従う」(obey)という言葉を使うのですが、メーガンはこの言葉を使いませんでした。妻と夫がお互いに支え合うという誓いをしたのです。
ハリー髭そらず
最近のハリーの髭面はもうおなじみになっていますが、やっぱりむさくるしいということで、いくら何でも結婚式には髭を剃るのではないかとうわさされていました。でも、ハリーは髭面のままでした。
ハリー王子とウィリアム王子が共に着ていた服はブルーズ・アンド・ロイヤルズと呼ばれるイギリス騎兵連隊の制服です。
ちなみにページボーイ4人が来ていたのも、ブルーズ・アンド・ロイヤルズの制服のミニチュア版でした。ジョージ王子、メーガンの親友の7歳の双子ジョンとブライアン、ハリーの名づけ子のジャスパー6歳です。
ハリーの涙とメーガンのスマイル
結婚式では賛美歌が歌われますが、その中の一つ「Guide Me, O Thy Great Redeemer」という曲は故ダイアナ妃の葬儀でも歌われたものです。ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式でも「亡き母ダイアナを記念して」歌われました。
その曲を歌うハリー王子、感極まった様子が見えます。お母さんのダイアナにこの日を見せてあげたかったことでしょう。
Prince Harry appeared to get choked up during the singing of “Guide Me, O Thy Great Redeemer,” a hymn that was also sung at Princess Diana’s funeral https://t.co/OvLScRZ1ps pic.twitter.com/4gVRhlQW0h
— CBS News (@CBSNews) 2018年5月19日
ハリー王子は結婚式のあいだ多少緊張した面持ちでしたが、メーガンは落ち着いていて、ずっと幸せそうに微笑んでいました。さすが、女優の貫録といったところで、気負ったところがなく自然に喜びをそのまま表してふるまっているようでした。
黒人主教マイケル・カリー
WATCH: It was Meghan and Harry’s big day, but Bishop Michael Curry stole the show https://t.co/5UQPv0OpO9 #royalwedding pic.twitter.com/TIlwQEJkF2
— Reuters Top News (@Reuters) 2018年5月19日
結婚式はカンタベリー大主教とウィンザー主席司祭のもとに行われましたが、ハリーとメーガンは米聖公会のマイケル・カリー主教にも出席を依頼しました。カリー主教はシカゴ出身で、アメリカで初の黒人主教です。社会的な問題にも積極的に発言し、LGBTを支持、同性婚を認める姿勢をとっています。
カリー主教はハリーとメーガンの結婚式で「愛」についてジェスチャーたっぷりの情熱的な長ーいスピーチを繰り広げ、いつも淡々としたお定まりの演説に慣れているイギリス人ゲストたちを驚かせたようです。
彼は有名な黒人牧師、マーティン・ルーサー・キングを引用して、「愛には力があります。」「私たちは愛の力から生まれ、愛の力によって生きるのです。」と熱弁しました。
黒人ゴスペル Stand By Me
Karen Gibson and @TheKingdomChoir sing “Stand by me” from the West End of the Chapel #RoyalWedding pic.twitter.com/4V1avJlY3K
— Kensington Palace (@KensingtonRoyal) 2018年5月19日
結婚式ではお定まりのキリスト教の賛美歌が続くのかと思いきや、カリー主教のスピーチのあとには「スタンド・バイ・ミー」のゴスペル合唱が礼拝堂に響き渡りました。
この歌は同名の映画やベン・E・キング、ジョン・レノンをはじめ数々のシンガーが歌ったことで知られていますが、もともとは「Lord, Stand by Me」という黒人霊歌からインスパイアされた歌です。アメリカの黒人奴隷の間に広まったゴスペルは、アフリカ大陸から強制連行され奴隷として働いていた黒人の間に広まりました。
メーガンは自分の祖先が黒人奴隷だったことを隠さないばかりか、誇りに思っていると語っています。そんな彼女の思いがこのゴスペルに表されているようです。
黒人チェリスト シェク・カネ―メイソン
シェク・カネ―メイソン(は若干19歳の黒人系イギリス人のチェリスト。2016年にBBCヤングミュージシャンコンクールで優勝した逸材、それも初めての黒人優勝者でした。カリブ海アンティグアの支援チャリティーコンサートで演奏する姿を見たハリー王子が注目し、メーガンが彼に電話して式での演奏を依頼したのだそうです。
彼は結婚式で3曲を披露、とても美しく感動的な演奏でした。
- Sicilienne Maria Theresia von Paradis
- Apres un reve Gabriel Faure
- Ave Maria Franz Schubert
ノッティンガムに住む彼はシエラレオネ出身の母とアンティグア出身の父を持つ7人兄弟の1人なのですが、この7人がすべて楽器を奏でるという音楽一家です。イギリスでもクラシック音楽を学ぶのは私立学校に通うようなエリート一家が多い中、彼らは公立学校に通う普通の家庭出身。兄弟で暇さえあれば一緒にピアノ、チェロ、ヴァイオリン、ヴィオラなどを演奏するのです。
彼らの両親はどちらも音楽の素人で、特に裕福ではないので7人の子どもの音楽活動にお金をつぎ込んでいるためにボロ車に乗り、家の修理も満足にできない状態だと言いますが、子供たちの好きな音楽のためにならそれも厭わないと言います。兄弟は公立学校で提供される音楽レッスンを受けたり、奨学金を得たり、自分たちで練習を重ねています。何よりも、全員がとても楽しそうに演奏するのが印象的です。
そんな庶民的な、しかも黒人の若いチェリストが奏でるクラシックは英王室に新しい風を吹き込むハリーとメーガンの結婚式にぴったり。
まとめ
堅苦しい印象の英王室に革新的な影響を与えるのではないかと期待されるハリーとメーガン。2人の結婚式はイギリス王室の伝統を引き継ぎながらも型破りな要素がたくさんちりばめられたものとなっていました。これまでのイギリス王室にはなかった多様性、許容力、自由で「開かれた」現代のイギリス社会を代表するものを感じました。
実はイギリス人と言えども、王室に関心があるのは国民の半分以下と言ってもいいでしょう。王室なんて民主主義に反するし必要ないと思っていたり、ロイヤルウエディングにも興味ない人も多いのです。
けれども、そんな人たちの中にも、今回の結婚にだけは関心があるという人たちがいます。たとえば、王室なんて自分たちとは違う世界のことだと思っていた黒人系イギリス人や移民たち。王室などの古いしきたりや結婚制度は女性を型にはめようとする時代遅れの慣習だとみなす人たち。そんな人たちが「私は本来は王室廃止論者だが」と前置きして、ハリーとメーガンがイギリスにいい影響を与えてくれるのではないかと期待していると言うのです。
思えばイギリス王室は故ダイアナ妃が亡くなってからずいぶん変わりました。それは、国民の心が離れていきつつあるということを感じ取ったエリザベス女王が国民に寄り添うように王室の形を変えていく努力をし続けているからです。だから、若いロイヤルメンバーが比較的自由に自分たちのやり方を取り入れていくことができるのです。20~30年前、年上で離婚歴のある黒人系の外国人女優を王子の妻として王室に迎えるなんてことは考えられなかったでしょう。そして、そういう王室だったから故ダイアナ妃とチャールズ皇太子の結婚があのような不幸な結果になってしまったのだと思います。
けれども、今のイギリス王室ならハリーとメーガンのような一風型破りな
結婚後は新しく「サセックス公爵」「サセックス公爵夫人」と呼ばれることになったこの2人。これから、英王室にどんな新しい風を吹き込んでくれるのか、楽しみにみていきたいですね。
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英国は長く、ミステリーサークルが毎年、出現する国。
BBCがそのことをどの様に捉えているのか、
何か、畏敬の念がこの地上に生まれようとしてるのか、
ついに、白人社会に決壊が始まって新しい意識の統合が
始まるのか、このハリーの結婚式はその序曲で、
壮大な地球の「愛」のドラマが始まるような
そんな予感がします。人々が目覚め始めている。